129話 出かける前にフレンチトースト作り
芽衣視点です
今日はお父様達と幸正くんのところに行く予定で
お父様もお母様もそわそわしていて
落ち着かないみたいです
わたしは朝ご飯を食べて少し休んだあとで
14歳の姿に変身をしてから
エプロンを身につけて台所に立ち
幸正くんに食べて貰おうとフレンチトースト作りを開始します
「まずは…牛乳、たまご、砂糖…かな」
ウインドウで確認をしながら
材料とボウルを用意していきそれらをボウルに入れていき
混ぜていきます
幸正くんに食べて貰う分だけ作るのも
なんなので人数分を作る予定で作業をしていると
お母様が台所にやってきて声をかけてきました
「芽衣 なに作っているの?」
ボウルを見ながら首をかしげて聞いてくる
お母様の方を向きながら
「フレンチトーストと言ってパンを焼いたものなんですが
普通にやくだけじゃなく卵と牛乳と砂糖を混ぜたものに
染みこませてからやいていくものなんです
今はそのタレを作っているところなの」
わたしの説明を聞いて
「なるほど」という顔をしつつ量を見て
「何人分なの?」
「うーん…一応6人分予定かなぁ」
人差し指をあごに当てながら答える
「わたしたち家族と加賀さんのとこあわせて?」
「うん そう さて…パンを染みこませるから
大きめのお盆使うね」
わたしはお盆を用意していき
その上に食パンを載せていき作ったタレをかけていく
「染みこむまでしばらく放置してから焼き作業」
「それにしても芽衣 手慣れているようだけど」
お母様がわたしの料理手際を見てそう呟く
「料理上達速度もステータスに影響してるのかも?」
「そういうものなのね わたしたちは
ステータスなんて細かいものは確認出来ないのが普通なのに」
確かにそうだ
幸正くんの能力で数値化して確認出来ているけど
レベル以外は本来は確認出来ないものだったんだ
いろいろ…おかしいことに慣れていて感覚のずれもひどいのかな
わたしは…下処理を終えると
お母様の方を向いて
「お父様は?」
「あの人は自室で緊張しているみたい
どうお礼したらいいのか迷ってるようだわ」
「美味しいもの毎日お土産だものね」
「そうね 昨日はプリンおいしかったし
アイスクリームも冷たくて…こんなものもあるんだなぁって
この国だと夏場に氷なんて難しいし
氷魔法を使える人なんてほとんどいないから
こういうのはなかなかだものね」
そうお母様が語るのを聞いて
頷きながら相づちをして
「もうしばらくしたら冷蔵庫と冷凍庫の一般化も
出来ると思うから…わたしは一足早く幸正くんから貰っちゃってるけど」
「確かにねぇ 冷蔵庫もキッチン台もそうだよね
だから…色々お礼しなくちゃって…お父さんもお母さんも考えちゃうの」
「うん わたしは幸正くんに尽くすつもりだからこれからも」
「皇女様達もいるのに…大丈夫なの?」
わたしの言葉にお母様が驚いて心配そうに言う
「わたしが好きになることには反対しないって
未来様もみほさんも言ってくれたから」
「そうなのね ちゃんと友達になれてて安心したわ」
「うん」
そのあと30分ぐらいパンをつけていて
ほどよく染みこんだのを見てから焼き作業に入る
キッチン台のコンロをアイテムボックスから取り出して
空いてるところに設置して熱したフライパンにバターをのせて
溶かしながらフライパン全体にバターをしいていく
そして一枚ずつ丁寧に焼いていき
焦がさないように気を遣いながら作業をしていると
おいしい香りが台所に広まる
そんな香りにお母様が
「おいしそうな香りだわ」
「うん できあがりのを皿に載せたらアイテムボックスに仕舞い込んでいくから」
「その機能もすごいわよね 時間経過を無視するなんて」
「そうですね こんな機能まで貰って
わたし…たまたま教室で隣の席だったのが」
「お父さんの仕事も関係しているけれど
いろんな意味で運がよかったよね 芽衣」
「うん…」
運がよかった
そうわたし自身も感じているし知り合えたことも
よかったって思います
フレンチトーストを作り終えて
しばらくすると…お父様が自室から出てきて
「そろそろ出かけようとしよう 芽衣 よろしく頼む」
「はい」
わたしたちは玄関で靴を履いてから荷物を持つ
そのあと、わたしはふたりの手を掴んで瞬間移動で
加賀さん宅の玄関前に飛ぶ
実際に瞬間移動を経験した
お父様達は目をぱちくちさせながら驚いていた
「すごいなぁ」
「えぇ こんな便利な魔法…娘が使うなんて…」
「そうだなぁ 芽衣は大切にしなきゃ」
「えぇ」
ふたりの会話に赤くなってしまいます
そして…お父様が呼び鈴を鳴らします
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