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176話 日本のパン いろいろ

「ただいま」

「おじゃまします」

「「「「「「おかえりなさい」」」」」

「ゆみちゃん おかえり さちこちゃんいらっしゃい」


由美とさちこが客間にやってきて挨拶をすると

俺たちは挨拶をかえす

そして由美が俺を見ながらアイテムボックスに入れてあった

コンビニ袋を取り出しながら話しかけてくる


「菓子パン色々買ってきたよ

 あんパン クリームパン コロネでしょ

 メロンパン 焼きそばパン

 あとは…あんドーナツに…カレーパン

 これくらいかなぁ

 サンドイッチ類も一応…カツサンドとか」


そう言いながら袋から取り出して机の上に並べていく


「おねえちゃん ありがと」

「これくらいは…お安いご用だから

 で、おばさん これ 切り分けて貰えます?」

「わかったわ 人数分にわければいいのよね」

「うん」


机の上にずらりと並べられているパンを見て

美穂達は顔をひきつりながら口を開く


「ゆきくん これ たけしさんに食べさせるためよね」

「ずいぶん色々 買ってきてますよね ゆみさん」

「あ この コロネはチョコレートだから難しそうね」

「うん みほちゃんの言うとおり 食べさせるために頼んだ」

「コロネはチョコレートだね こっちの世界だと

 カカオをどうにかしないとチョコレートが難しいよね」


美穂 未来 芽衣に対して俺と由美が返答をする

母親が包丁を数本持ってくると

芽衣や美穂達も切り分けるのを手伝う

たけしは目の前におかれてるみたことのないパンに

目をぱちくりさせながら

紙とペンを手に色々メモを取り始めていた

切り分け作業が終えると

母親が皿を全員分取りだして、各自に配っていく

一つ一つ口にしながらたけしがあれこれ

俺たちに聞いてくるのだった


「あんパンはわかるよね?」

「はい あんパンはお店でもあります」

「クリームパンは?」

「この中に入っているものって…こちらでも作れるのでしょうか?」


美穂がたけしと会話をしている


「カスタードクリームは作れると思うよ

 作り方 調べないとだけど」

「なるほど それじゃ…そちらのコロネ?は」


たけしがコロネの方を見て聞いてくると

芽衣が答える


「先ほども言いましたけど

 この中に入っているチョコレートを作るために

 カカオという豆?が必要で

 いま、ダンジョン内に生えていないか探しているところなの」

「ダンジョン…外にはないのでしょうか?」


たけしが残念そうに呟く

それを見て由美が


「うーん こちらの世界の地球と

 わたしたちの世界の地球 基本的には一緒だから

 アフリカ方面に行けばあるはずだと思うんだよね

 たしかカカオの生産はコートジボワールやガーナが高いんだったよね」


由美が記憶を頼りにそう話す

さちこがウインドウを開いて検索してみる


「うん そうみたいね どちらもアフリカ大陸だね」

「アフリカ どの辺りなのでしょうか こちらの世界だと」


たけしが首をかしげながら言う


「魔の森があるところからずっと西かな」


美穂がそう答える


「そんなところ…に」


美穂の言葉を聞いて残念そうに言うたけしに

俺は意見を述べる


「ぼくとしてもチョコレートは

 どうにかしたいと思っているので

 ダンジョンでみつからなければ

 そうですね 最悪 アフリカ大陸方面まで

 出向くということも」


それを聞いた美穂達は「やれやれ」といった感じになる

母親は俺を睨み付けながら怒鳴りつけてくる


「ゆきまさぁ」

「仕方ないじゃないですか? ダンジョンにないなら」

「はぁ…」

「ゆきくん その前に飛行機でしょ?」


美穂がそう突っ込んでくる


「飛行機開発もそうですけど

 ぼくたちだけなら別に飛行機使わなくても」

「「「「「言われてみれば」」」」」

「悠なら簡単ですからね」


脱線したので話を戻すことにして


「たけしさん チョコレートはどうですか?」

「あ…はい 甘くて…おいしいです

 パンにつけて食べるのも納得です」

「チョコ以外だと…どれが気になりましたか?」


俺の問いかけにたけしは目の前のパンを見ながら唸る


「どれもおいしいですし、こんなパンもあるんだなと感じました

 とくに…これ 焼きそば? そばでもうどんでもないようですが

 これはどういうものなのです?」


焼きそばパンを指さしながら俺に聞いてくるたけし


「焼きそば自体は…小麦粉で作られている麺を焼いたものです

 うどんとは少し製法も異なります

 ちなみに、うどんを焼いた、焼きうどんというのもありますが」

「なるほど 小麦粉…あれっ? パンも小麦粉

 同じ材料のものを組み合わせてるのです?」


たけしが首をかしげる

そこに由美達が笑いながら答える


「パンも焼きそばも炭水化物だから

 炭水化物と炭水化物をあわせているものね」

「日本に来る外人にも驚かれてしまう食べものの一つだから これ」

「そ、そうなのですね

 他には…サンドイッチはこちらでもありますからわかります

 カツサンド…とんかつもどきを薄めで作ったものなら食べやすくなりそうですが

 とんかつもどきをどうするか…です」


たけしのその言葉に母親が口を開く


「とんかつの作り方なら教えることは出来ますけど

 パン屋さんだけじゃなくて料理人たち

 集めて一度に教えたいので…料理学校も考え中です ゆかり様が」

「学校…その学校にいけば日本の食文化を学べるのです?」

「わたしが作れるものならですよ?

 たけしくん 普通に日本…ここじゃない世界のことを受け入れてますよね」

「あ はい そうですね 幸正くんが色々おかしいのは

 学校でも噂ありましたし…昨日のあれをみせられると

 ここじゃない世界があるのも不思議じゃないって感じます

 それに手元にいろいろありますし 知らない食べもの」


たけしの言葉に俺たちはただ、笑うしかなかった

一通り試食もすんだところで

俺は母親に頼む


「ぼくたち 61階層から62階層へ降りてくるので

 たけしさんの方 おかあさん パン屋さんに送ってって」

「わかったわ」

「あの このパンは?」


由美が数個ずつ買ってきてくれたから

残っているパンをたけしが見る

それを聞いて由美がたけしに答える


「パン屋さんの店長さん達に食べさせて見せて

 参考になると思うから」

「あ ありがとうございます」


たけしを母親に任せると

おれたち7人は61階層へ飛ぶのだった

ここまで読んでいただいた方ありがとうございます

面白いと思っていただいたら

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