121話 さくら すみれ ぼたん かえで 1
長めです
俺が4人に名前を尋ねてみると
4人とも苦笑いをしながら口を開く
「そういえば わたしたち名前も名乗った事なかったですね」
まずショートヘアの活発そうな子がそう言うと
他の3人が頷く
「まずは…わたしから…西條すみれです 4人の中では1番上になります
料理 家事はもちろん出来ますし格闘技もたしなんでおります
あらためましてよろしくお願いします」
ショートヘアの子がそう言いながら頭を下げる
未来以外の全員がお辞儀を返す
「次はわたしですね 東篠かえでと言います すみれさんの一つ下になります
よろしくお願いします」
かえでさんも頭を下げて言うと
俺たちも同じようにお辞儀を返す
続けてかえでさんが残り二人を見ながら
「つぎは……二人とも新人の侍女になります
あなたたち」
「「はい」」
残りの二人がお互いを見てから
どちらが先に言うか決めたようでセミロングの子が先に口を開く
「北條さくらといいます えっと…まだまだ侍女としては新人ですが
料理に関しては自信あります よろしくお願いします」
と言いながら頭を下げる
同じように俺たちもお辞儀で返す
「最後になりましたが南條ぼたんと言います
さくらちゃんと同じで新人ですけど
わたしも料理は好きな方でして…未来様にお供させて貰えてるのは
嬉しい限りです 今まで教えていただいた料理も
どれもこれもおいしかったし
これからも色々と知りたいです よろしくお願いします」
ぼたんも頭を下げると
俺たちも同じようにお辞儀をする
ショートヘアのすみれ
ロングヘアのかえで
セミロングのさくら
三つ編みでめがねのぼたん
「こちらこそ あらためまして よろしくお願いします」
俺がそう言うと
母親達や美穂や芽衣も「よろしくお願いします」と4人に言う
そのあと俺が4人を見て
「東西南北ですよね?」
俺の問いかけに4人とも笑いながら
「「「「はい しかも名前も花の名前です」」」」
「すごい偶然」
俺がそう呟いてしまうと
「「「「そうですね」」」」
俺は4人に指輪を渡していきはめて貰った後
「指輪をはめて貰ったので…スキル確認をお願いしたいのだけど」
「「「「はい」」」」
4人ともスキル表示を念じる
「すみれさんは格闘ありですね」
「はい 自己紹介通りでしたね 魔法は土でした」
「他は戦闘スキルはなさそうで魔法もそれぞれ1系統だけなのね」
俺は4人の魔法スキルを見て言うと
未来がそこで口を挟む
「一人で何系統も使えるのは特殊です
氷と雷はレベル15と20になってから
才能あるかどうかわかりますが
4属性は…生まれつきになります」
「なるほど めいちゃんみたいに武器を持たせて習得させるのは
反則になるのね」
「めいさんのは…確かにそうですね」
「それで…すみれさんが土 さくらさんが水 かえでさんが風 ぼたんさんが火ですね」
「「「「はい」」」」
俺は四聖獣の属性を思い浮かべながら
ふと 呟く
「玄武のさくらさん 青龍のかえでさん
朱雀のぼたんさん 白虎のすみれさんになりそう」
それを聞いた未来と美穂がやれやれって言う風にしながら
「朱雀 青龍 玄武 白虎て…」
「これですね 前世の地球だと魔の森のあるところに国がありますし
そこが元ネタみたいですね
確かに見た限りだと…4人の魔法属性は
これと近いみたいですね」
未来がそう言うと
4人が未来のウインドウを確認してみる
「東西南北にそれぞれ聖獣と呼ばれるものが…しかも
わたしの西は虎…ですか 格闘技のイメージも」
「わたしは北の玄武で亀 確かに水属性みたいです」
「東は龍なのね 青竜刀なんてあるようですね」
「そして南は鳥なんですね」
「ぼくの勝手なイメージだから気にしないでください」
俺は慌ててそう言う
「「「「はい だいじょうぶです」」」」
俺は話を変えようと
「さくらさんが変わったスキル持ちみたいですね
植物の知識」
「あ はい 植物の図鑑とか小さい頃から読んでまして
その影響かもしれません」
「なるほど」
俺はさくらさんのスキルを見ながら考え込む
そこで美穂と未来が俺に突っ込んでくる
「ゆきくん まーた なにかやらかそうとしてる」
「そのようですね あの顔」
二人の言葉にむくれながら
「やらかすなんて…二人とも人聞き悪い」
「そう? いつもやらかしてるの ゆきくんでしょ」
「そうだけど…」
