184話 ジューサーとミキサー
1時間目の授業が終わると俺たち4人は
6年生のクラスへやってきて入口前にいる上級生に話しかける
「英雄さん いますか?」
未来の問いかけを聞いて上級生が俺たちを見ると
青くなりながら英雄のところに行く
しばらくすると廊下に英雄が出てきて俺たちのところにやってくる
「お待たせしました みなさん」
「あの ぼくたちを見て青くなったのは?」
俺は教室の中を見ながら英雄に問いかけてみた
「幸正くん 一昨日 色々やりましたよね」
「あ あはは それで怖がって?」
「はい 大半は…そんな感じだと思います」
「仕方ないですね はぁ」
俺はため息をついてしまう
「それで今日は…どういう用事で?」
「あ はい これ」
アイテムボックスからジューサーとミキサーをとりだして
英雄に渡す
「えっと…今度はなにを?」
英雄が渡された二つを見て首をかしげる
「ジューサーとミキサーです 原理は単純だと思いますので
みたらわかると思います
ジューサーは搾るためのもの、ミキサーは刻みながら混ぜるもの」
「なるほど」
未来が自分のアイテムボックスから搾ってある
りんごと桃のミックスジュースをとりだして英雄に手渡す
「ジューサーでりんごと桃を搾ってミックスしたものです
飲んでみては?」
「はい いただきます」
手渡されたコップのジュースを
英雄が飲み干して数秒間、沈黙したあと口を開いて感想を言う
「りんごの酸っぱさと桃の甘さ
混ざり合っていて飲みやすかったです
それで…りんごを搾るための機械が…これと言うことなのですね」
英雄の言葉に俺たちは頷く
「あれこれ 色々忙しいと思いますので
家電会社 もし 宛があるならばそちらに丸投げでいいと思うので」
俺は英雄に提案した
「はい 冷凍庫などは目処が立ちましたし
術式も目処が立つ段階に来てますので色々と作りたいものとか
依頼されているものがありますし
じっちゃんに相談して手が空いている会社に
丸投げすることにします」
「船もありますし、飛行機もそうですね」
「そうですね あとは…鉄道も改善出来そうだと考えてます
術式を使いながら空気抵抗を無くして
高速鉄道も可能だと思いましたし」
「それは楽しみです 高速鉄道を張り巡らせるならば
陸橋にしておいた方が事故も減らせると思います」
「はい その辺も鉄道会社と…お父さんが相談しているみたいです」
「そう言えば…カップラーメンは
どうなりますか?」
「そちらも…食品会社に話を持っていって
乗り気になった会社が数社ありました」
「色々と動き出してますね」
「ゆきくんと一緒にここに来て1ヶ月だけど
色々と動き出してるのはすごいね」
「そうですね まだ1ヶ月しか経ってないのに
色々とありましたよね」
「うん 下着は販売はじまったし
この1ヶ月で色々 わたしは楽しかったよ」
美穂 未来 芽衣も1ヶ月を振り返りながらそれぞれ口にする
「英雄さん これからも色々と無理難題持ちかけるけど
よろしくお願いします」
「いえいえ ぼくの方こそ ありがとうございます
変人と言われていた、ぼくに興味を持っていただいて
しかもいろんなものを毎日楽しいです」
「そう言ってもらえると ぼくとしても嬉しいです」
「そろそろ時間」
未来が時計を確認しながらそう言うと
俺たちは英雄とのやりとりを終えて教室に戻っていく
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