136話 日本に行く前日の夜から朝にかけて
母親達が夕ご飯を作ってる間
ゆっくり過ごしていると5時過ぎに
美穂と未来から念話が届いた
「ゆきくんいい?」
「明日のことだけど今まで、わたくしたちネットで調べていたの」
「うん こっちは…お母さん達が料理してるところ」
「芽衣さんも?」
「芽衣さんもですか?」
「めいちゃんもいるし…まだ両親もいるから」
「そう」
「それで…明日ですが…食べてみたいもの 色々みてました」
「そうなんだ どんなの気になったの?」
「わたしは…ケーキとかクレープ類かなぁ どれもおいしそうだもん」
まずは美穂がそう答える
「みほちゃんはデザート類なのね」
「うん かえでさんも同様にデザートの方 気になってるみたい」
「そうすると…不○家辺りかなぁ」
「おいしそうなの 色々あるよね そのお店」
「うん みくちゃんは?」
「わたくしは…そうですね
ハンバーガーやカレーも気になりましたし
うなぎも気になってます」
「ハンバーガーは作れるはずだと思うから
サンプルとして色々買ってぼたんさんに色々食べて貰うのが1番かも」
「はい ぼたんさんも食べ歩きしたいって語ってました」
「カレーは…とりあえず、日本のカレールーを色々買ってみるしかないかなぁ
ダンジョンでスパイスが手に入るなら…出来るかも知れないけど」
「そうですね あ ダンジョンと言えば午前中に55階層に行きまして
わかめや昆布をみつけてきましたよ」
「おぉ…それじゃあ…出汁とかも?」
「はい 昆布出汁で味噌汁作りました」
「おいしかったです?」
「はい」
「うん あと 海鮮丼もつくったの
マグロ たこ いか えび かにをつかって」
「すごい豪華」
「そう思う?」
「うん」
「明日にでも味噌汁と一緒に持って行くね?」
「ありがと 朝ご飯?」
「それがいい? アイテムボックスにいれておいてるなら
できたてのままだろうし」
「うん」
「それじゃ、わたしたちも夕ご飯作りするから」
「みくちゃんと?」
「はい わたくしも作りますよ あとすみれさん達もふくめて」
「なるほど」
「じゃあ、芽衣さんによろしく伝えてください」
「芽衣さんによろしくね」
「うん」
ふたりとの念話を終えると
台所から母親達が戻ってくるところだった
「おまたせ」
母親が俺たちにそう声をかけてくると
父親と銀四郎は母親の美幸やみさき、芽衣の方をみて
銀四郎がみさきに問いかける
「なにを作ったんだ?」
「とんかつもどき 唐揚げの他には
マグロ丼などを教えて貰いました」
「美幸さん ありがとうございます」
「いえいえ」
銀四郎が母親に頭を下げると
手を振りながら母親が答える
「あ お母さん 明日の朝ご飯 いらないから」
「えっ? どういうこと?」
「いま みほちゃん達と念話で会話してて
海鮮丼と味噌汁作ったみたいで
多分 大量に作ったんだと思うから」
「なるほど わかったわ あなたもいい?」
「あぁ…海鮮丼はマグロ以外ものせてるんだよな」
「うん そう たこ いか えび かにと使ってるみたい」
「たこといかは火を通したものしか食べたことないな
えびもかにもそうだな うまいのか?」
父親がそう聞いてくる
「たこといかは…多分、さっと湯通しはしてる気がする
えびは…ぼくはすき」
「そうか 明日は楽しみだな」
そんな会話をしていると
芽衣が俺に聞いてきた
「わたしのことは…なんか言っていたり?」
「よろしくってだけだった」
「そうなのね みほさん怒っていなくてよかった」
「あ…たしかに」
「それにしても…海鮮丼 おいしそうよね」
「うん あした 日本に行った際にほんとの海鮮丼も買う?」
「それもいいかも お父様はなにか食べたいものあります?」
「俺か? よくわかってないからなぁ
芽衣達に任せるよ」
「「わかりました」」
このあと、芽衣達と一緒に夕ご飯を食べて
芽衣達は帰っていくのを見送り
お風呂に入り寝ることにした
翌朝7時過ぎに起きると
すでに美穂達がやってきていて
俺を見るなり美穂が話しかけてくる
「ゆきくん おはよう 起きたばかり?」
「うん 顔洗ってくる」
「うん」
顔を洗ってすっきりして戻ってきて
席に着くと机の上に味噌汁と海鮮丼がすでに並べられていた
俺はそれを見て
「味噌汁はわかめと豆腐なのね」
「うん よくあるでしょ この味噌汁」
「うん 日本ではありふれた味噌汁だったかな」
俺は「いただきます」をしてから食べ始める
「前世の時は味噌汁飲むのもめんどくさかったから
飲みたがらなかったけど うん おいしい」
「ゆきくん 前世って…そうなの?」
「ストローで飲んでるからストローに詰まるし
すうのも大変で…」
「そっかぁ 今はもう普通に飲めてるから楽なんだよね」
「うん わかめなんて…とくにストローに詰まっていたもん」
「大変だよね」
「うん そして海鮮丼…えびおいしい」
「えびすき?」
「うん すき かによりえびかなぁ ぼくは」
「それはわかるかも」
会話をしながら朝ご飯を食べ終えて
「おいしかったです ごちそうさま」
「うん それじゃ、学校行こう」
「お母さん達 行ってきます」
「「「「「いってらっしゃい」」」」」
「あ 幸正 お昼ご飯はどうするの?」
母親が聞き忘れたように聞いてくる
「おにぎりだけでいいかな 日本で食べ歩きするなら?」
「わたしも食べなくていいかも」
「ふたりとも わかったわ」
「学校おわったらすぐ戻ってくるから」
「「急がなくてもいいんじゃない?」」
「ゆかり様たちが来るのも時間かかるでしょう」
「そうだったね」
母親の指摘に苦笑いしつつ頷く
そして学校へ移動して教室に入り席についてしばらくすると
芽衣や未来もやってきて挨拶を交わしつつ
それぞれ午後のことでわくわくドキドキしているのだった
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