167話 反月勢力の聴取
まずはさくらが担当していた北の都市の店舗から聞き出す
彼らを見ると、ごろつきという雰囲気もなく
どこにでもいそうな普通の一般市民と言ったところだった
「誰の指示なんです?」
「おらたちは、家内が変な宗教に入っていて
それで…その…家内が教団から指示されたみたいで」
一人がそう言うと、残りの人たちも「んだんだ」と頷いている
「その宗教のことは?」
「おらはなにも知らねー 家内が熱心で
お金も教団に寄付してばかりで」
「そうですか はぁ…」
すみれとかえでが担当していた都市も似たような感じだった
俺も美穂も由美もさちこも…ため息をついてしまう
「幸正くん カルト教団の指示で動いているだけだね この人達」
「そうみたいだね はぁ 最後 ぼたんさんのところは
かなり人数が多いですし状況が違うかもしれないですね」
ぼたんが担当していた南の都市の面々を見ると
ごろつきや武装している連中もちらほらといた
「さて あなたたちですね あきらかに攻撃を行う準備をしている
格好ですね」
俺は連中にそう言うと
連中のリーダー格が俺を見て口を開く
「なんだよ ガキ 俺たちをこんなとこに連れてきてどうするつもりだ?」
「威勢がいいですね で、あなたたちはなんですか?」
「この国は月宮のものじゃねーんだよ
おれたちゃ、邪神様の国を取り戻すために動いてるだけだ」
「つまり この国を転覆させたいと?」
俺はこいつを睨んで殺気を送る
「ひっ、なにがわるい 月宮こそ 悪だ」
「どうしてそう言いきれるのです?」
「邪神様は世界に魔法をもたらされた」
「同時に魔物も産んだのではないのですか?」
俺は魔物も邪神と呼ばれる転生者が生み出したと考えて
そう問いかける
「それは…」
リーダー格の男が苦々しい表情になる
「月宮が悪だから月宮主導で行っていることを
すべて滅茶苦茶にしようとしたのですか?」
「そうだ それの何が悪い?」
「今回の下着販売は女性の方にも恩恵があるというのを
知りませんですか?」
「そんなもん 俺たちには関係ないことだ」
「ふーん」
俺はだんだんイライラしてきていた
それを察した美穂が俺の頭を叩く
「ゆきくん 落ち着いて」
「あ…うん ありがと」
深呼吸をしてからリーダー格の男の頭に手を当てる
「な、なにをする!?」
「あなたの記憶から関係者全員を割り出すだけです」
「なっ」
男は俺を化け物を見るようにみる
男だけではなく、その場にいた全員が同じような目をする
それを見ていた美穂達は「やれやれ」という風に肩をすくめる
記憶を読み取り関係者全員をここに引き寄せる
邪神教カルト教団の幹部達全員
他には南の都市の現議会議員、町議会議員、町長、国会議員多数
他にもマスコミ連中も多数と順次引き寄せていき
最大規模に区分けしてあるブロックに放り込みつつ
引き寄せながら次から次と記憶を探り
関係者をすべて引き寄せていく
連中に関係する企業関係者などもあらかた引き寄せ終えると
美穂は俺に聞いてくる
「こんなにいる」
「そうだね ちょっと陛下に念話する」
俺は脳内で小言を言ってきている陛下に念話する
「お叱りはわかりますから」
「やり過ぎじゃ 状況を国民全員に見せるとか
滅茶苦茶にもほどがある」
「はい それで…見ていらっしゃるなら把握はしていらっしゃるのでは?」
「そうじゃな 教会関係者だけでなく政治家も多数か」
「国会議員はどうなのです? 野党だけなのです?」
「いや 与党議員もいるようじゃな
わしも未来に頼んで総理をつれて、そちらに向かう」
「はい」
念話を終えて改めて議員どもを見る
「南の都市 全体で反月ですか」
俺は殺気をこいつらに送りながらトーンを下げて言う
「「「「「「「ひっ」」」」」」」
「国家叛逆罪適応で処刑が妥当ですかね このゴミは」
俺はこいつらをゴミを見るように見て言う
「そ、そんな」
「わしを誰だと思っている ○○だ?」
「そんなもん ぼくは知りませんよ?」
「なっ」
「おい おまえら たかだかガキ4人だけじゃ
さっさと攻撃しろ」
議員の一人と教会の教祖と思わしき
肥満が酷いじじいが命令すると
その場にいた武装集団が動き出す
俺はそれを見て
北、東、西の一般市民の人を除いて
こいつら全員の神経を破壊して両手足の機能を壊す
するとこいつら全員
その場にバタッと転んでいき
起き上がろうにも手も足も動かそうにも動かないことに
焦った表情になる
「「「「「「「「「「な、なにをした」」」」」」」」」」
その場にいたもの達一斉に声を荒げる
「ぼくたちに攻撃しようとしたので
明確に敵対者とみなし、あなたたち全員の手足の神経を
壊しただけです」
「「「「「「なっ」」」」」」
ますます、俺に対して化け物を見るような目になる
ゴミどもを見て俺は口を開く
「殺すのは簡単ですが…まだしません」
「なぜ、月宮に属している」
教祖が叫びながら言ってくる
「属してませんよ?」
「月宮の事業に手を貸しているじゃないか?」
「洋服や家電のことですか?」
「そうじゃ そこにいる与党議員からも報告受けている」
教祖が議員の方を見て言う
「なるほどですね 与党に内通者ですか
支持者を騙して与党議員になったのですか?」
「ふん 国民なんか愚かなものだからな
マスコミをうまくコントロールすれば騙すのは簡単だ」
あー 日本だけじゃなく
こちらにもこういうゴミ議員がいたと言うことですね
「陛下 悪いけど このゴミ議員は処刑しますので」
「ま、まて わしが行くまでまっておれ」
「我慢の限界ですし 与党議員でありながら
こういう思想 ゴミでしかないです」
「お主の言うことはわかるが…落ち着け」
陛下との念話のやりとりをしていると
後ろからまた美穂が思いっきり俺を叩いてくる
「ゆきくん!! おちついた?」
「あ うん このゴミ議員を即死させようと思っていたが」
「お爺様の念話 わたしにも届いていたから
お爺様が待てって言ってるわけだからね」
「うん」
俺は深呼吸をすると
美穂はニコッと笑って「落ち着いたね」といい
俺の前に一歩出ると
「はじめまして あなたたちが嫌いな月宮の皇女
樹美穂です わけあって樹家を名乗ってますが
さて、そちらの議員さん 命拾いしましたね
わたしがとめていなければ今頃あなたは即死してましたよ?」
「なっ…」
「月宮美穂…月宮」
「「「「「「つきみやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」」」」」」
教祖が美穂の名前を呼ぶと
一斉に美穂へ殺気を送りながら叫び始める
「あー わたしに殺気送るのは構いませんが
ゆきくんがぶち切れるのでやめておいたほうがいいですよ???」
「「「「「ひっ」」」」」
美穂の言葉に大人しくなって黙り込むのだった
一昨日で累計2万PV超えました
ユニークPV数も4000超えたようで
ありがとうございます
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