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たった六ヶ月のラプソディ  作者: ライトさん
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女の子で映画館

子ども頃から物語を読むのが好きで、何時か自分自身の物語も書いてみたい。そんな思いを抱いて早幾年。書き始めるのももの凄く難しいけれども、それよりももっと書き続けることは難しい。そしてそれよりももっともっととんでもなく終わらせることは難しい。

多くの方々が見事に物語を書き上げ、そして終わらせ切っておられること、本当に尊敬してしまいます。適うなら何時かそんな皆さんの仲間入りが出来たなら、そして誰かの心を満たすことが出来たなら、その時は私にとって最高の一時になる…なりますように!


 さて、そうこうする内に映画の上映時間が迫っていた。足早に映画館に戻り、チケットを片手に入り口に向かう。既に少しずつだが人混みが増えてきている。


 ここは今流行のシネプレックス方式の映画館だ。入り口から奥にはいくつかの別の映画を上映しているホールがある。しかしチケットを切るのは入り口の部分の一ヶ所だ。


 左右に一人ずつ居る女性の一人にチケットの半券を千切って貰う。中に入る前に先に自販機でコーラを買った。


「えっと・・・」


 チケットに記載された席は真ん中よりほんの少しだけ後だった。座席のアームレストにドリンクホルダーが付いているので、そこにコーラの紙コップを置く。

スマホの時計をちらりと見ると、後十分ほどで上演時間になる。


 何カ所か開かれている出入り口からは三々五々人が入ってくる。なんだかカップルが多いな。女の子が一人で見に来ているのは僕くらいのものかも知れなかった。


 ブザーが一回鳴り、照明が少し暗くなって上映前のコマーシャルが始まった。席はもうほとんどつまり始めている。


 僕の右の座席は未だ一つだけ空いていたのだけど、そこにも誰かやって来たようだ。


「すいません、すいません・・・」


そう言いながらその席の主は、既に着席している人達の前を通ってやって来た。


「よっと・・・」


 最後にそう一言言うと、彼女は僕の横の席に腰掛けた。

手に持った紙コップをドリンクホルダーに入れ込み、パンフレットを開こうとする。

すると一瞬手が離れたのだろうか?手にしていた鞄が僕の足の下へ落ちてきた。


「あ、ごめんなさい」


 そう言って彼女は自分で鞄を取ろうとしたが巧く取れない。だから僕が手を伸ばして床に落ちた鞄を拾ってあげた。


「はいこれ」


「ありがとう?」


鞄を拾って渡してあげた僕の顔の上に彼女の視線が止まる。


「あの何か?」


まじまじと僕のことを見つめる彼女の視線に少したじろぎながら聞いた。


「私のこと覚えていない?」


彼女は突然そう言う。


「え?」


 僕は凍り付いたようになったまま言葉を失った。

僕は一体この人とどこで知り合ったというのだろう?記憶をいろいろ探ってみたが思い当たることは何もなかった。


 最近知り合った人がいると敢えて言うとしたら、先程のカレー店でほんの少しだけ会話をした瑞紀って言う女の子ぐらいだ。もしかすると他人のそら似?


「あー、やっぱり無理ないか。たった一度会っただけだものねえ」


彼女の言葉には確信が満ちている。どこかの誰かと間違えているようでは無さそうだ。


「私は商売柄一度会った人は忘れないのよね。あのさ、その服よく似合っているわよ」


僕の彼女を見つめる目は、ある時を境に急に大きくなった。


「あ、もしかしてあの・・・、服を買うときに手伝ってくれたお姉さん?」


すると彼女は大喜びをしながら手を打った。


「そうそう、良く覚えていてくれたわね。覚えていてもらえなかったら、こうして声をかけた手前どうしようかって思っちゃったわよ」


 僕は改めて彼女のことをまじまじと見つめた。

もちろん既に薄暗くなっているから細かいことまではよく見えないけれど、(そんな中で僕のことを見分けた彼女の能力こそ凄い。)今の彼女の方があの時よりもずっと温和な顔に見える。


