サニー3
『葬送のフリーレン』は、原作者と絵師が別れた…今時のスタイルの漫画である。
原作者の山田鐘人先生は、やはり、今時の作家らしく、生年月日などの情報は無い。
2009年からの活動がヒットしたけれど、年齢が分からないと、物語をどう考えていらしたか、考察するのは難しいと考える。
が、多分、私より年下で、友達が1人、1人とこの世を去るのを経験するのは、多分、これからなんだと思う。
私には…あんな設定の話は…辛くて書けないと思う。
そして、向き合いたいものも、視点も違っている。
私にとって死は、確実にやって来るもので、消えるものより、残るものに気が行くのだ。
そして、登場人物の寿命と考え方に混乱する。
昔から、寿命が違う種族の混ざる話はあった。
で、昭和では、人を長命種として、昆虫や、ペットと比べて話を進めるのがテンプレだった。
が、フリーレンは違う。
細かい事を気にしないし、パーティーメンバー以外の人間関係が見えてこないから、理解できないことも多い。
が、今時は、これくらいエピソードを縮小するのが好まれるのかもしれない。
ゲーム由来のファンタジーは、壁の向こうは…何もないのが当たり前なんだろうか?
それにしても、寿命の違いをどう表現するべきか。
そう考えながら、自分の作品を読み返していて、私もまた、フリーレンであることに気がついた。
この5年で、私もまた、沢山の人間の物語に触れ、そうして、彼らを見送っているのだから。
逆に、主人公の1日に2年の歳月をかけた作品もある。
確かに、そう考えるなら、私も登場人物に情はあるが、素っ気なくもあり、わからない事も沢山ある気がしてきた。
サニーの物語は、雑誌と、私の人生の総括の物語で、持ち合わせた本の始末と総括の物語でもある。
と、するなら、私はサニーであり、旅につれて行くゲストは、若い読者の象徴でもある。
私の思い出は…好きだった物語は、受け継がれるのか、消えるのか…
そう考えると、話が始まる予感がする。




