１７８話 パン屋さんにて
美幸視点で短めです
幸正達がダンジョンにむかったあと
わたしはたけしくんを連れてパン屋さん近くに瞬間移動をして
たけしくんと店に入っていく
するとカウンターから店主さんがわたしたちを見て声をかけてくる
「いらっしゃいませ…えっと…どうして
うちの息子が一緒なのです？」
店主さんが首をかしげながらわたしに聞いてくる
「うちの息子がたけしくんを家に連れてきたので
送り届けに…」
「たけし それ ほんとか？」
店主さんがたけしくんをみて問いかける
「はい 学校で幸正くんに声をかけて
その…とんかつもどき食べてみたくて…」
「あ…加賀さん ご迷惑おかけしちゃったようで…すまん」
たけしくんの説明に店主さんがわたしを見て頭を下げてきます
「いえいえ…作り置きしているので手間もかかってませんから」
「たけし お前…」
「お父さん達だけ食べて…ずるいじゃないですか？」
「そ、それは…そうなのだが」
たけしくんの反論にばつの悪そうに口ごもる店主さん
「お父さん あと…いろいろなパンを
試食してきたんです」
たけしくんがそう呟くと店主さんがわたしの方を見て
申し訳なさそうにしながら
「あの 試食ですか どういうことなのです？」
「はい わたしたちの家に一緒に住んでいる女の子
ここじゃない世界の人間なのですが
そちらの世界のパンを幸正が
その子に頼んで買ってきて貰って…でして」
「………たけし なんてことを？ 迷惑かけているじゃないか」
店主さんがたけしくんを見ながら怒鳴りつけるのを
わたしは制止して話しかける
「迷惑…ゆみちゃんも迷惑とか感じてませんし
そんなに怒鳴りつけなくても
そもそも、ゆみちゃんに買ってきてって頼んだのは
うちの息子の方ですから」
「そうは言うけれど…いったいどれくらい買ってきたんです？」
「うーん どれくらいだろう？
とりあえず、残ったパンを持ってきてますので
試食してみてください」
わたしはアイテムボックスから
パンをとりだしていきカウンターに並べていく
「あの………多いのですが？」
「やはり多かったですか」
「はい お金は大丈夫なのでしょうか？」
恐る恐る、わたしに聞いてくる店主さん
「大丈夫です」
ゆみちゃん…お金 こないだ換金して手元にあると思うし
大丈夫でしょう
「そ、そうですか…」
「それで…よろしければ試食お願いします」
「はい みたことないパンもいろいろありますし
気になって気になって…」
「幸正も参考になることを期待して
ゆみちゃんに買ってきて貰った訳なので
ぜひ、参考にしてください」
「はい」
「わたしは…これで…あ、せっかくなので
パン粉と食パン買っていきます」
「毎度ありがとうございます」
買いものをすませて
パン屋さんから外に出て人気のないところから
家に帰宅して時計を見る
「まだ あの子達戻ってこないわね
とりあえず、夕ご飯の支度はじめましょうか」
独り言をつぶやきながら台所に向かうのでした
投稿開始してから丸４ヶ月経過しました
６月にタイトルいじってみたり１日２話投稿にしたりして
見ていただける方も次第に増えていき
お陰様でブックマーク数も３０人には達してます
まだまだ少ないですが
誰も読んでくれないと言うことではないだけありがたいと思います
