182話 今日の報告
朝の181話に引き続き未来視点です
夕食の場に着くと、お母様が話しかけてきました
「ジューサーですか きっかけはなんです?」
「はい みほさんがジュースを希望しましたので
ゆきくんが、その場で作り出しました」
「なるほど 当たり前のように存在しているものを
思い浮かべて作り出したと言ったところですか」
「そうです それで…りんごジュースは酸っぱかったです
逆に桃の方は甘すぎました
なので、混ぜ合わせてみました」
わたくしはそう説明しながら
栄にりんごと桃をジューサーにかけてもらい
混ぜ合わせて各自に配って貰いました
それを見ていた、お爺様が口を開いて
わたくしに話しかけてきました
「この機械の仕組み自体は単純になっているみたいじゃな」
「はい 搾るだけですから」
「サンプルはこれだけか?」
「はい ゆきくんの家には3台あると思います
他、芽衣さんや美穂さんにも配ってますので
ジューサー自体は6台ほどはあると思います
もっとも、ゆきくんに頼めばすぐ作り出すとは思いますが」
「そうじゃな あやつなら…すぐだろうし
明日にでも明智にサンプルを渡すように頼んでくれぬか?」
「はい かしこまりました
それから、ゆきくん 庭にぶどうの木を植えるつもりですので
一応、ご報告します」
「「「「ぶどうの木?」」」」
「62階層に生えていましたので…」
わたくしはとってきてあるぶどうを机に置く
「ぶどう自体はわかります」
お母様がそう言ってきます
お爺様達も頷いて、お母様と同様でした
「木を植えるってどういうことじゃ? 種を蒔くのか?」
お爺様が疑問に感じて、わたくしに問いかけてきました
「栽培出来るならしたいみたいです
それで…さちこさんがゆきくんに一つ提案をしたのです」
「「「「なにを?」」」」
お母様たちがそう言うと、わたくしは答えます
「ダンジョンに生えている木を、根っこからまるごと転移したらいいと言うことです」
「「「「…………」」」」
「さちこさんも幸正の能力を把握しているから
そういう思いつきが出来るようですね
日本人の感性なのか…わかりませんが はぁ」
しばらく沈黙した後
お母様が口を開いて語りました
確かにさちこさんの思いつきは
ゆきくんの能力を把握した上で言っていることですし
それが手っ取り早いのは…わたくしも同意見でした
「それで、加賀と樹の庭にですか?」
「はい その予定ですが問題ありますでしょうか?」
お母様の問いかけにわたくしも聞き返してみます
すると、お爺様がわたくしを見て答えます
「問題はない ただ、加賀と樹に使わせている土地以外にも
うえるように幸正に伝えてくれ」
「はい 場所を指定していただければ」
「うむ 明日の午後までには場所を指定した紙を用意する」
「ぶどう自体 流通していませんよね」
わたくしが、お爺様にそう問いかけてみました
「そうじゃな ダンジョンには普通に生えているのは
報告はちらほらある 低階層にもだ」
「そうだったのですね」
「冒険者がその場で食べているだけと言うのが
大半でな 栽培などをするようなものも出ていなかった」
「なるほど だから、米で作るお酒はあるけれど
ワインがないのですね」
お爺様の言葉を聞いて
壁際にいたぼたんが呟いてました
それを聞いていた栄がぼたんを睨んでます
「あ すみません」
慌ててぼたんか謝るのをうけて
お爺様も制止して
「いや 問題ない ワインというのは葡萄酒ということか?」
「はい そうです」
お爺様の問いかけにぼたんが肯定したあと
お母様が口を開く
「ビールとウイスキーの他にもワインも日本では見掛けてました」
「ゆかり 買ってきてなかったのか?」
お父様がお母様に問いかけたようです
「はい こないだはビールとウイスキーを選びましたので」
「そうか…」
「未来よ ワインの件も頼めるか?」
お爺様がわたくしを見ながら申し訳なさそうに問いかけてきました
「はい それでしたら…お母様が
買いものに行ってくるのは?」
「わたくしですか?」
「時間ありませんか?」
お母様がスケジュールを確認しつつ考え込む
「わかりました わたくしだけじゃ不安ですので
そこにいるすみれとかえでにも付き添い頼みます」
「「はい」」
夕食の時間の会議もこうして報告などが終わり
夕食を食べ終えると、わたくしは部屋に戻りました
誤字報告はありがたいのですが
誤字以外を書き入れるのはやめていただけると助かります
また、句点…「。」のことですが、ずっとつけてないので
これらをすべて修正するのは…難しいのですみませんがこのままの
スタンスをとりたいと思います