145話 由美と友達
前話に引き続き由美視点です
4時間目の授業が終わると
隣の桜木さんが話しかけてくる
「それで…話聞かせて貰えるんだよね?」
「うん ちょっと人のいない場所に移動しましょ」
わたしは桜木さんを連れて
誰もいない場所までやってくる
「誰にも聞かれたくない話?」
「うん かなりヤバイ話だから…驚かないでね」
「うん 覚悟して聞くから」
桜木さんの言葉を聞いて
わたしは桜木さんの手を握る
「手を握るね」
「どういうこと?」
「みてればわかるから…それじゃ、行くよ テレポート」
わたしは自分の家の玄関をイメージして
瞬間移動を発動させる一瞬のうちに瞬間移動して
目の前が切り替わったことに桜木さんは
目をぱちくりして驚いていた
「瞬間移動? 椛沢さん?」
「それを説明するから…とりあえず上がって」
「うん」
桜木さんを招き入れて奥の部屋に行き
幸正くんを待ちながら桜木さんに昨日の出来事を話す
「はぁ…椛沢さん 一人でそんなところに行くのは危ないでしょ」
「うん 幸正くん達がこっちの世界に来てくれなかったら
今頃 わたし 死んでた」
「それにしても…不法滞在者は…ろくでもないわね」
「うん だからね 今朝のニュースのこと」
「そう言うことだったのね 椛沢さんのおじいちゃんの弟さん
よっぽど国賊とか外人嫌いなんだね」
桜木さんはため息をつきながら言う
「だからといって…やり過ぎだとは…わたしは思うんだけどね」
「だよねぇ 相手の記憶から関係者を割り出して皆殺しって
どんだけチートなの?」
「ほんとほんと…」
桜木さんと会話していると
異世界ゲートの扉が開いて幸正くんがやってくる
「おねえちゃん 遅くなりました」
「ううん まだ12時半前だから大丈夫
それで こちらが桜木さちこさん」
「よろしくね 幸正くん」
「はじめまして 加賀幸正です こっちでは椛沢悠だった人間です」
お互いに頭を下げた後
「おねえちゃん達 お昼ご飯は?」
「「まだ」」
「お昼食べながらでいいから お母さん達はもうしばらく後からだと思うから」
「そうなのね じゃあ、食べるね」
わたしはアイテムボックスから
おばさんから貰った、お弁当などを取り出す
それを見て桜木さんは
「さっきのテレポートといい アイテムボックスといい
便利だよね よくあるラノベの便利機能だよね」
「桜木さんもラノベ読んでたりしてたの?」
「web小説ならお金もかからないし時間潰せるから」
「そうよね 書籍は高いし」
「うん 学生にはお金かかるのはむずかしいもんね」
「そうそう」
わたしたちは会話をしながらお弁当を食べ始める
「それで…桜木さん」
しばらくして幸正くんが桜木さんに話しかける
「うん?」
「こっちの世界に興味は?」
「もちろん あるわ 小説や漫画、アニメの世界だけの魔法だと思っていたものが
目の前にあるんだもん いってみたいわ」
桜木さんは目を輝かせながら答える
「じゃあ、はい これ 使い方は…おねえちゃんに聞いて」
幸正くんが桜木さんに指輪を渡すと
桜木さんが右手の中指に指輪をはめ込む
「ありがと 左手のくすり指にはめるのはやめておいたよ」
「それは うん 結婚指輪じゃないもん」
幸正くんが赤くなりながら言う
女の子慣れしてない様子でかわいい
「ダンジョンは明日の放課後でいいのかな?」
「桜木さんいい?」
「うん」
「ぼく 戦闘モードだと14歳へ変身するから」
幸正くんはそう言いながら変身する
一瞬 裸になっているのを目の前で見ていて
わたしも桜木さんも男の子のその部分を見て赤くなってしまう
「も、もう…女の子の前で変身したらダメだよ?」
「あ ごめんなさい こんな感じになるの
