113話 モツ…とは?
わたくしはいつものように夕ご飯の席に着くと
早速、お爺様達が声をかけてきました
「今日は侍女達数人を連れて幸正のところに行ったそうだが
なにを作ってきたのじゃ?」
「はい こちらです」
お爺様の言葉にアイテムボックスにしまいこんでいた
ブラックホーンの小腸と大腸と野菜の炒めものを
机の上に置いていきます
「野菜炒め…か いや 野菜だけじゃないな これは」
「はい ブラックホーンの小腸と大腸も混ざっております」
わたくしの言葉にお爺様達が固まってしまいました
しばらくして…お爺様が再び口を開きます
「食べれるのか?」
「未来 内臓ってほとんど捨ててること多いのはしってますよね?」
お母様もこう言いながら「なにを作ってるの?」という表情になります
「はい この国だと捨てていることが大半なのは存じてます
しかし、ネットを調べてみてください
牛や豚 鳥の内臓も食べれる箇所がのってます」
わたくしも夕ご飯までの間にネットで調べておいてました
食べることが出来る箇所が色々あるようですし
今回はゆきくんのアイテムボックスの機能をアップテートさせて
内臓の処理を自動でして貰うことにしてましたが
これらも科学でどうにか出来るものみたいです
「モツ…とは」
「しかも豚の小腸は肉詰めしてソーセージなるものも作れるとか
まだまだ…わたくしたちが知らない食文化が多数ありますね」
「そうじゃな 他国との交流もないからこそ
他国の食文化が入ってこないというのもある
他国との接点が争いになることも多いが
食文化や衣服などの文化の発展には障害となっておるな」
「はい」
お爺様とお母様がそんな会話をしています
そこで一緒に行った侍女の一人が
「食べてみた感じですが弾力もかなりありました
今回は味噌味になってますが白いご飯に
あう感じでございます」
「なるほど では、食べてみるとしよう いただきます」
「「「「いただきます」」」」
お爺様の言葉に続きいただきますをして食べ始める
「ふむ 味噌味でご飯に載せて一緒に食べるのもよさそうじゃ」
そう言うとお爺様は白米に載せて一緒に食べ始める
「弾力がすごいわね」
「そうですね」
お婆様とお母様もそういう感想を漏らす
「未来 臭みなどもないようなのはどういうことです?」
お母様がわたくしにそう問いかけてきます
「はい 料理をする前に
塩でもみ洗いして水洗 そのあと小麦粉でも
もみ洗いをして水洗をしてから下茹でをしてます」
「なんというか…手間暇かけて作るものなんですね」
「はい ですから これは気楽に作れるものではないと思います
そこで提案なのですが」
わたくしがそう言うと
お爺様が目を見開いてわたくしを見て
「なんじゃ?」
「はい 内蔵処理と下処理を専門に行う仕事を
作るのはどうでしょうか?」
「なるほど 職を増やすと言うことか」
「はい ただ、それをするとなれば
内臓を使った料理が美味しいものと国民に納得させないと
仕事を募集しても…となります」
「そうじゃな なんのために、こんなことをしているのか
仕事をしているものが理解してないと…仕事をしようと思えないからな」
「はい 洋服においてもボタンなどを大量生産する工場
縫い付ける作業をする人手
これらもそうですし畑仕事だけではなく
これらの職も生活を豊かにする一員になって貰えればと」
「ふむ その通りじゃな わしら皇族は
国民の税金で生活しているようなものじゃが
国民一人一人が豊かになれば国も潤う」
「はい」
「ゆかりよ 今まで幸正が美幸に作って貰った料理を
無償で食べれる機会を国民に与えるのはどうか?」
「はい お祭りみたいな感じですか」
「そうじゃな 侍女も作れるようになっているわけだし
美幸や絵美に任せきりにはならないはず
雅仁には内閣に掛け合って貰おうか」
「はい 規模が大きくなるわけですし
国の主催で大きな会場で行うように調整します」
「頼んだぞ あと 未来」
「はい」
「幸正がまた何か作ろうとしたなら侍女達は連れて行くように」
「はい」
おそらく毎日なにかかにかは作るとは思いますが
ダンジョンもゆっくりになりましたし
しばらくは料理などが主になるのでしょうね
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