111話 下処理
「ただいま」
「幸正 おかえり 今度は内臓を食べるの?」
母親が俺の顔を見るなりそう言ってくる
「アイテムボックスに残ってるしもったいないと思って」
「そりゃあね 内蔵以外もいっぱいあるけど
内臓はまったく手付かずだからたまっていくだけだもんね」
「うん 燃やして捨ててもいいけど食べれるもの多いから」
「午前中に色々ネットみていたけど
食べれる箇所いっぱいあるんだねぇ」
「ぼくはわからないから能力使って
アイテムボックスの機能をいじって
内蔵の処理も自動でするようにしたから
あとは臭み取りして下茹ででいいはずだから」
「ありがとね ゆくゆくはアイテムボックスの機能なしで
出来る人を作りたいよね」
「うん 日本では出来ているわけだし」
「そうよね とりあえず、調べてみたけど
塩もみして水で洗って牛乳にしばらく漬けて
水で洗ったあとに小麦粉でもみ洗いして
と言う感じだね」
「大変そう」
「人手多いから大丈夫でしょ
あ 幸正 お昼ご飯は牛丼でいい??」
「うん ありがと」
俺は牛丼を食べ始める
そして食べ終えてしばらくすると
美穂 絵美 ミアさんがやってくる
「「「おじゃまします」」」
「いらっしゃい 今日もよろしくね」
「「「はい」」」
次に芽衣がやってきて同じように挨拶を交わす
「おじゃまします」
「いらっしゃい 芽衣ちゃん 毎日いろいろと
この子の提案に付き合わせちゃってごめんね」
「あ いえ 今回はわたしの方が先に…
貯まっている内臓をどうしようって」
「そうだったのね」
「はい」
最後に未来と侍女さん達数名がやってきて
「「「「「「おじゃまします」」」」」」
「いらっしゃい 未来様 そして侍女の方々
今日は突然 仕事増やすかたちになっちゃって…」
母親が侍女さん達にそう言うと
侍女さん達は手を振りながら
「いえいえ…むしろ新しい料理を覚える機会は今日です」
「そうそう ここ数日 色々とレパートリー増えたし」
「わたしたちとしては…大助かりです」
侍女さん達はそんなことを母親に言う
俺は大型のステンレス製のボウルを数個作り出すと
「お母さん これ 小腸入れるボウル
もみ洗いするときに使って」
「ありがと じゃあ、早速ですけど作業に取りかかりたいけど
よろしいですか?」
全員が頷き美穂 未来 芽衣は変身して14歳の姿になり
ワンピースにエプロンを身につける
変身後の姿を侍女さん達が見て
「その服装 動きやすそう」
「いつ販売されるのでしょう?」
「未来様達は14歳に変身して料理って
7歳の姿じゃ大変なのはわかるけど やってることがすごすぎて」
こんなことを呟いていた
母親と絵美が用意していた塩をとりだしてくると
俺たちはアイテムボックスのに入っている
小腸と大腸を取り出す
「使うのはブラックホーンでいい?」
「「「うん」」」
「「「「「「「「えぇ」」」」」」」」
ボウルに小腸と大腸を入れて塩をまんべんなく振りかけると
それぞれ手もみをしていく
丁寧に手もみをして十分もみ洗いをするのを見た後
頃合いと思いザルをボウルと同じ数作り出し
各自に渡していき
流しにいき美穂と未来、そして俺はビットを飛ばしてウォーターを唱えながら
合計15個のビットを水道の蛇口代わりにして
全員の分の水を出しつつ洗う
美穂達を見て母親達は
「みほちゃん達 ずるいというかなんというか
魔法を有効活用してるよね」
「わたしもウォーターなら使えるけど
MP少ないから…無理だわ」
絵美の呟きに侍女さん達も頷いて同意している
水洗が終わると牛乳をボウルに入れていき
水洗いした小腸などをつけ込む
しばらくおいてからつけ込んでいたものを
再度水洗をして小麦粉を塩と同じように
まんべんなく振りかけて
もみ洗いをして水洗をする
そのあと水気をきちっとふくために
クッキングペーパーを作り出して全員に渡す
「料理用の紙タオルもあるのね」
「これはこちらの技術でも出来るような気がするけど
開発する会社がまだないよね」
侍女さんの呟きに母親がそう答える
そして水気を拭き取った小腸と大腸を鍋に入れて
下茹でをして下処理を終えると
俺は中庭に鉄板付きの机を作る
「幸正 なにするつもり?」
母親が鉄板を見て俺に聞いてくる
「せっかくだから…もつの味噌炒めでも?」
「もしかして そこに今 茹でた小腸と大腸をのせて焼くの?」
「うん 野菜とか あとは味噌醤油などで」
俺がそう言うと
母親と絵美が味噌などを準備する
侍女さん達も母親について行き準備を始める
「ゆきくん お父さん達呼ぶね」
「うん めいちゃん みくちゃんも完成したら持って行って
手抜き出来ると思うから」
「幸正くん 毎日ありがと 日曜日にお父様達と一緒に
改めてお礼に来ると思うから」
「うん」
「ゆきくん 今日はダンジョンなしになりそうですね」
「時間的に うん 明日もなしでいいと思う」
「そうですね 来週明けから1時間ね」
「うん」
未来と会話をしているうちに
美穂が父親と宗人を連れてきて
母親達も台所から野菜や調味料を持ってくる
料理に間しては母親に任せるとして
俺はただ見ているだけにした
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