174話 パン屋さんの息子
休み時間 俺は未来に話しかける
「みくちゃん ちょっといい?」
「はい なんでしょうか?」
「北と東の都市の人に船与えたいけど
この国の船ってどれくらいのもの?」
「そうですね
最近だと魔力を電力に変換されてますから
モーターつきになってますね」
「そうすると…船を運転するのにも資格はあるよね」
「そうですね」
「うーん どうするのがいいかなぁ」
俺は腕を組みながら考え込む
「漁をして貰うのが目的なんですよね?」
「うん そう」
「とりあえず、その人達を集めて
中型船の運転資格を取得させることから始めたらいいと思います」
「確かに…一応 彼らにはマーキングしておいてるから
居場所はわかるので…北にはさくらさん、東にはかえでさんに
むかって貰って…彼らに聞いてきて貰うことがよさそう」
「では、早速 念話で指示を出しておきます」
「あと 船に冷凍庫を設置したいので
船と冷凍庫の手配ですね」
「それも…お爺様に伝えますので」
「いろいろありがとう」
「いえいえ 普通に魚が捕れるようになれば
魚料理も増えますよね」
「うん」
未来と会話をしていると廊下から誰かが教室に入ってくる
教室を見回して俺たちを見ると近づいてくる
美穂も芽衣も不審に思い警戒をしているが
芽衣の危機感知が発動してないみたいだから
二人とも様子を見ていた
「お初にお目にかかります ぼく 白井たけしといいます」
「「「「はい ご用件は?」」」」
たけしと名乗った男の子に俺たちはそう返事を返す
「はい 加賀さんと樹さん いつも両親の店で買いものしてくださっていて
両親も感謝しているのですが…両親やお弟子さん達が
とんかつもどきがおいしかったと
何度も口にしていて…気になってしまって
先日、両親に聞いてみたところ…やっと苗字を
買いものに来ていただいた際に聞いたみたいでそれで」
「あ…」
「ゆきくん これ パン屋さん?」
「はい パン屋です」
美穂の呟きにたけしが答える
俺はパン粉のことを思い浮かべて
パン屋さんにも面倒ごとを持ちかけていたんだったと思った
「パン粉を製作して貰ってありがとうございます
面倒ごとを持ちかけて…」
「あ いえいえ 今はまだ加賀さんと樹さん
他には皇室の方々ぐらいしか
パン粉をお求めになさってないのですが
それでもかなりの量を買っていただいてますので
両親としては喜んでいました」
「そうですか それで…とんかつを食べたいと言うことでしょうか?」
「あ はい 気になってしまって」
たけしが遠慮気味にそう答える
「たけしさんは何年生なのです?」
未来がたけしにそう尋ねてみる
「5年生です 将来的には家を継ぐつもりですが」
「「「5年生」」」」
「そうすると…学校は3時過ぎまでですよね?」
「はい」
俺の問いかけにたけしは頷きながら答える
「みほちゃん みくちゃん めいちゃん
61階層は3時でいったんきりあげて
たけしさんを迎えにここに来て
家に連れて行くのがよさそうかと」
「「「うん」」」
「たけしさん 学校終わったら校門で待っていてくれませんか?」
「はい」
たけしとの約束をし終えると
休み時間も終わりになりそうなのでたけしは自分の教室に戻っていく
俺は由美に念話を送る
「おねえちゃん いい?」
「うん? どうしたの?」
「帰ってくるときに菓子パンとかいろいろ買ってきて」
「菓子パン? またなにかやらかすの?」
「むぅ お母さんみたいなこという」
「あは 幸正くん やらかし前提だもん」
「否定はしないけど いま パン屋さんの息子が
教室に来たんだけどパン粉も頼んでいたりしてて
それで お母さんがとんかつもどきをもっていったの」
「その子がいないときに?」
「うん」
「食べてみたいんだね」
「うん そう だから放課後に家に連れてくる予定で
せっかくだから菓子パンとか
色々食べて貰おうかと
焼きそばパンやソーセージパンなどもあるし」
「参考にして貰うと言う事ね」
「うん いい?」
「うん わかった 買ってくいくね」
「ありがと」
由美と念話もすませると
次の授業になろうとしていた
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