160話 紺菱呉服店各店舗巡り
翌日、学校から帰宅すると母親が出迎えてくれた
「おかえり ご飯どうする?」
「ただいま 作り置き色々あるんだよね」
「そうね アイテムボックスに色々しまってあるね」
「牛丼で」
「わかったわ」
牛丼を食べ終えてしばらくすると
美穂 ミアさん 未来 侍女4人と集まってくる
「ゆきくん 今日は全国転々だったよね」
「うん ミアさんに任せることになるけど」
「はい 芽衣から住所書かれているメモを受け取らないとですが」
「それで…すみれさんたち 日曜日って空いてます?」
「「「「はい」」」」
「これから、ここ以外の紺菱呉服店関連のお店をまわるのですが
日曜日 それらに一人ずついてほしいのです」
「はい 下着の販売ですね」
「ゆかり様や陛下からも指示は受けております」
「「うん」」
4人ともすでに指示は受けているみたいだった
「万が一 販売を妨害する輩が現れたら
今日 最後に行く予定の場所に瞬間移動で
放り投げてほしいのです」
「「ゆきくん それ」」
「「「「なにをなさるつもりなんです?」」」」
俺の言葉に6人とも困惑そうに聞いてくる
「妨害行為を指示した黒幕の特定と拷問
ついでに特定した黒幕も全員瞬間移動で呼び寄せるつもりです」
俺がそう答えると母親がやれやれという風にしながら
「あなたね 教会そのものを潰す気でしょ?」
「邪神教が黒幕であるかどうかはまだわからないことです
他にも反月がいるかもしれませんし?」
「はぁ…確かにそうだけどね ほどほどにしなさいよ」
母親が呆れながら言う
美穂達も呆れてしまっている様子だった
話をしていると芽衣とみさきがやってきて
「「遅くなりました」」
「芽衣さん いらっしゃい みさきさんも同行?」
みさきをみて母親が尋ねると
頷きながら答える
「はい 親戚のお店ですので…わたしが行った方が
話が早いと思いまして…」
「わかりました 準備いい?」
俺 美穂 ミアさん 未来 侍女4人 芽衣 みさきが
手をつなぎ始める
「深愛様 住所のメモです」
「はい 北から順にしますね」
「はい」
みさきがミアさんにメモを渡すと
ミアさんが住所を確認しつつ
座標を固定して瞬間移動を発動する
最初にむかったのは月宮の北に位置する都市にある
紺菱の三男坊が経営するお店
俺たちは店に入り、みさきが店員に声をかける
「ごめんください 店主の紺菱○○さんに会いたいのですが
紺菱みさきが着てるといって下さい」
「あ はい 今すぐ」
みさきの名前を聞いた店員が慌てて
奥の部屋にむかって店主を呼びに行くと
しばらくして奥から店主が慌ててやってくる
「みさきさん いらっしゃい 弟の方は元気で?」
「はい 忙しくて疲れていますが元気です」
「今日は…日曜日の件ですね」
「そうです」
みさきがそう言うと俺の方を見る
「はじめまして、加賀幸正と言います」
「はい 話は聞き及んでおります」
俺はアイテムボックスからマネキンを5体取り出す
「下着等の販売は日曜日ですが
販売前に人形を使って下着等を飾っておくのも
お客さんへの宣伝になると思います」
「なるほど こちらの人形にですか」
「はい こちらはお店へ悪意ある連中がやってこようとしても
結界が発動する仕組みになってますので
お客さんには危害が及ばないはずです
あと当日は…そこにいる侍女さんの一人が
こちらに待機して貰うことになります」
「えっと…それは?」
店主が侍女をみて首をかしげてしまうと
すみれが答える
「わたしたちは…用心棒と助っ人というかたちです」
「用心棒…万が一 変な輩がきたときのためですか?」
「はい その連中を捕まえて
ある特定の場所に送るのが役目です」
「な、なるほど もしかして そちらにいらっしゃる方は
皇女様でしょうか?」
大人しく黙っている未来を見ながら店主が尋ねると
「はい 月宮未来と申します」
「こんな遠い場所までおいで下さいまして…
皇室の方には色々と稼がせて貰っておりまして
感謝しかありません」
「いえいえ これからももっと忙しくなると思いますが
よろしくお願いします」
「かしこまりました 下着だけではなく
洋服の販売も急がせますので」
店主が未来にそう言う
用事もだいたい終わると店をあとにして
次の場所へ移動する
最後に移動する場所が紺菱本家がある店で
首都からみて南西にある都市の店だ
古くからの老舗という感じだった
数百年は続いているのだろうか
店に入ると同じように美咲が店員に話しかける
すると先の3箇所同様に慌てて奥の部屋にむかうのだった
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