114話 焼き鳥の下準備
美幸視点です
「ごちそうさま」
「おそまつさま ゆきまさ そろそろ学校でしょ」
「うん その前に…お母さん 午前中に
コカトリスの心臓とか肝臓を昨日と同じように臭みとっておいて」
「そういえば…焼き鳥作るんだったね」
夫の正太が焼き鳥に興味あるらしく
昨日 焼き鳥を焼くためのグリル台を
この子に作って貰ったみたいね
「それで…この国に炭って売ってる?」
「あるわよ 七輪とか使うときに使うし
今は各家庭にガスが通っているけど
それでも需要はあるからちゃんと売ってるわ」
「そしたら買ってくれると助かる
焼き鳥焼くために」
「うん わかったわ」
会話を終えると
みほちゃんもやってきて二人で学校に行く
それを見送ったあと
わたしは夫に念話を送る
「あなた ちょっといい?」
「うん?」
「買いもの頼みたいんだけどいい?」
「あぁ…」
「炭を買ってきてくる?」
「わかった 大量にいるよな」
「おそらくね わたしはコカトリスの心臓と肝臓を
下処理するから」
「美幸 一人で?」
「絵美さんも呼ぶから あと…ゆかり様に念話して見る
侍女さん達借りれるならかりたいから」
「わかった もうちょっとしたら…お金持って買いものに行くよ」
「頼んだわよ」
「あぁ」
正太と念話をすませたあと
絵美さんに念話で来て貰うように頼んで
ゆかり様に念話を送る
「もしもし ゆかり様 いまよろしいですか?」
「美幸ですか? 幸正がなにかやらかしましたか?」
ゆかり様もわたしと同じで
幸正がやらかすことを前提に話してくるのね
「あ いえ 今日はまだ大人しくしてます
今さっき 美穂様と登校していきました」
「そうですか…それでどうしたのです?」
「はい 侍女さん達をお借り出来ないかと」
「ふむ…今日はなにを作るのです?」
「午前中にコカトリスの心臓と肝臓の臭み取りをして
もも肉 心臓 肝臓等を適当な大きさに切り分けてから
串にさしていくところまでだと思います」
「なるほど…唐揚げですか?」
「いえ 唐揚げではなく…そのまま焼きます
なので…焼き鳥ですね」
「わかりました 侍女達をむかわせます
実際に焼くのは午後からですか?」
「はい 幸正達が帰宅してからの予定です」
「それでは…わたくしもその時間に伺います」
「承知致しました」
ゆかり様との念話を終わらせたあと
早速、わたしはコカトリスの心臓と肝臓を
アイテムボックスから取り出していく
数の多さに若干、顔をひきつりつつも
昨日と同じように塩でもみ洗いをしているところに
絵美さんがやってくる
「おまたせ 遅くなったわ」
「ううん 大丈夫 助かる」
「結構な量があるわね そこにあるのは
幸正くんの取り分だけだよね」
「うん そうだと思うわ」
「それで…この量だもん 美穂のほうのアイテムボックスにも
同量あると思うと…」
「ですよね 食べきるより増える方が早いもんね」
「あは とりあえず、わたしももみ洗いするね」
「えぇ 助かる」
二人で塩もみを進めていき
塩もみ作業が終わると水で洗い流していく
水洗が終わり牛乳にしばらく漬けて待っていると
夫の正太が声をかけてきて
「美幸 買いものいってくる」
「はい 行ってらっしゃい 炭と他にも小麦粉 パン粉 塩 こしょう
しょうゆなどもお願いね」
「あぁ…」
「お金 忘れないようにね」
「持った」
正太を見送るとすぐに侍女さん達がやってきて
「「「「おじゃまします」」」」
「いらっしゃい ごめんなさいね こちらまで仕事」
「「「「いえいえ」」」」
侍女さん達を台所に案内して戻っていくと
絵美さんが牛乳に漬けていたものを水洗始めようとしているところだった
「「「「水洗いですね」」」」
「うん 昨日と違うのは今日はコカトリスの心臓と肝臓です」
「心臓も食べれるんですか?」
「食べれるみたい」
侍女さんの一人がそう聞いてくると
わたしは答える
「おいしいのかな」
「どうだろう」
「わたしたち毎日得してるよね 新しい料理色々口に出来るし」
「「「だよね」」」
侍女さん達がこんなことを話して盛り上がる
侍女さん達をふくめてわたしたちは
水洗をして水気を拭き取ってから
小麦粉でのもみ洗いもすませ
水洗を再びしていき
洗い終えて水気をしっかりと拭き取ると
アイテムボックスからもも肉もとりだしていき
心臓、肝臓、もも肉と
串焼きにするくらいの適当な大きさに
みんなで切っていく
「美幸さん 心臓 切り終えました」
「肝臓も終わります」
侍女さん達に任せていた心臓と肝臓が終わったのを聞くと
わたしは侍女さん達に
アイテムボックスから串をとりだしていき
「心臓は心臓で串に刺して わかりやすいように別々のところにまとめて」
「「「「はい」」」」
わたしと絵美さんはもも肉を切り終えたあと
わたしは長ネギもとりだしてくる
「もも肉とねぎを交互に串刺しにするんだね」
「うん ネットで見てると こういうのもあるみたいだから」
「美幸さん ねぎ切っていくみたいだから
わたしは串刺し作業をするわね」
「ありがとう」
各自作業を進めていくと
あっという間に11時過ぎになっていた
買いものに出かけていた夫も帰宅したようで
「ただいま」
「あなた おかえりなさい」
「焼き鳥の下準備は終わりそうか?」
「ほとんど終わったわ」
「おつかれさま」
下準備も一段落して
わたしたちは少し休憩を挟むのだった
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