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99.温泉ワクワク大決戦



 俺の家に、神的な猫がきた。

 しかも、子猫を連れてきた!


「みゅー」「みゅみゅー」「みゅーん」


 親猫は、こないだきたやつと同じだ。

 俺の前までやってくると、ぺこりと頭を下げる。


『先日は世話になったな』

「はあ……今日はどのようなご用事で?」

『この子らにも神気しんきを分けてほしくてな』

「しんき……?」


 なんだそりゃ……?

 初めて聞く単語だ。


 しかも、【も】ってなんだよ。


「分けようにも、神気しんきなんてもんは持ってないぞ?」

貴君きくんから漏れ出るその不思議な力のことだ』

「俺から漏れ出る……? そんな物でてるか?」

『ああ。泉のごとく、こんこんと湧き出ておる』


 ぜ、全然わからん……。


「魔力のことか?」

『まりょく?』

「魔法を使うときの力だ」

『まほー……? 呪術とは違うのか?』

「違う……と思う」


 そもそも呪術がなんなのかしらんしな。

『ままー』『まみー』『おかあーさーん』


 そのとき、見知らぬ幼女×3が現れた……!


「だ、誰!?」

「か、界人かいとさんが急に現れた見知らぬ幼女たちと戯れてるっす!」


 JKなぎがびっくり仰天してる。

 猫耳幼女×3が、俺の足にしがみついてスリスリしている!


「誰だこいつら!?」

『おお! もう人化を覚えたか。やはり貴君きくんから発する神気しんきは、凄まじいな!』


 猫耳幼女たちが、俺の足にしがみついて、スリスリしながら言う。


『いいにおいー♡』『このひとのそばとてもここちよーい♡』『からだぽかぽか~♡』


 わあわあ、と幼女たちが騒ぎ出す。


「どういうことだよ……えっと……」

『われは金猫。この子らの母だ』


 神的な猫……金猫が俺を見上げていう。

 この幼女たちは神の娘ってことか。


『神としての格、神格があがったようだ。貴君のおかげだ』

「俺何かしました……?」

『貴君より漏れ出るその神気しんきが、子供らに良い影響を与えたようだ』


 は……はぁ……?

 なんか知らないが、俺は神気しんきってパワーを無料で垂れ流しているらしい。


 それが神の子供らを成長させた……ってことか。


『人の体でそれほどの神気しんきを放つなんて。貴君はもしや……神の生まれ変わりか?』

「正真正銘人間ですよ……」


 多分。


『だとしたら、規格外だ。人間でここまでの神気しんきを発する存在はいない。今まで見たことがない』

「そうなんすか?」

『うむ……太古の昔にも、貴君同様に高い神気しんきを持つものはおった。が、ここまではいかなかったな』


 神が言うんだったら、そうなんだろう……。


『ここは良いな。神気しんきに満ちあふれ、緑豊かで静かだ。気に入った』


 気に入らないでくれ泣。

 頼むから俺の平穏のじゃまをしないでくれ。


 金猫は俺を見て、ぺこっと頭を下げる。

『子供らに力を分けてくれたこと、礼を言う』

「いや……俺マジで何もしてないんだが」

『貴君は生きてるだけで、神によい影響を及ぼす力を持つ、ということだ』


 なにそれ……。

 神にとってのマイナスイオン発生装置ってこと、俺が?


『ありがとー』『おにいちゃんありがとー♡』『これおれー』


 ……猛烈に嫌な予感がした。

 子猫たちは俺に、小判×3を渡してきた……!


 これあれじゃん!

 100万×5、アラブ石油王を呼び寄せた、幸運の小判じゃん!


「いらん!」

『『『ばいびー』』』


 ああ! 消えやがったちくしょう!


 俺の手元には、小判が3つ。


 ぱきん、ぱきん、ぱきん。


「ああ、もったいないっす……!」


 なぎが残念そうにつぶやく。


「いいんだよ、あれのせいで、またトンデモない幸運を引き寄せたらいやだろ」


 ごごご……。


「でももったいないですってー。もってるだけで大金もちっすよー?」


 ごごごごごご……。


「金は必要な分だけあればいいんだよ」


 ごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごご……。


「な、なんか変な音しないっすか?」

「ああ、なんだ……?」


 音のする方へと向かう。

 庭の地面が、黄金に光っていた。


 ……やな予感。

 ちょー、やな予感。


 地下より、一歩、前に足を出す。


 ブシャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!


「なんか吹き出たー!?」

「! 界人かいとさん! これ……お湯っす!」

「お湯だとぉ!?」


 振ってくる雫に手を差しだす。

 たしかに……あったかい……。


『おお、主よ。これはアニメで見たぞ。温泉ってやつだな。いつの間に掘ったのだ?』

「いやいやいや! 勝手に噴き出してきただけだ!」

『ほほぅ。なるほど、偶然温泉が噴き出したってことか』


 偶然……。


 まさか、これも……あの小判の力!?


「いやでも小判は砕いたはずだぞ!?」

『ここで残念なお知らせがあるぞ、主よ』


 フェリがにまにま笑いながら言う。


『主は小判を破壊しただろう?』

「あ、ああ……」

『その際に、小判に込められていた神の力が、おぬしの体の中に入っていったぞ?』

「な、なんだって……!?」


 つまり……。

 俺はあの小判×4分の、神の力を吸収したってこと!?


『運+9999が、4つぶん。ともなれば、偶然にも質の良い温泉が噴き出すくらいは起きるわな。さすが主だ』

「いらねえよ露天風呂なんてぇえええええええ!」


 ……結局、お湯の勢いが収まったのは、数時間後のこと。

 その頃にはすっかり、家に露天風呂が完成してたのだった。


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― 新着の感想 ―
[一言] マイ露天風呂なんて、俺ら庶民の年寄りの憧れやぞw 贅沢言ってんじゃねー
[一言] 家に露天風呂ええやんw
[気になる点] これさぁ、神様の湯治場になったりしやしませんかね? 今に顔無とか湯婆婆とか現れたりしやしませんかね?
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