181話 侍女達との会話
未来視点です
「ただいまもどりました」
「姫様 おかえりなさいませ」
わたくしが皇室に帰宅すると
栄が頭を下げながら出迎えます
「今日は、なにもなかったのでしょうか?」
「栄 あなたもやらかし前提なのです?」
「それは、そうでございます あの方のやらかしは
1日たりとも途絶えませんから…」
「はぁ…そうですね ゆきくんは毎日
なにかかにかやりますからね」
栄の言葉にわたくしはため息をつきながら答えます
「それで…今日は?」
わたくしはアイテムボックスから
果物とジューサーをとりだして渡しながら
栄に答えます
「62階層に生えていた
りんご、桃、ぶどう、渋柿です
そして果物などを搾ってジュースにするための
機械です」
「62階層に降りられたのですね
果物はわかりますが…搾るための機械ですか
やはり、今日もゆかり様に報告案件になりました」
「そうですね それと…りんごと桃は
栄も見慣れていると思いますが
ぶどうは?」
「ぶどうでございますか?
みたことはありません 粒がいっぱい集まっているのですね」
「ダンジョン内には普通に生えているみたいですので
冒険者が持ち帰ることも考えられますが
出回っていないのですね」
「はい わたくしは見たこともございませんでした」
栄との会話でぶどう自体が出回っていないことを
確認したあと、部屋に戻り夕食の時間まで
部屋でゆっくりしていると部屋に侍女4人がやってきました
「「「「未来様 失礼します」」」」」
「すみれたちですか 今日は昨日の処理などで
忙しかったのではないのです?」
「はい さくらさんとかえでさんは
北と東の都市へ行って船の件などを
説明して帰ってきたところです」
「ふたりとも おつかれさまです
瞬間移動があるとは言え…通常業務とは
別の仕事で大変でしょう?」
「お心遣いありがとうございます
昨日 幸正様が提案した漁業を引き受けた者達に
陛下から詳細を受け取って説明してきまして
船の運転資格を、まずは取得するところから始めて貰うこと
費用はこちらで負担することを伝えてきました」
かえでがそう答えてきました
さくらも同様なことをしたみたいです
「わかりました 船もそうですが
船に冷凍庫を設置しないといけませんし」
わたくしがそう呟くとすみれが口を開く
「冷凍庫の件も製作会社へ連絡済みでございます
一般家庭の冷蔵庫と冷凍庫とは別に
業務用の冷蔵庫と冷凍庫も早急に作るようにと
ゆかり様の指示で…」
「お母様がですか なるほど
日本を見学して色々と思うところがあったのですね」
「わたしたちもデパートを見て回っていて
食品売り場におかれてある冷蔵庫や冷凍庫
必要だと感じてましたから
ゆかり様も同様なのかも知れません」
「そうですね
話は変わりますが62階層に
果物の木が生えていました」
わたくしは4人にとってきた果物を見せました
「りんご 桃 ぶどう…ですね」
「ぶどうがこの国にあったのですね」
「食べてもよろしいでしょうか?」
「ぼたんちゃん 食べることを先に考えてる」
4人とも色々と口にすると
わたくしは食べることを了承します
すると、ぼたんがアイテムボックスからナイフを取り出して
切り分けていきました
「りんごは代わり映えのない味ですね」
「「「うん」」」
「桃は甘いですね これは当たりの桃です」
「桃って当たり外れがひどいものね」
「美味しくないものだと…大根を食べてるような感じですよね」
「「「そうそう…」」」
「ぶどうは甘いみたいですね 粒は小さいですが」
「うん 日本で見た高級ぶどうは粒が大きいよね」
「うん あれ おいしそうだよね さくらちゃん」
「値段を見ると…買うのがためらいましたけど」
「あんなに…お高いなんて…だよ」
「うん 日本のぶどうはともかくとして
ぶどう…農家で栽培出来ないものかしら?」
果物を食べながらそれぞれ会話をしていて
最後にさくらがぶどうを栽培出来ないものか?と口にしました
「それですが ゆきくん ぶどうの木を
庭に持ってこようとしているようです」
「「「「えっ?」」」」
「幸正様なら…言われてみれば…」
「ぶどうの栽培も可能ならワインも作れますよね」
「種もありますし…ダメ元で植えてみません?」
「そうですね それで…持ってくる本数は何本なのです?」
ぼたんが本数を尋ねてきました
「正確にはわかりませんが、加賀と樹の庭に植えるとは思います」
「「「「なるほど」」」」
「早ければ…明日 実行すると、わたくしは予想してます」
「幸正様ですからね」
「そうですね 思い立ったらじっとしてませんし」
「そうそう」
「うん」
こうして侍女達と会話をして過ごしていると
夕食の時間になり4人とともに
いつもの場所へ向かいます
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