11話 美穂の暴露
美穂視点になります
未来に比べれば言葉の言い回し等は楽でした
朝起きて朝ご飯を食べた後
お母さんとお父さんがわたしに真剣な表情で
話をしてきた
「美穂 大事な話があるからいい?」
「はい」
両親の真剣な表情を見てただならぬ雰囲気だなと感じ取った
わたしは黙って二人の話を聞くことにした
「このあと この街にある大きな旅館に行くとこになってます
そこであなたに会って貰いたい方がいるのです」
「美穂 俺たちな 美穂のこと本当の娘だと思って育ててきたのはほんとだけどな」
お父さんが悲痛な表情でそう言う
あぁ、やはりわたしには双子がいると言うことになるのね
そうするとお父さんとお母さんは本当の両親じゃないと言うことなんだね
「お父さん お母さん 本当の両親じゃなくても
わたしはお父さんとお母さんの娘だと思ってるから大丈夫だから」
「「えっ? 美穂?」」
「あなた どこまで気づいてるの?」
お母さんが驚いた様子で口にする
「双子なんじゃないかという感覚はあったし
今 お父さんの言葉で確信持ったと言う感じ」
「あ…あなた 余計なことを口走るから」
お母さんがお父さんを睨み付けて言う
「すまん 俺のせいで確信得てしまったみたいで」
お父さんがお母さんに頭を下げて謝ってるのを見て
二人とも微笑ましく感じる
「それで…わたしのお姉ちゃん?はお偉いさんなんでしょ?」
「そう…なるな どうする?」
お父さんがお母さんを見て尋ねると
お母さんがやれやれという風にしつつ話し始める
「説明はわたしから言うわね」
「はい」
「あなたは月宮美穂 それがほんとの名前となるわ」
「えっ? 月宮 それってこの国の」
「えぇ、そうよ 皇族でいらっしゃるわ 政治には直接関与しなくなってますが
この国の象徴である一族です そして魔の森の封印結界の管理者でもあるわね」
お母さんがそう説明するのを聞いていて
ある意味 わたしが聖魔法使えていたのも納得出来るものだった
「もしかして、お父さんとお母さんはわたしの護衛としての家系?」
「そうだな 樹家は代々月宮家の護衛家系にあたる一族だ」
「それじゃあ、畑仕事は?」
「あ、あぁ…畑はカムフラージュで仕事していたわけなんだが
本職になりつつあるよなぁ」
「なるほど あ、隣の加賀家は無関係なの?」
加賀家も関係してるのかどうか気になってしまって思わず聞いてしまう
「正太と美幸は…俺たちの昔からの友人だったけど
二人とも護衛とかには無関係」
「二人とも冒険者になろうとしていたみたいだけど
才能がなかったせいで農家の道に選ばざる得なくて
だから わたしたちは二人が住むようになったこの街に
身を置くことを選んだの」
「お父さん達とおじさん達 昔から…なの? びっくり
お父さん達はゆきくんのことはどう思うの?」
「幸正か 手伝いも自分ちのだけじゃなく俺たちの方の畑もしてくれるし
テキパキと動きはいい 美穂がずっと一緒というのは
親としては思うところはあるが幸正なら反対はしない」
「お父さん ほんと?」
「俺としては幸正に任せたいが皇太子殿下夫妻がどうお考えになられるかは」
あ ほんとの両親がゆきくんのことどうとるかわからないか
「むぅ わたし皇族になんてなるつもりないです」
「美穂 そうは言ってもねぇ 皇太子殿下夫妻が
美穂のことを戻したいと言ったらわたしたちは従うしかないんですからね」
「そうだな 月宮に従うのが俺たちの任務だしな」
「えぇ…」
両親がそう答える
皇族なんてめんどくさいだけでしょ
今更 そんな地位貰っても迷惑なんだけど わたし
「はぁ…」
「みほぉ ため息つかないでよ」
お母さんが呆れるようにわたしを見ながら言う
「ゆきくんたちはつれていけないよね?」
「えっ? それはそうよね」
「月宮様がやってきた理由って魔の森のことだよね」
「えぇ…そうなるわ 結界強化 プロテクトアクセラレートを
発動させたのが誰なのかお知りになりたいらしい」
「やっぱり…」
わたしはやらかしたことを思い浮かべながら呟いた
「美穂 あなたなの?」
「美穂なのか? でも、生まれたとき 鑑定スキルでは
聖魔法のスキルは持ってなかったと聞いていたが」
「そうよね だからわたしたちに預けられて」
あぁ…わたしは聖魔法 生まれたときにはなかったのね
お姉ちゃんの方は持っていたと言うことなのかな
お姉ちゃんが結界管理の役割を担う羽目になって
わたしは自由に過ごせるように預けられたのね
そう考えるとお姉ちゃんが可哀想
「お姉ちゃん可哀想…」
「えっ?」
「だって そうじゃない? 皇族としての責務とか
色々やらなきゃならないことおおいよね」
「そうよね」
「わたしはこんな風に自由に過ごしているから
お姉ちゃんに押しつけている感じがして」
「美穂 あなた…ここでの生活の方がいいのね」
「気楽でいいし」
「「美穂 ありがと」」
「それでプロテクトアクセラレート
うん わたしが発動させました はい 隠していてもよくないですね」
「「えっ?」」
ますます驚いてる両親を見つつ
どうしよう?と思ってしまう
「驚かないでね なにが起きても」
わたしは両親にそう言った後
意を決して変身をする
「光り輝く聖なる翼よ その力をわたしに 今 マジカル美穂へホーリーアップ」
わたしのセリフになにが起きたのかわからないまま
固まってしまう両親の前で変身してみせる
「あなた その格好」
「どうなってるんだ?」
「この格好は戦闘するときの格好」
「「戦闘って…魔物相手に?」」
「そう…だけど 安全なところから狙撃しかしてないです 今のところ」
「狙撃 魔法でか?」
お父さんの問いかけに頷く
「それでプロテクトアクセラレートを使った時は」
念じて五芒星の杖を取り出す
「この五芒星の杖の力で聖魔法を増幅させました」
「増幅 そんなことも出来るのか」
「ど、どういうこと?」
お父さんもお母さんも混乱してしまってる
「色々説明するためには、ゆきくんを呼ばないと出来ないんだけど
お父さん お母さんいい?」
「あ わかった」
「えぇ」
両親の了承を得たので指輪に念じて
通話をしてゆきくんに家に来て貰った