108話 不機嫌な美穂
翌日 教室に行き席に座っていると
芽衣が登校してきて席に着きながら俺に話しかけてきた
「幸正くん おはよう」
「おはよ」
「今度の日曜日 なにかある?」
「なにもないけど…何か用事?」
「うん 昨日 牛丼持ち帰ったときに
お父様達がお礼言いたいって
とんかつもどきから色々貰ってばかりと
言われてて」
「なるほど ぼくは予定ないから」
「幸正くんのお母様達の方は?」
「今 聞いてみる」
「ありがと」
俺は母親に念話を送る
「お母さん 日曜日ってなにもないよね?」
「うん? 特にないけどなにかあるの?」
「芽衣ちゃんの両親がお母さん達にお礼言いたいらしい」
「お礼?」
「とんかつもどき マグロ丼 唐揚げ 照り焼き
昨日は牛丼 続いてるからだと思う」
「芽衣ちゃんにも手伝って貰っているし
持ち帰って貰ってるだけなのに…わかったわ
お父さんにも伝えておくから」
「はい では」
「授業はちゃんと受けなさいよ」
「はい」
俺は念話を終わると芽衣の方を向いて
「日曜日 了解だって」
「ありがと 家に帰ったら伝えるね」
「うん」
そこに美穂がやってきて俺を叩いてくる
「むぅ 今日もおいていった ひどいよ」
「あ ごめん」
条件反射で美穂に謝ってしまう
美穂はそれでも機嫌直ってくれないらしくて
「ゆきくん わたしのことすき?」
「それはすき」
「ほんとに好き? 芽衣さんには優しいよね?」
「えっ? 幸正くん みほさんも未来様も優しくしていると思いますよ?」
芽衣が自分に飛び火してきたのを
困惑気味で美穂に言う
「優しくされているのはわかるけど
不安なんだもん」
「安心して みほちゃんと結婚したいって思ってるから」
「………芽衣さんもおねえちゃんもでしょ?」
「わたしは…選んで貰えるなら嬉しいけど
そこまで強く望まないから」
美穂の言葉に芽衣が呟くと
俺は芽衣を見つめてしまう
「めいちゃん…」
「むぅ わたしもいるのに ゆきくんのバカ」
ますます不機嫌になる美穂
「わ…みほちゃん 落ち着いて 明日からちゃんと一緒に登校するから」
「ほんと?」
「うん」
「絶対だよ?」
「うん」
俺の返事に美穂が落ち着いてくれたようで
ホッとしていると未来も登校して挨拶を交わす
「おはよう」
「「「おはよう」」」
1時間目の授業後の休み時間に
俺たちは英雄のところに顔を出しに行く
6年生のクラスにやってくると
中にいた上級生達が俺たちを見て
目を合わせないようにして
英雄に合図を送ると英雄が俺たちの方に気づくと
足早に教室から出てやってくる
「クラスの様子 おかしくないですか?」
俺が気になって英雄に聞くと
「幸正くん達 色々すごいから…」
「「「「そう…」」」」
やらかしまくっているのは俺たちも自覚しているから
深く言及はしないことを選ぶ
「それで…用事でしょうか?」
「はい 今日の放課後 そちらに伺います」
「あ はい」
「ミスリル合金は可能でした?」
「はい 合金は出来るようですね
割合的にミスリル20%と他金属と言った2:8割合まで
比率を下げても魔力を通すことは出来ました
それより少なくなると魔力が通りにくくなるみたいで
最低ミスリル20%は混ぜる必要がありました」
「ありがとうございます 昨日 ミスリルゴーレム大量に
倒してきてるので放課後に渡します」
「えっ? 60階層到達ですか?」
「「「「はい」」」」
「はやい…」
「それで術式のほうは?」
「そちらは…なかなか難しいです
英語自体がわからないので…」
そこで美穂が
「ゆきくん 魔法リストを英語にして
プリントアウトしたら?」
「あ そうだね そうしよう」
俺は美穂の言葉に同意する
「何時ぐらいに家に来られるのでしょうか?」
「61階層のラバースライムを1時間程度回収してからだから
3時過ぎになると思います」
「わかりました」
そうして6年生のクラスを後にして
教室に戻り授業をこなしていき帰宅して
お昼を食べ終えると
俺たちは60階層で待ち合わせするのだった
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追記
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