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10話 未来(みく)

もう一人のヒロイン視点です

言葉の言い回し等…出来ているのかどうか

不安ですが…

わたくしは黒塗りのセダンタイプの高級車の

後部座席に座りながらぼんやりと窓の外を眺めていた

数日前にお爺さまからの御命令で

国の最西にある街へ護衛の方と鑑定スキルを持っている方に

同行するようにと侍女を通して云いつかわされましたので

車での長旅になってまいす

こんな長時間の車での移動なんて

はじめてのことなので退屈で仕方ありません


「ふぅ…」


わたくしがため息を漏らしてしまうと

隣でついてきていただいてる侍女の栄が心配そうに声をかけてきてくれました


「姫様 長旅でお疲れでございましょう

 もう少しで目的の街に入る予定でございます

 しばし、ご辛抱を」

「いえいえ 疲れは大丈夫です

 ご心配ありがとうございます」

「それならようございます」


わたくしの立場が皇女だからゆえに

わたくしに話しかけてくるみなさんは堅苦しい

お言葉遣いをなされているので

その辺の気疲れがたまってしまいます

時々、脳裏に浮かんでくる

わたくしじゃない誰かからみえる視界

そしていつも隣にいる男の子

彼がとても気になってしまいます

その誰かさんが今回のプロテクトアクセラレートを

発動させたのはわたくしもみえましたし

発動させる前

男の子がその誰かさんの姿を鏡みたいなもので

お見せされたときのシーンも

わたくしにもみえていました

わたくしが成長した感じの姿をしていらっしゃって

あぁ、この子とわたくしはきっとなにか繋がりがあるんだろうなと

思っていました

お爺さまからの御命令を伝い聞いたとき

わたくしと関係あるから同行するように言われたのだと思いました

侍女の栄に疑問をぶつけてみることにしました

彼女ならわたくしが生まれるまえから

皇室にお勤めされていたと存じますし

きっとなにか知っているのではないかと思うのです


「栄」

「はい 姫様 どうかなされましたでしょうか?」

「栄はわたくしが生まれる前からお勤めされていたのでしょう?」

「はい 姫様が生まれたときも立ち会っていましたので」


わたくしが生まれたときからですか

それならば…あの子のこともきっとわかるはずなのだと思います


「そうですか わたくしが生まれたときですか」

「それはそれはかわいらしい赤ちゃんでして…」


栄が遠くを見つつ答えています


「栄 これからわたくしが尋ねようとすることにお答えできますか?」

「はい なんなりと…」

「隠し事はダメですからね」

「はい 姫様はどのようなことをお聞きしたいのでしょうか?」

「わたくしが生まれたときに立ち会いをしていたというならば

 きっと答えられると思うのですがいいですか?」

「はい」


わたくしは一呼吸してから意を決して栄に尋ねます


「わたくしはもしかして双子だったんではないでしょうか?」


わたくしのその言葉を栄が耳にしたとき

栄の表情に変化がありました


「それは…その…」

「やはりそうなんですね そして今回の同行は

 双子だったお姉様なのか妹なのかわかりませんが

 その方に対面するためでしょうか」

「姫様のお察しの通りでございます 姫様には双子の妹君が

 いらっしゃいます」

「そうですか…」


やはり…あの子とわたくしは双子でした

あの子がどういうわけか成長した姿になっていたのも

気になってしまいます


「そろそろ街に到着しますがいかがいたしましょうか?」


運転手が不意に話しかけてくると栄が運転手を見つつ返答をする


「まずは予約をしていた旅館の方にお願いします

 姫様も長旅でお疲れでしょうから今日はゆっくりとしましょう」

「承知致しました それでは旅館の方へむかいます」


運転手が返事をして旅館の方にむかうようです

明日にはあの子と対面になるのでしょう

わたくしがあの子の見ているものをみえているのでしたら

きっとあの子もわたくしの方を感知しているのだと思います


「明日…」


不意に呟いてしまった言葉を栄が聞き入れてしまうと

わたくしの方を向きながら安心させるように


「姫様 心配ございませんとも

 気楽な気持ちで対面するのがよいと思います」

「そうですね ありがとう」

「いえいえ」


しばらくして旅館に到着すると

旅館の玄関前で旅館の方々が恐る恐ると

頭を下げて待ってました

皇女という立場のこういうところが嫌でなりません


「月宮未来様 このたびは当旅館をご利用いただき恐縮でございます」

「頭をお上げください 数日間ですがよろしくお願いしますね」

「はい 粗相のないように致しますので」


玄関先でのやりとりが終わると

一番高いお部屋に案内されました

お部屋に入り一息をつきながら明日のことを考えてしまいます


ここまで読んでいただいた方ありがとうございます

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