152話 バイトから帰ってきて
「お疲れ様でした」
「椛沢さん お疲れ様 売れ残りのもの持っていって良いから」
「ありがとうございます いただきます」
バイトが終わり売れ残っている
お弁当をいただいて裏口から外に出て
誰もいないことを見てから瞬間移動して家の玄関に飛ぶ
靴を脱いで奥の部屋から異世界へ帰宅する
「ただいま」
「「おかえり」」
おばさんとおじさんが挨拶してくれる
「ゆみちゃん お風呂まだでしょ」
「はい」
「入っていいから」
「ありがとうございます あと 店の売れ残りの
お弁当 色々貰ってきてますけど食べます?」
「あ 俺がいただくよ」
おじさんが答える
「それじゃあ、レンジで温めますね
幸正くん レンジ等も作り出していたのね」
「関係者のところだけね このキッチンは」
「さすがに技術的にまだ難しいのです? こちらでは」
「そうね」
そんな会話をしつつレンジで
お弁当を温めて、おじさんに手渡す
「ありがとう」
「わたし 荷物置いて、お風呂に入ってきます」
二人に頭を下げてから部屋に行き
仏壇に手を合わせて
荷物を置いてお風呂の支度をしてお風呂に入る
「ふぅ…」
一人で家にいた時は、お風呂もめんどくさくて
シャワーですませていたけど
こうして沸かして貰えるのが幸せ
お風呂から上がりパジャマ姿で部屋に戻り
一息つくと幸正くんに念話を送ってみることにした
「起きてる?」
「うん おかえりなさい」
「ただいま お風呂上がりだけど…部屋に行ってもいい?」
「うん お風呂上がりって…パジャマ姿?」
「そうだけど…なぁに? 意識する?」
「それは するかも」
中身が大人だから女子校生のパジャマ姿は
やっぱり意識しちゃうんだ
「いくね」
「………うん」
わたしは部屋を出て幸正くんの部屋に向かい
ノックをしてから入っていく
「おじゃまします」
部屋は何も変哲もない畳部屋で布団が敷いているだけだった
「おねえちゃんのパジャマ 薄めの青なんだ」
「うん そうだよ 似合う?」
「うん」
「ありがと 座るね」
幸正くんの向かいに座ると
あらためて、わたしは幸正くんにお礼を言う
「桜木さんから聞いた 換金のこととか」
「学費とか生活費とか色々かかるでしょ」
「そうだね 両親が突然いなくなって…色々」
「でも、おねえちゃん コンビニ等だけだったよね バイトって」
「うん なに? 援交とか心配してた?」
「…うん 心配するよ」
お金が苦しいから性を売って…と言うのも
考えたことはないことはないけど
怖かったし、そこまで踏み込む勇気もなかった
「そこまでする勇気もなかったから」
「そう…ぼくに出来ることは少ないけど
おねえちゃんの力にはなりたいから」
「ありがと すでに力になって貰ってるよ
お金のことも…金を換金なんて…昨日200万も
貰ってるし」
「うん 明日だけど…60階層にする?」
「60階層? ダンジョン? わたしレベル1しゃない? 平気なの?」
いきなり60階層と言われてびっくりすると
幸正くんは説明始める
「パーティー組んでれば経験値共有になるし
成長倍増×10 経験値倍増も付与する予定だから」
「チートだよね こういうところ」
「うん だから最初はぼくたちがそこら辺に沸いている
ゴーレムを殺しまくるから、それだけでもだいぶレベルが上がるよ」
「なるほど いわゆるPLだね」
「パワーレベリングね うん そう」
「なら 心配もいらなそう 60階層ってゴーレム多いの?」
「この世界のダンジョンは階層ごとに出るモンスターの種類が決まっているみたい」
「60ならゴーレム 金集めを目的?」
「うん おねえちゃんと桜木さん ふたりでゴールドゴーレム狩りまくってくれれば
高校卒業までの学費とかも集まるんじゃない?」
「1体でどれくらいの量になるの?」
「1体ですら200キロ? もっとありそう」
「えっ? それって1体で20億?」
「そうなるかな??」
「………わたしたちにそんな大金」
金額を聞いて絶句してしまう
「必要な分だけ換金してアイテムボックスに
寝かせておいてもいいんじゃない?」
「そ、そうね そうするね」
おばさん達もこんな感じなんだろうなぁ
とんでもないことばかりやっているから困惑する
わかる気がしてきた
わたしがこんなことを考えていると
幸正くんはチラチラとわたしの胸元を見ている様子に気づく
「あれぇ? どうしたの? わたしの胸元見て?」
わたしがからかうように幸正君に言うと
赤くなりながら目をそらす
「胸 そんなに大きくないよ? わたし」
「でも、ボタンとかきちっとつけてないから
胸元からみえるブラが」
幸正くんのその言葉にわたしは自分の胸元を見る
言われてみればブラがみえちゃってるね
「かわいいね 幸正くん」
「えっ? スケベだよ? ぼく」
「男の子なんだから当然でしょ」
「うぅ…」
赤くなって下を向いてしまう幸正くんを見て
微笑んでしまう
「さて、10時になるし そろそろ行くね」
「うん おやすみなさい」
「おやすみなさい」
わたしは幸正くんの部屋から出て
自分の部屋に戻り宿題をすませてから就寝することにした
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