表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
183/506

180話 ぶどうの話

しばらくして、さちこも帰って行く

その際、母親がさちこに鹿の唐揚げをもたせたようだ


「おばさん ごちそうさまです」

「いえいえ おいしいかどうかは不安だけど

 家の人たちと食べてね」

「はい」


ゲートから向こうの地球へ戻っていくのを見た後

しばらくすると、絵美や宗人と一緒に父親が帰宅すると

両家揃って夕ご飯をたべる

今日は先ほど、さちこにも渡していた

鹿の唐揚げと野菜炒めなどみたいだった

母親が角治の顔を伺いながら味をきいてくる


「幸正達が鹿をとってきたみたいだから

 唐揚げにしてみたけど…どうかな?」

「脂身が少ないみたいだよね 鹿」

「脂っこくないな 確かに」

「これはこれで…うまいと思う」

「「うん」」


美穂、父親達が感想を言うと

俺と由美は頷いて同意する


「よかった…」


母親も安堵の表情を浮かべながら

自分も食べ始めたようだ


ある程度、食事が進んだ後

俺は父親と宗人に話しかける


「お父さん おじさん 庭って空きスペースある?」

「「うん? またなにかやらかすのか?」」


二人ともやらかし前提で聞き返してくるのを

俺や美穂、由美は苦笑いしてしまう

気を取り直して俺はふたりに話し始める


「62階層で果物の木 色々みつけて…

 ぶどうの木 何本か根っこごと持ってこようとか

 考えていて…」

「木をまるごとか?」

「相変わらず、とんでもないことを考える」


ふたりとも呆れながら俺を見る


「りんごや桃は農家の人も作ってますよね?」

「「あぁ…」」

「ぶどうは?」

「ぶどうは…俺や宗人はネットを見てわかるが

 大半の国民は未知の果物じゃないのか?」

「なぁ…絵美 ぶどうって流通してないよな?」

「そうね 作っている農家もいないと思うわ」

「なるほど…」


そこで由美がネットを調べていて俺たちに話しかけてくる


「日本にぶどうが入ってきたのが

 奈良時代と言われているみたい シルクロードを通ってらしいね」

「そうすると…こっちだと魔の森があるわけだし」

「ぶどう自体がダンジョンにあると言うことは

 ダンジョンを作った人が転生者なら知識を元にじゃない?」


由美が仮説を言う

俺はミアさんの方を見て


「ミアさん 転生って 過去へ転生も可能なんです?」

「はい 可能ですね だいたいは別次元の過去へ転生になると思います」

「今回 ぼくの場合は地球と同一時間軸になっているのは例外?」

「そうですね 悠が希望した文明レベルだと

 ここしかなかったわけですし」

「そうすると 月宮の始祖は…いつの時代の人なんだろう」

「それは わたしもわかりません」

「そうですか…お母さん達 月宮ってどれくらい長いの?」

「たしか…数千年と言われていたよね」

「そうだな かなり古いと言われている」

「「うん」」


母親達がそう答える


「そうすると…少なくてもあっちの地球の奈良時代の

 時間軸にはすでに魔の森が存在していたことになりそう」

「そうだよね いま わたしたちがこの時代にいて

 それを逆算すると」

「うん ぶどうはこちらの世界で大陸を渡ってきたと言うより

 転生者が仕込ませたのが濃厚そう」

「「うん」」


俺はそう結論すると、あらためて父親達を見て提案する


「お父さん達 ぶどう育てませんか?」


俺は提案すると同時にとってきた果物と

シュースにしたものを机の上においていく


「りんご、桃、ぶどう…です 柿もありますが渋柿なので除外します」

「それで…そっちの液体はジュース?」


母親がジュースを見てそう聞いてくる


「はい ジューサーも作り出して絞って作りました」


俺はそう言うとジューサーを母親に渡す


「あなたね 日本のものを また作りだして…」

「絞るには便利ですよ? 野菜ジュースとか…ぼくは飲まないけど」

「ゆきまさぁぁぁぁぁぁぁぁ? 野菜もちゃんととりなさい」


俺がつい…本音を漏らすと

母親がいつものように怒鳴りつけてくる


「とりあえず、果物から食べてみてください」

「はぁ…都合が悪いと逃げる」


母親が呆れるように俺を見つつも

りんごから食べていく

他3人も同じように食べてみている


「りんごは代わり映えがないわね」

「「そうだな」」

「えぇ」


母親達もりんごに間しては俺たちと同じように

変哲のないりんごという印象みたいだ


「次に桃 これは甘いわね」

「この桃は当たりだね」


母親と絵美がそう語る

男性陣も同意見だったが甘すぎたようで

口直しに水を飲んでいた


「最後 ぶどうだね これは…皮をむくんだよね?」


母親が俺と由美に確認してくると

俺たちは頷く

由美が続けて補足を言う


「おばさん 日本でシャインマスカットとルビーロマンを買ってません?」

「そういえば…買った覚えあるかも」


母親がアイテムボックスを確認する


「あったわ ふたつとも」


そう言ってアイテムボックスから二つをとりだして机に置く

由美はそれを見て補足を続ける


「それらは皮ごと食べれますし…種なしになってます」

「「そうなのね」」

「「品種改良…だな」」


由美の説明に母親達はそれぞれ呟く


「まず、今日とってきたぶどうから食べた方がいいと思います」


俺はそう奨めると母親達は

俺たちがとってきたぶどうの方から口にする


「甘さはあるわね」

「えぇ 思ったより甘いね 酸っぱいと思ったら」

「そうだな 種をだすのがめんどくさいな」

「種も飲んじゃいそうだな」

「だな」


母親達がぶどうを食べながら感想を述べる


「ちゃんと甘いぶどうだし…悪くはないと思う ぼくは」


俺は見解を述べると

父親と正太は頷いて同意してくれた


「次に…日本のものも食べてみましょ あなた」

「あぁ」

「わたしたちも」

「そうだな」


母親達がシャインマスカットを食べてみる

俺たちもシャインマスカットを手にして食べる


「これも甘いね」

「さっきのぶどうと違うな」

「だな」


母親達が感想を述べている

俺たちも高級ぶどうを口にして言葉にする


「おいしいよね これ さっきのぶどうもおいしいけど

 これは大きいし…はまっちゃいそう」

「さすが高級ぶどうだよね 滅多に食べること出来ないからね

 もっと高いのはそちらのルビーロマン」

「ぼくはルビーロマン 食べたことないから

 味もわからないけど」

「高いよね お金がないと食べれないぶどうだし」


美穂が最初に感想を述べると

由美が続けて感想を言う それに釣られて俺が感想を言うと

由美が返してくる


そんなやりとりをしていると

母親達と美穂とミアさんがルビーロマンも口にしていた


「「「「「「これは…」」」」」」


あまりのおいしさに言葉を失っている感じだった

俺と由美もルビーロマンを食べ始める


「ほんと おいしい」

「うん おいしい ここまでは時間かかると思うけど

 お父さんとおじさん どうかな?」

「そうだな ぶどう…やってみるか」

「だな 庭は広いし問題ないだろう」

「じゃあ、明日 数本持ってくるから

 植える場所決めておいて」

「「わかった」」


こうして、庭にぶどうを植えることが決まって

ぶどう園が出来るかも知れない期待が高まる

ここまで読んでいただいた方ありがとうございます

面白いと思っていただいたら

ブックマークや評価つけていただいたら嬉しい限りです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