「あの時はどうもありがとうございました」


「そんな・・・こっちだって商売だったんだから気にしないで。それよりこんな風に巡り会うなんて凄い偶然ね」


 言われてみたらその通りだった。しかしそう言うことがあるからこそ偶然と言う言葉は存在するのだろう。


「それにね、前の時も言ったけれども、あなたって田舎の妹にとてもよく似ているのよね。でなかったらいくら私でもきっと気がつかなかったわよ」


 僕はそんな彼女の言葉を聞きながら、人との出会い、縁の不思議さを噛み締めていた。

再びブザーが鳴り、銀幕のサイズが少し変化する。いよいよ上映開始らしい。


「それじゃあまた後でね」


「はい」


 僕達はそう言う会話を最後に映画に没頭し始めた。


 映画は最初のつかみのところから結構面白かった。どんどん展開が進み息をつかせない。

僕はいつの間にか手に汗を握っているのに気がついた。


 ふと気になって横を見る。彼女も夢中になって画面に見入っている。でも僕の視線を感じたせいか、一瞬僕の方を向いて微笑んでくれた。


 その微笑みの余りの眩しさ?に僕はなんだかドキドキしながら、慌てて前へ向き直った。


 映画の展開は更に進む。緊迫するシーンが次々と繰り広げられる。

主人公を中心に繰り広げられる様々な人間模様が心にしみる。

何だろう?僕はいつの間にか自分の頬が濡れているのに気がついた。


「あ、あれ?」


 少し驚きながら、僕は手の甲で目をごしごし擦った。僕ってこんなに涙もろかったっけ?

自分自身そんなことを信じることが出来なかった。


 でも、クライマックスに近づくに連れ、更に深い感動が胸を打つようになっていくと、もう涙が止められなかった。一体僕はどうなってしまったんだろう?


 僕は涙を流しながらも映画から目を離すことが出来なかった。

と、その時、


「はいこれ」


と言って横からハンカチを差し出す手があった。


「使って、良かったら」


そう言いながら彼女は僕の手の中にハンカチを握らせる。


「でも・・・」


そう口ごもる僕に彼女は言った。


「良いの、もう一枚予備があるから、遠慮無く使って頂戴」


 そう言いながら彼女はバッグの中からその言葉通りもう一枚のハンカチを出した。そんな彼女もしっかりと目に涙を浮かべている。


「ありがとう」


 僕は彼女がそのハンカチを使い始めるのを確認すると、好意に甘えて渡されたハンカチを遠慮無く使った。


 それから後のことは実は僕自身も、何がなにやら分からなくなってしまった。大きな感動が心の中に波のように押し寄せてきて、涙々で止まらなくなってしまったんだ。


お陰で映画が終わったときには放心したようになってしまった。


「大丈夫?」


横から彼女が心配そうに声をかけてくれる。


「うん・・・」


 僕は小さな声で返事をする。映画を見てこんなに取り乱してしまったのは初めてだ。一体僕はどうしてしまったと言うのだろう?


「そんなに泣いたら目が腫れちゃうわよ」


「うん」


「立てる?」


いつの間にか最後の字幕が終わって、館内残っているのは僕達だけになっていた。


「大丈夫?」


「うん」


 僕は彼女に付き添われるようにして上映室を出、トイレに向かった。もちろんそれは当たり前のことながら女性用のトイレだった。


「あ、う・・・」


 一瞬気後れしたが、今は女の子なんだし、その、仕方ない?

何人か居る女の子達の後に並んでいる内に、直ぐに並んでいて良かったと思うようになった。


 用を済ませ、手洗いの前に立つ。鏡の向こうには目を真っ赤に泣きはらした女の子が居た。


「私も大概泣き虫だけれども、あなたには負けちゃったわ」


 そう言うと、彼女はくいっとルージュを差した。不思議だな、ルージュを差した女性ってどうしてこうも格好良く見えるんだろう?