美穂の反論に言い返せないでいると
未来が話を進めようと口を開く
「それで…何考えてましたの?」
「うん さくらさん 植物の知識あるなら
ダンジョン内で植物採取もできないかなって」
そこで当のさくらが俺に話しかけてくる
「幸正様 何か必要な植物あるのですか?」
「あ うん 色々欲しいものがあったりします
まず、甘いものだと…カカオという木の実の種を使った
チョコレートが作りたいのだけど
これは前世のほうだと日本では生えていない植物です」
俺がそう言うと
未来 芽衣 美穂の3人がウインドウを開いて
チョコレート関係を表示させてみせる
「ゆきくん カカオは検索して見るとアフリカ大陸の方ですね」
未来が検索して見てそう言う
「この世界が地球と別の次元の地球ならカカオも存在はしていると思うけど
魔の森を越えてアフリカ大陸までいくのもだし」
「そうですね」
そこで俺は再びさくらのほうを見て
「もしダンジョンの植物階層で色々生えているなら
とってほしいのです
カカオだけじゃなく香辛料もいろいろと
カレーを作ろうにもその材料が手に入らないとむりだし」
俺がそう言うと
さくらとぼたんが…首をかしげて言う
「「カレー?」」
そこで芽衣がカレーを検索して二人に見せる
「こんな料理みたいです」
「煮込み料理?」
「白いご飯にかけているみたいですね 材料の植物は…」
ぼたんの言葉に芽衣が材料を読む
「ターメリック?、クミン?、コリアンダー?、カルダモン?、チリーペッパー?など、
さまざまなスパイスやハーブを混ぜ合わせ、焙煎、熟成を経てできる
ミックススパイスと書かれてますね
どれも…この国になさそうな植物みたいですね」
芽衣が各名前を読むとき
首をかしげながら頭に?マークが浮かぶような感じに読んでいた
「そうなのですね めいさんの小窓を見せて貰いながら
カレーがどんな料理でどんな味なのか気になってしまいます」
俺は植物大百科を1冊作り出して
さくらにわたす
「さくらさん これ この国の図鑑より前世の日本にある大百科
まぁ、指輪わたしたしネットを使えば調べ物は出来ると思いますが
渡しておきます ダンジョンに生えているかもしれない可能性もあると思いますし
植物の知識というスキルもアップテート出来ると思います
あ そんな分厚いもの全部読むのは大変でしょうから
アイテムボックスに入れておいてアイテムボックスの機能を更新させますので
たとえばカレー粉に使う植物を辞典検索という感じで念じたら
該当箇所が表示されるようにしました」
俺の説明にさくらは困惑気味になりながら
「よろしいのですか いただいても?」
「はい どうぞ カカオとかみつけてくれるとぼくとしては助かります」
「かしこまりました ありがとうございます」
次にぼたんのほうをみる
「えっと…ぼたんさん お菓子作りに興味あります?」
「あ お菓子というかいろいろな料理作りたいです」
「すみれさんやかえでさんは?」
俺は一応すみれとかえでにも聞いてみることにした
するとすみれのほうは
「わたしは料理は普通にこなす程度で
どちらかと言えば趣味は格闘技です」
「わたしは…そうですね 興味はあります はい
ぼたんさんが昨日フレンチトースト作ってましたけど
試食をさせて貰えたのですが…おいしかったですし
今日もプリンやアイスクリームは出来上がるのが楽しみです」
「なるほど ぼたんさんは分野問わずにいろいろな料理でしょうか?」
「はい 色々作ってみたいですね」
「わかりました ぼたんさんとかえでさんには
ネットを駆使して貰ってながあるか見て貰いますけど
かえでさんは…特にお菓子というならば
ケーキとか…さくらさん同様に百科事典わたします」
俺は西洋菓子の百科事典と
レシピが書かれている料理本をかえでにわたす
ぼたんの方にも
代表的な料理が書かれている辞典とレシピを渡す
「「ありがとうございます」」
話が一段落したあと
俺は4人にあらためてきいてみる
「ダンジョンに行くならみほちゃんたち同様にバトルジャケットへ
着替えもしたいですか?
指輪の機能でダメージ無効 状態異常無効は常時発動はしてますが」
俺の問いかけに4人は即答で
「「「「可愛い服着たいです」」」」
力強く答えるのだった
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