183話 登校時から授業開始までの時間に
翌朝 登校前に母親が俺に話しかけてきた
「忘れ物ない?」
「うん 大丈夫」
「それで…お昼はなに食べたい?」
「うーん カレー ルウも色々買ってるよね?」
「うん 何種類か買ってあるわ」
「そしたら…甘口、中辛、辛口と大量に作っておいて
作り置きしておくのが手抜きになると思う
カレーなら色々組み合わせも出来るし
とんかつを載せてカツカレーとかもあるから」
「わかったわ カレー大量生産しておくわね」
檻はふと思ったので
大鍋を3つほど作り出して母親に渡す
「一応、大きな鍋3つほど渡しておくね」
「ありがと」
「行ってきます」
「いってらっしゃい」
母親と会話をし終えて玄関から外に出ると
父親が俺を見るなり近づいてくる
「宗人と場所を決めておくから
午後には伝える」
「うん 場所を土魔法で穴掘ったりしてから
木を転移させることになると思う」
「そうだな そのまま持って来ても
ダメだろうしな」
「外に持って来て…問題ないかどうかも
心配だけど…普通の木みたいだし
大丈夫そうだと思ってるんだけどね」
「そればかりは様子見が必要だな」
「ぶどうだけでいいです?」
「あぁ りんごも桃も農家が作っているだろうから
ここでやらなくてもいいだろう
他に植えたいものがあるならスペースを確保しておこうか」
「そうしてくれると助かります」
「わかった」
父親と会話をしているうちに
美穂が隣にやってきていた
「それじゃ、行ってきます」
「おじさん 行ってきます」
「ふたりとも いってらっしゃい」
俺は美穂と一緒に学校近くに瞬間移動をしてから
校門に向かうと門前で、たけしがまっていた
俺たちの顔を見るなり駆け寄ってきて挨拶をしてくるたけし
「おはようございます 昨日はごちそうさまでした」
「「おはようございます」」
「それで…お父さんがちゃんとお礼を言いなさいと…
お父さんも色々参考になったみたいで
作れそうなものは作ってみようと意気込んでました」
たけしが俺を見ながら頭を下げつつお礼を言う
「参考になったならよかったです
あ たけしさん ジャムはわかりますか?」
「ジャムですか? わかりません」
たけしが首をかしげながら答える
「ゆきくん 果物を利用するの?」
美穂が俺に思いついて問いかけてきたので頷いて答える
「うん りんごとか ももとか ぶどうとか
砂糖で煮詰めてパンの中に入れたりしてもよさそうかと」
「日本じゃ…いちごジャムが定番だもんね ジャムパン」
「うん そう」
美穂とふたりで話していたら、たけしが涙目になりそうな顔で
話に入ってきた
「ふたりとも、ぼくをおいて話に入り込まないでほしいです」
「「あ ごめんなさい」」
「話を聞いていると…砂糖で煮詰めたもの?」
「そうです 苺は時期が悪いので無理だとして
りんごなら収穫時期ですよね いま」
「はい」
「りんごを煮詰めてジャムを作って
それをパンに入れてみるのはどうです?」
俺がそう提案するとメモを取り出しているたけし
「お父さんに伝えます」
「あと あるといいなと思うのは
揚げパンですね あんこの」
「なるほど…試作品作ったら
家に持っていってもよろしいでしょうか?」
「はい」
「うん」
俺と美穂が返事をする
「それでは ぼくは向こうなので」
たけしと別れて教室に入り席に着いて
しばらくすると芽衣と未来もやってくる
未来が俺のそばにやってきて話しかけてくる
「昨日 いただいたジューサーですが
明智家にもサンプル品を渡してくれとのことを
お爺様から頼まれました」
「あ はい わかりました
ジューサーだけじゃなくミキサーもあわせて
渡した方がよさそうかも」
「ミキサーというと刻みながら混ぜるものでしたよね」
未来が記憶を思い起こしながら俺に確認してくる
「うん そう 作り自体も複雑でもないと思うし
渡せば…どこかの会社が作ってくれるんじゃない?」
「そうだといいのですが…色々作らせているから
どの会社もドタバタしていそうですが」
「た、たしかに…」
俺があれこれ渡して研究させているから
ドタバタしていることは理解出来てしまうから
悪いなと思いつつ返事を返した
「休み時間に6年生のところに…でいい?」
「はい それで構いません
それから、もう一つ ぶどうの木のことです」
「はい?」
なにか植えるのがまずいのだろうか?
そう思いながら返事をすると未来が続きを話してくれた
「加賀、樹に貸している土地の他にも植えてほしいとのことです」
「なるほど わかりました」
「場所は放課後にメモを受け取りますので
そのあとで」
「はい」
未来との会話も一段落をする頃には
時間になり1時間目の授業もはじまろうとしていたので
いったん、そこで会話を終わらせ授業に集中するのだった
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