「すいません、本当に何もかもお世話になって」


僕はそう言うと頭を下げた。


「あの、わ、私は佐山良美って言います、よろしく」


すると彼女はにっこり笑いながら言った。


「私は立花亮子、よろしくね」


「あの、ハンカチ、ありがとうございました。後で洗ってお返ししますので、あの・・・」


「ああ、良いわよそんな、どうせ安物のハンカチなんだし」


「でも・・・」


「そんなこと気にしない気にしない」


そう言うと彼女は先に立ってすたすたとトイレから出て行った。僕も慌ててその後を追う。


「でも本当に面白かったわよね」


僕は力強く大きく頭を振った。


「久々に観た!って感じがしたなあ」


 僕もその感想に大賛成だった。しかしこれほどまでに激しく感動するというのは生まれて初めてのことだった。


 今までにだってもっと面白い映画も見たことがあるように思う。

でも何故か今回の映画の方が良く心にしみて、そのせいか映画を見て初めて大泣きした。僕はそんな自分が不思議で仕方なかった。


やはり女の子だってことの影響があるのだろうか?


「良かったらお茶でも一緒しない佐山さん?」


明るい陽光の下で誘われた僕に、否の答えはなかった。


「はい、お誘いありがとうございます」


僕は彼女に連れて行かれるがまま、とある喫茶店に入った。


「ここのケーキと紅茶は絶品なのよ。もしかして知っていたらごめんね」


「いえ、初めてです」


「ならよかった」


 そう言うと彼女は、席に座るなりケーキと紅茶のオーダーを僕の分まで、あっと言う間に決めてしまった。


「映画には良く来るの?」


「ごくたまにです」


「いつも一人?」


「はい」


主に彼女が話し役で、僕が聞き入る役だった。


「そかあ、もっとも私も一人だけどね、いつも」


「失礼します」


 店員がそこにケーキと紅茶を持ってきた。彼女はそれを見ると途端に顔中が笑みと言ったような顔になった。


「えへへ、私ね、ここのケーキに目がないの。田舎から一人で出てきて色々苦労も多いけど、このケーキを食べる時だけは出てきて良かったなって本気で思うのよ」


僕は彼女に勧められるがままにケーキを口にした。目がキュッと丸くなる。


「お、美味しい!」


「でしょでしょでしょう?」


 僕の讃辞を聞くと彼女は大喜びだった。でも本当に美味しかったんだ。

中でもスポンジの柔らかさと生クリームの上品な甘さは逸品だった。


「ところであなたはどこに住んでいるの?」


屈託のない笑顔で彼女は聞いてきた。


「桜木です」


「あら、なら直ぐ近くね」


「あの、立花さん・・・?」


「亮子で良いわよ。その代わり私もあなたのこと良美ちゃんて呼ぶわね」


「はい、それで亮子さんはどちらに?」


「大町なの」


「本当だ、それなら結構近いですね」


 確かに近い、通り三つほど離れたくらいものだった。亮子さんの巧みな話術に引き込まれたまま、僕達は色々なことを話した。


 話している間の僕はついつい手が止まってしまうのだけど、亮子さんはものの見事に食べ続ける。しかも上品かつとても綺麗に食べてしまうから驚きだ。

僕が目を丸くしていると彼女は笑った。


「うふふ、呆れた?食べながらお喋りするの特技なのよ。もっともこれって特技っていえるのかしら?お行儀悪いわよね」


「うーん、亮子さんなら問題ないかも?」


「何それ?褒めているの?それともけなしているの?」


そう言うと彼女はケラケラと笑った。本当に明るい女性だ。


「ご姉妹はいるの?」


「いえ、一人っ子なんです」


「そうなんだ、今はご家族と一緒に住んでいるのよね」


「母は既に他界していて、父も私が小さな頃に亡くなったそうです」


 なんと言えばいいのだろう。僕は彼女に嘘を余り言いたくなかった。

