115話 焼き鳥作り
俺と美穂は学校から帰って帰宅する
「「ただいま」」
「「おかえりなさい」」
俺たちの声に母親と絵美が出迎えてくれた
「幸正 未来様と芽衣ちゃんは?」
「二人ともいったん帰宅してからくるから」
母親の問いかけに答える
「あ そうそう 下準備は終わってるわよ」
「ありがとう それで 塩焼きはそのまま塩とこしょうふって焼くだけ
醤油タレのほうは…醤油ベースにみりん、酒で
タレを壺にでも作って焼くときに一度、串を壺に入れて
タレを付けてから焼くと言う感じかな」
「それにしても 前世では料理したことなかったんだよね?
そういう工程 すぐ口に出るよね」
「あ うん 料理漫画とかも好きで読んでいたし
料理してる動画とかも見たりもしてたから」
「そうなのね とりあえず、醤油は作っておくわね」
「うん」
俺は中庭に出て
焼き鳥用のグリル台をアイテムボックスから取り出して
中庭におくと父親がやってきて
「幸正 炭は中に設置すればいいんだよな」
「うん グリル台の中に炭を入れていって火は
ファイアでつけるから」
「わかった」
父親が買ってきた炭を
グリル台の中に入れていき敷き詰めおわるのをみてから
ファイアで炭に火を付ける
俺が作業をしていると芽衣もやってきたようで
母親、絵美 美穂、侍女さん達とともに
炊いた白米と茶碗やらなにやらを持って中庭にやってくる
しばらくしてミアさんや宗人もやってくる
最後に未来とゆかり妃殿下が栄とともにやってくると
侍女さんの一人が頭を下げながら声をかける
「ゆかり様 未来様 おまちしておりました」
「あなたたちも朝からお疲れ様」
全員揃ったようなので母親がグリル台のところに立ちながら
焼き鳥を焼き始める
それを見た絵美と栄を含む侍女さん達も
焼き鳥を焼きはじめて行く
「焼き具合を見て回転させて反対側も焼いていくことになります」
母親がそう言いながら作業をしていき
それにあわせるように他の面々も同じ作業をする
父親と宗人は椅子と机を並べていき
美穂達も机の上に食器等を並べていくのを手伝っている
そんな作業を見ながら
ゆかり妃殿下が俺に声をかけてくる
当たりには焼き鳥を焼いている匂いが漂いはじめて
食欲がそそられる中
ゆかり妃殿下と会話をする
「幸正 いいかしら?」
「はい」
「昨日の小腸と野菜の炒めものはおいしくいただきました」
「お気に召しましていただいたようでなによりです」
「ただ、手間がかかるようですね」
「そうですね 臭み取りとかめんどくさいですし
内臓の処理はぼくもわからないのでアイテムボックスの機能を
いじって殺菌とか腸の内容物の除去等を自動にしましたけど
本来なら人の手で行えるものです」
「ふむ と…なると
こういう職を作るべきですね」
「内臓処理だけじゃなくて…ソーセージなども
作る工場もありかと思います
豚の小腸を用いて…その小腸にミンチにした肉を
詰め込んでいき適当な大きさ毎に小腸をねじって区切りを付けて作る」
俺はウインドウを表示させて
ソーセージの工程をゆかり妃殿下にみせる
「こういう肉料理もあるんですね
やはり色々と人手が必要になりますね」
「はい 貧しい人たちに職を提供出来るなら
国にとっても利点になると思うのですが」
「そうですね 犯罪行為をしなくても暮らせるようになれば」
「はい そうです あ、そういえば
ダンジョンの入口にはゲートは?」
俺は思い出したようにそのことを聞いてみる
「各ダンジョンがある街には
送り終えたはずですが…設置はもうしばらくかかるみたいです」
「なるほど…」
「冒険者協会もそうですし
冒険者になろうとする若者も少ないのも問題点です」
「命がけの職業より安定した職業の方が
誰だっていいに決まってますからね」
「そうですね
レベルが上がればそれだけ危険を回避出来る力になると
知らせないとダメですね 冒険者専門学校も
必要なら作らなきゃですね」
「冒険者協会ではしてなかったのです?」
「基本的なことは教えているはずです
一般人の平均レベルが10未満というのが
なによりも物語っていると思います」
「生活に必要なものはダンジョンに行けば
手に入ると思うんだけどね
食べることの出来る魔物がほとんどですし」
「なかなか難しいものですね この辺」
こんな会話をしているうちに
母親達は焼き鳥を大量に焼き終えているようで
やってきて俺たちに声をかけてくる
「ゆかり様 準備出来ました 幸正も ほら」
「美幸 おつかれさまですね」
「ぼくも席に着きます」
母親に促されて席について
ちょっと遅い お昼ご飯をみんなで食べ始めるのだった
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