みほちゃん みくちゃん めいちゃんも同様に」
「あの子達も変身するんだ 魔法少女?」
「女の子3人もいるのね」
「もう少ししたら来ると思うから…」
「たのしみ…」
桜木さんがわくわくしているみたい
「それで…おねえちゃんはチアリーダーコスだよね」
「うん 青ベースで白と黄色が入ってる あの衣装にするよ」
「椛沢さん チアリーディング部 興味あったの?」
「衣装だけ」
「そうなんだぁ わたしもあの衣装は着てみたいと思っていたりする」
「二人とも…それ?」
「わたしもそうしようかな」
「変身は指輪の機能に組み込まれているから
念じれば変身出来るけど…裸になっちゃうから
はい これ」
幸正くんがふたつほど
洋服店にある簡易更衣室を出してきてわたしたちに渡す
「「更衣室ね」」
「うん みほちゃんに怒られて作らされた」
「「あは」」
こんな会話をしつつ、ご飯を食べ終える頃に
ゲートが開いて、ぞろぞろとみほちゃんやおばさん達がやってくる
「おまたせ」
「ゆきくん どうして変身してるのかな?」
おばさんが遅くなったことを謝ってきたあとで
みほちゃんは幸正くんを見て突っ込んでくる
「説明していただけだよ」
「ふーん おねえちゃん達の前でそのまま変身してないよね?」
「えっ? えっと…してない」
目をそらして言う幸正くんを見て
みほちゃんが頭を叩いてます
「うぅ…また叩く」
「目をそらしたでしょ いま」
「みほさん それくらいにしてください」
みくちゃんが呆れながらみほちゃんにいうと
めいちゃんも頷いてます
「そ、それで…みほちゃんたちも変身してみせて
そこにいるおねえちゃんの友達がみたいって」
「「「えっ? あっ…」」」
3人とも桜木さんを見てばつの悪そうにしたあと
自己紹介を始める
各自、自己紹介をすませたあと
みほちゃん達3人は更衣室に入る
それに加えてみくちゃんの侍女を務めている4人も更衣室に入ると
7人全員変身をする
更衣室から出たのを桜木さんがそれぞれを見ながら
「わぁ 魔法少女だぁ それに侍女さん達はメイドさんだぁ」
「わたし 日本のアニメを参考にイメージしたの」
「わたくしもそう」
「おなじく」
3人が桜木さんにそう答えていく
「3人ともかわいい いいなぁ こんな衣装もいいなぁ
侍女さん達も4人ともそれぞれ違う色なんですね」
「「「「はい」」」」
「わたしたち4人 苗字が東西南北でして…」
「なるほど それ 幸正くん 四聖獣をイメージしたよね」
桜木さんが幸正くんに問いかける
「うん 朱雀 青龍 白虎 玄武 だから
彼女たちの武器もそれにちなんでます」
「そっかぁ こういうのもありだね わたしどうしようかなぁ」
「コスチューム?」
「うん チアリーディング部のもいいけど
悩むわ」
「桜木さんに任せるから その辺は」
幸正くんは特に指定しないで任せることにしたらしい
「おねえちゃん 時間いいの?」
「あ…」
時計を見ると1時15分近くになっていた
「桜木さん そろそろ 戻らないと」
「うん そうだった わたしたち学校に戻るから
時間あるときにゆっくり」
桜木さんがみほちゃんたちにそう言うと
みほちゃんたちも頷いて「明日ね」と言ってくれてた
わたしと桜木さんは玄関にむかう
幸正くん達も玄関に移動して
外履きをはいたあとで
「ぼくたちも し○○らに」
「おばさん お弁当ありがとうございます」
「いえいえ 今夜は9時?」
「はい 夕ご飯は食べてくるから」
「わかったわ」
わたしたちは学校に移動するのでした
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