177話 62階層
たけしを母親に任せて再び61階層にやってくると
由美とさちこが61階層の様子を見て感想を口にする
「なんていうか…気持ち悪いね なにかの体内の中みたいね」
「うん スライムも想像していたものと…違うよね
気持ち悪い感じ」
「それにしても…ダンジョンって不思議だよね」
「60階層は金属の壁でどこかの研究施設っぽい
雰囲気だったし52階層は完全に森だったよね」
「それに対して61階層は生物の体内という感じで
階層変わるだけで…こんなに違うものなの?」
「うんうん 不思議」
二人とも感想を述べながら進んでいく
もちろん、途中にいるラバースライムは狩りながら
下に降りる階段はすぐ辿り着く
もっとも、階段の近くまで飛んでいたわけだけど
「さて、62階層へ降りる階段だね」
「「「「「うん」」」」」
ミアさんを除く女性陣が頷く
階段を降りていき62階層に辿り着くと
ミアさんが索敵を開始する
「やっぱり、森と草原だね」
「52階層と変わらない感じだよね」
由美とさちこが予想どおりという感想を口にする
「悠 この階層 食べられるお肉が少ないわ」
そんな中でミアさんは残念そうに口を開いていた
「と言うと?」
「「「深愛様?」」」
「もしかして…牛とか猪とかいないとか?」
「虎とかライオンだったりして?」
「あ さちこちゃん ありそう」
美穂達はミアさんの方を見て名前を呼ぶだけだったが
由美とさちこは色々予想を口にしていた
「はい さちこの言うとおりですね
キラーレッドタイガー…虎ですね
それと…ツインヘッドライオン ライオンですね
食べること出来る…お肉は…うーん
サンダーディア…雷纏っている鹿になりそうです」
ミアさんの説明を聞いて美穂達が最初に口にする
「赤い虎と二つの頭のライオンと雷属性の鹿かぁ」
「鹿以外は適当に始末でよさそうですね」
「食べられる鹿だけは魔石を取り除いて始末ですね」
未来と芽衣の言葉に由美とさちこは
顔をひきつりさせながら笑っていた
「とりあえず、鹿だけ狩りましょうか?」
俺の提案にみんな頷いたあと
ミアさんが場所をウインドウに表示させる
俺たちは空を飛びながら鹿がいる場所へ向かう
道中、空から森をみながら由美とさちこが
俺たちに話しかけてくる
「ゆきまさくん あそこに生えてるのって…ぶどうじゃない?」
「あっちにはりんごもあるようだよ」
二人の言葉に美穂達も指を差された方向を見る
「言われてみれば果物の木 色々生えてるよね」
「肉ばかりに目が行っていて見落としていました
もしかして52階層もなにかあるのかもしれないですね」
「とりあえず、収穫?」
芽衣の提案に全員頷いて
りんごやぶどう、柿、桃などがみつかったので収穫しながら移動をする
「そうすると…カカオも期待出来るのかも?」
「「「「「たしかに」」」」」
「チョコレート たのしみー」
ミアさんだけチョコレートを口にしていた
鹿がいる場所に辿り着くと俺たちは鹿を観察する
「雷纏ってるね」
「予想どおりですね」
「「「うん」」」
「弱点は…額ですね 毎度のことですが」
芽衣が弱点看破を使い弱点を言う
生物系は基本的に額か心臓付近に弱点があるので
毎度のことになってしまう
芽衣の言葉を聞いたあと、今度は由美が魔法を発動させる
「素早さアップをしておきますね」
「「「「「ありがと」」」」」
俺たちは素早さアップバフを貰うと
各自ビットを飛ばしていき額を貫いていく
その場にいた鹿の群れ
ざっと20頭近くを始末すると
ミアさんが回収していく
「いつも通りの作業なんだけど
緊張感がないというか練習にもならないよね」
「そうですね やはり模擬戦を定期的にやった方が
わたくしたちは成長出来そうですね」
「うん 魔物相手だと練習にならないし」
「だよね」
「ゆみちゃんは火木土とバイトだから
時間あるのって月水金日になりそう」
「うん…」
みんなもの足りなく感じていて
模擬戦を定期的にやることを話してしまっていた
俺は時計を見る
「4時過ぎたけど15分程度
バトルロイヤル方式でする?
もちろん、魔物がいる場所で」
俺がそう提案すると
みんな、乗ってきてミアさんを除いて6人で
塗料の当て合いがはじまる
もちろん…周りにはライオンや虎がいる
ツインヘッドライオンは
炎と氷を口から吐いてきたり
キラーレッドタイガーも炎を操りながら
爪や牙で襲ってくる
魔物を始末しつつビットで塗料をつけてくるのを
かわすというのもいい練習になっている
みんな全力でしているため
汗もかいたり15分でかなりくたくたになっていた
「「「「「「ふぅ…」」」」」」
俺はしばらく黙ってみんなの会話を聞くことにした
「1対5という感じだからどこから飛んでくるかわからないし
神経使う」
「そうですね 魔物達は気にしないですが
美穂さん達の攻撃をかわすのが大変でした」
「楽しかったです 素早さはわたしが有利でしたけど
さちこおねえちゃんも素早さあるし
ゆみおねえちゃんはバフかけているし」
「いい運動になるよね」
「うん 学校ではできるだけ力を出さないようにして
過ごしているから…運動不足になりそうだもんね」
それぞれ感想を口にしながら呼吸を整えたあと
家に帰宅するのだった
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