158話 チキンとアイス
家に帰ると父親達も帰ってきていたようで
俺たちを見て声をかけてくる
「「「「「おかえり」」」」」
「「「「「「ただいま」」」」」」
「おじゃまします」
「さちこちゃんもいらっしゃい」
さちこの方を見て母親が言う
「それで…お父さん達はコンビニ周り 3時間?」
「見て回るだけでも楽しかったからな」
「3つ 見て回っていたからな」
父親と宗人がそう答えてくる
ミアさんは俺たちを見てアイテムボックスから色々出していた
「悠 唐揚げ関係3種類と…美穂達はアイス」
「ありがとう」
「「「ありがとうございます」」」
「幸正くん 定番の奴だね どれが好き?」
由美が唐揚げを見て俺に聞いてくる
「脂が多いファ○チ○が好きかなぁ」
「やっぱり、それだよね」
「か○あ○ク○は?」
さちこがそこで口を挟んでくる
「好きだよ」
「どっちも好きなんだね」
「うん みほちゃんたちも食べてみて」
俺はファ○チ○をそれぞれに配った
美穂達と由美達も食べ始める
由美達は食べ慣れているから特に感想もなかったが
美穂達は感想を漏らす
「脂身がおいしい」
「雷鳥の唐揚げに近いよね これ」
「あ、言われてみれば 雷鳥のもこんな感じだぁ」
「「雷鳥?」」
未来と芽衣の呟きに由美達が反応すると
母親がアイテムボックスから雷鳥の唐揚げをとりだして
ふたりに渡す
「これが雷鳥の唐揚げ 日本の唐揚げを参考にして
作ったものなんだけど…」
「「いただきます」」
ふたりとも雷鳥の唐揚げを口にしてみる
「あ…」
「うん 肉汁がすごいしジューシーだわ」
「確かにファ○チ○食べている感じだね」
「うん 幸正くん よくこういうのを再現したよね」
さちこが俺を見て呟く
「いや ぼくが再現したわけじゃないです
お母さんに頼んでネットを参考にして作って貰っただけだから」
俺は母親がやってくれたことを言う
「おばさん すごい」
「すごい」
ふたりとも母親を見て言うと
母親は嬉しそうに照れていた
ファ○チ○を食べ終えると美穂達はアイスを手にしていた
俺も手にしてパッケージを見る
「ミアさん これ ハー○ン○ッ○じゃない?」
「「「ハー○ン○ッ○?」」」
美穂達はパッケージの名前を見てどういうこと?と
首をかしげていると
由美とさちこが補足を言う
「ハー○ン○ッ○というのはね 高級アイスなの」
「これひとつで…330円しているから」
「「「それって?」」」
「うーん どう説明したらいいのかな」
「おばさん 100円ってこっちの価値でどれくらいになるんです?」
由美が説明を悩むとさちこが母親に問いかける
「そうねぇ 日本円の方が月宮文より価値は高そうよね
こっちでの150文ぐらい?
そうなると…そのアイスは500文ぐらいになるのかなぁ」
母親が首をかしげつつ言うと
美穂達はパッケージを見ながら固まっていた
ミアさんは、そんな美穂達に溶けないうちに食べてと促すと
美穂達は食べ始める
もちろん…俺や由美達、母親達も貰って食べ始めている
「「「あまい」」」
「美幸達が作ったアイスより甘いしなめらかだなぁ」
「それにこれ…食べたことのないものだけど
幸正 これは一体?」
父親と宗人も感想と問いかけてきたので答える
「チョコレートだね」
「「「「「チョコレート」」」」」
「あ ゆきくん カカオのこと話していたのって これのこと?」
美穂が思い出したように言う
「うん カカオがどこかにあれば
チョコレートも作れると思って…」
「「「なるほど…」」」
「そういえば…みほちゃん達 ケーキもまだ食べてないよね」
「「「うん 昨日一昨日と色々食べたから」」」
「チョコレートケーキもあるから」
「「「それも…あまいのね」」」
「うん」
美穂達と会話をしている間に
大人達は食べ終わってるようだった
「お父さんとおじさんには甘すぎた?」
「そうだな でも、うまかったよ」
「こないだ食べたアイスより滑らかだったし
高級品と言われるだけあるよなぁ」
「わたしもおいしいと感じたわ
チョコレートをどうにかしたいわねぇ
あ 日本で買うというのは…なしでね」
「そうよね 日本に行って買うのは反則だもんね
こちらの世界でどうにか出来ないかしらねぇ」
母親と絵美もチョコレートをどうにかならないかと
考え込んでしまっていた
「幸正くん カカオってアフリカの方面だったと思うけど
こっちの世界って月宮以外の国は?」
由美が俺に聞いてくる
「月宮が日本と同じ位置なんだけど
隣国に位置しいるところは広大な魔の森になっていて
高レベルの魔物がいるところになってるから
結界が張ってあるの」
「そうだったんだね」
「月宮しか国がないということ?」
さちこが首をかしげて聞いてくる
「それはないと思う アメリカ大陸に位置しているところとか
ヨーロッパ方面とかどうなっているかわからないから」
「「なるほど」」
こういう会話をしつつアイスを食べ終えると
未来と芽衣は時間を見て
「わたくしは、そろそろ時間ですので」
「わたしもそろそろ…」
「うん ふたりともおつかれさま」
「おねえちゃん 芽衣さん またあした」
「「みくちゃん めいちゃん またね」」
「「はい」」
「あ…めいちゃん」
俺は芽衣を呼び止める
「はい?」
「日曜日のことで…ここ以外の4箇所の住所」
「あ はい 明日 メモを持って来ます」
「ありがと 明日の午後は…各地にマネキンわたしに行くことでいい?」
「「「うん」」」
こうして未来と芽衣は帰っていき
さちこも時計を見て
「わたしもそろそろ帰りますね」
「わたし 送っていきます」
「うん さちこおねえちゃん 明日は?」
「明日は学校終わったらちょこっとくるかも」
「わかった」
「「さちこちゃん また明日ね」」
母親達もさちこに挨拶をする
挨拶を終えてさちこと由美がゲートをくぐり
向こうの世界に行きしばらくして由美が戻ってくるのだった
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