でもだからと言って今の自分の状況を全て話すことも出来ない。何とももどかしいものを抱えての会話だ。


「じゃあ一人住まいなの?」


「はい」


「お母様はいつ亡くなられたの?」


「そろそろ五年になります」


「そうか・・・それでか」


「・・・?」


僕が怪訝な顔をしていると、彼女は説明してくれた。


「この間買い物に来てくれたでしょう?」


「はい」


一体何を聞かれることになるのだろう、僕の鼓動はどんどん早くなっていった。


「あの時、いくらあなたがシャイなお嬢さんでも、余りにも何にも知らないって言うか、妙だなって思ったの」


「・・・」


「でも早くにお母様を亡くされたって言う話を聞いたら、何となくだけれど、納得できるかなって・・・」


「・・・」


 こう言う場合、彼女の回転の良さを喜ぶべき何だろうか?しかし今の僕に一体何が言えるだろう。


 こうして親切にしてくれる彼女を騙すのは心苦しかったが、当面彼女の想像した通りだと言うことにしておくしかないだろう。


黙りこくっている僕の様子を見た彼女は、すぃっと僕の目をのぞき込んだ。


「えっと、もしかしたら何か嫌なことでも話しちゃったかな?お母さんのこと、心の中で未だ整理が付いてなかったのかしら・・・」


「いえ、その・・・そんなことはないです」


「うううん、良いの。誰でもそうだよね、心の中にそう言うことの一つや二つあるものね。ごめんね良美ちゃん」


彼女の表情が微かに曇る。


「そんな、亮子さんは謝るようなこと何もしていないです」


 僕は自分の心の中にある秘密をいえない後ろめたさもあって、殊更に彼女には非がないことを言い立てた。


「それにこの間買い物に行った時、亮子さんのお陰で本当に助かったんです。ああいう買い物はいつも本当に苦手で・・・。いつもは知り合いの方に見て貰っていたのだけど、結婚して遠くに行ってしまって、だから本当にほっとしていました」


 ごめん亮子さん、嘘を言ってしまっています。僕は心の中で彼女に頭を下げて謝った。いつか、いつの日か今僕が経験していることを正直に話せるときが来るのだろうか?


「そかあ、ありがとう。そんな風に言ってもらえたら元気出ちゃうなあ」

ものの見事に復活した亮子さん、でも本当に嬉しそうだった。


「私ね、二十歳の時にこっちに出てきたんだけど、その時両親に五年間だけのわがままってことで頼んだの」


「亮子さんは今おいくつなんですか?」


「後一月で二十四になるわ」


「え?じゃあもうあと一年ちょっとしかないじゃないですか?」


「ええ、そうね。でも仕方ないわ。約束は約束だから」


「それで田舎に帰ったらどうなさるのですか?」


その問いに答えようとする彼女の表情は少し沈んだ。


「私んち、祖父の代から続いている旅館なの。だからきっと親の勧めに従ってお見合いして、跡を継ぐことになると思うわ」


「お見合い・・・」


「うん」


「そんな風に人生を決めてしまわれるのって嫌じゃないですか?」


「そうね」


そう言いながら彼女はティーカップの縁を指で何度も何度もなぞっていた。


「でも仕方のないことだから割り切っちゃうことにしたの。両親のことも大好きだし、古ぼけた建物だけれど、素晴らしい自然の中にあるあの旅館のことが、子供の頃から大好きだったから」


「そうなんですか・・・」


 ほとんど初対面に近い亮子さんから、いきなりこんなにディープなことを聞いてしまったのだけど、何故か不思議と違和感がなかった。

むしろずっと前から知り合っていた者同士のような親近感すら感じていた。


 彼女の優しさや人の良さを感じれば感じるほど、自分の自分勝手な部分が見えてくる。彼女はここまで僕に話してくれているのに、僕は相変わらず肝心なことは心を閉ざしたまま。


「亮子さん・・・あの・・・」


「何?良美ちゃん?」


「私は本当は、あの、その・・・」


 そこまで言いかけて僕はそれ以上言えなくなってしまった。言おう言おうと思っても言葉が言葉にならない、喉から声が出てこない。何故だかまた涙が氾濫を起こして、彼女の姿が揺らいでよく見えない。


「良いのよ、良美ちゃん、無理しなくても」


そう言うと彼女は優しく僕の肩に手を置いた。


「人には時として言えないこともあると思うの。何かを人に言ったから偉いとか、どれだけ人に打ち明けたから信頼しているとか、人と人の間ってそんな物じゃないと思う。だからね良美ちゃん」


そう言いながら彼女は僕の手をそっと包み込んだ。


「言えないことがあっても良い、あなたはあなたのまま正直な気持ちのまま居てくれたらいいかなって思うわ」


 僕はまた映画館の時のように泣いてしまった。

一体僕はどうしたんだろう?どうしてこんなに簡単に泣いてしまうのだろう?どうしてこんなに簡単に心が震えてしまうのだろう?


「そのうち笑顔で言えるときが来るかも知れない。ね?」


お陰で亮子さんから貰ったハンカチは大活躍だ。


 それから僕が泣きやむまでの間、亮子さんは静に黙って待っていてくれた。

なんだか今日は本当に格好悪いところを見せてばかり居る。でも彼女はそんな僕のことを温かく見守っていてくれた。

僕にはそんな彼女の存在が本当に嬉しかった。


 そんなこんなで色々あったけれど、僕達は本当に仲良くなった。喫茶店を出てからも二人で街を歩き、色々なところに顔を出し、さざめくように二人で笑い転げた。


 だから夜になって、用が有るから帰らなくてはならないといった亮子さんの言葉がちょっぴり恨めしかった。


「また会えます?」


僕がおそるおそる聞くと、彼女は満面の笑みをたたえて言った。


「もちろん!」


 それで僕はスマホのアドレスを教えてくれるように彼女に頼んだ。本当は番号を交換したかったのだけど、週末しか女の子で居られない僕にはそれは無理な話だった。

しかし彼女はそんな僕のわがままを何も言わずに笑顔で受け入れてくれた。


二人で電車に乗り、同じ駅まで行き、そして別々の方向に分かれる。


「さようなら、今日はとっても楽しかったわ」


と彼女。


「今日は色々ありがとうございました。私も本当に楽しかったです。さようなら」


と僕。


 僕はなんだか名残惜しくて、彼女が歩み去っていくのを見えなくなってから初めて自分の家に向かって歩き始めた。


「ただいま」


 玄関の扉を開け、誰もいないところに思わずそう言ってしまう。子供の頃からいつもそうしていたので、今でも自然に口にでてしまう。


 夕食は簡単に済ませ、のんびりお風呂にはいる。色々歩き回って、映画を覧て、亮子さんと本当に沢山の話をして楽しかった。


 そして僕は、なんだか今の自分の心がかつて無いくらいに軽く、心地よいことに気がついていた。こんな経験は恋人と付き合っていた時にも感じられなかったことだった。

不思議、この一言に尽きるのかも知れない。


 お風呂から出るとなんだか自然にまぶたが下がってきた。無理せずに今日はもう寝ることにする。何時だろう?スマホを見ると未だ十時前くらいの時間だった。


「あ・・・、メール」


亮子さんからだった。


「お休み」


その一言だけだったけれども、僕には例えようもなく嬉しかった。


「お休みなさい」


 そうレスを返す。灯りを消す、暗闇が優しく僕を包んでいく。ほっと幸せのため息を小さくつき、僕は眠りに落ちていった。



前書きであんなことを書きながら、はたして私はどこいら辺まで来ることが出来て居るのだろうか?千里の道も一歩から、とにかくボチボチ行こか。

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