表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/241

78.庭で肉を焼いて食う



 俺、飯山界人。財布を届けたら美少女から告られた。


「なんだったんだよあれは……」


 諸々の騒動が収まった後、俺は現実の庭でひとり、肉を焼いていた。

 キャンプギアである、折りたためる椅子と、バーベキューセット。


 適当に肉を焼いて、適当にビールを飲む。


「あるじよ! やばいなこのにく! うっまうまうっまうまだぞ!」


 人間姿のフェリが、ぶんぶんと尻尾を振りながら、肉にかぶりついてる。


「なんという肉だ! 美味すぎるぞ!」

「シャトーブリアンだってさ」

「気に入った! 気に入ったぞシャトーブリアン! 柔らかくて美味すぎてやばいぞ!」


 美味すぎるのか、語彙力が解けていた。

 さて。


 どうしてシャトーブリアンなんて高い肉があるのか。

 話は少し戻る。


『あたしと付き合って!』


 喪服女はそう言ってきた。返事する前に……。


『ちっ! 公安の犬が。じゃあねダーリン♡ また来るよ~!』


 ぱちんと喪服女が指を鳴らすと、一瞬で消えた。多分時間を止めたんだろう。

 そこへ、白髪トレンチコートの、公安の刑事、無一郎君がきた。


 いろいろと説明してくれた。どうやらさっきの子は、公安がマークしていた練能力者れんのうりょくしゃ(※逆異世界転生者)で、凄腕の殺し屋だったらしい。

 殺し屋がなんで俺んちに……? 目的は俺を殺すことだと無一郎君は言っていた。

 けど、別に俺は何かされた訳じゃあないし、何かしたわけでもない。


 だからあの子に対して殺意とか、害意は覚えない。ああそうって感じ。

 てゆーか、前の分断者ディバインダー? とかいうやつもそうだけど、敵の殺し屋に命を狙われたことないんだけどな(困惑)。いつ狙われてたの? みたいな。


『このたびは僕が見張っていながら、殺し屋の侵入を許してしまいました。これはお詫びです、お収めください』


 といって、最高級牛のシャトーブリアンを、山ほどもらった次第。


「どっちかっつーと、公安が勝手に近くをうろついてたほうがいやだったんだけどな……」


 シャトーブリアンを適当に焼いていく。

 フェリはものすごい勢いで食べていく。


「こんなおいしい肉を、毎日たくさん食べれるなんて! 主の下僕になってよかったー!」

「はあそう……」

「む、なんだ元気ないな。どうしたのだ?」

「いや……なんか知らないうちに、面倒ごとに巻き込まれてるなって」


 なんだよ組織の殺し屋って。なんだよ能力者って。

 ここ令和の日本ですよ? 小説やアニメの世界じゃあないんですよ?


「そんなものに、平穏を乱されたくないんだよなぁ……」


 異世界でも、ブレイバ君たちにマークされてるし、こっちでも、なんか知らぬ間に公安と殺し屋にマークされてる。


「のんびりさせてくれよ。俺は平凡な男だぜ?」

「ふはは!」

「え、なに?」

「いや、主が珍しく面白いギャグをかましてるなぁと」

「ええー……ギャグじゃないんだけど?」


 まあいいや。のんびり肉を焼いて食べる。うん、おいしい。

 そうだよ、これでいいんだよ。異世界で楽に大金を稼いで、おいしいものを現実で食べる。美味い。こういう生活を老後までずうっとしていきたいんだよ。


 殺し屋とか、練能力者れんのうりょくしゃとか、なんとかかんとか、って、そういうのはお呼びじゃあないんだよ。


「はーあ。せめて殺し屋組織、潰れないかなぁ」


 日本警察は無理だろうけども、そのよくわからん組織は、日本社会に不必要なもんだもんな。


「お、なんだ、潰すか?」

「いやいや……そんな物騒なことしないよ」

「主なら、隕石魔法で一発ではないか?」

「日本で魔法なんて撃てるわけないだろ。余波で大変なことになる」

「ふむ……めんどうだな」


 ねー、めんどうなのよ。ったく。


【★新作の短編、投稿しました!】


タイトルは――


『聖剣学園の特待生は真の力を隠してる(と思われてる)~聖剣を持たない無能と家を追放された俺、大賢者に拾われ魔法剣を極める。聖剣を使わない最強剣士として有名になるが、使わないけど舐めプはしてない』


ページ下部↓にもリンクを用意してありますので、ぜひぜひ読んでみてください!

リンクから飛べない場合は、以下のアドレスをコピーしてください。


https://ncode.syosetu.com/n2573ia/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 婆ちゃん、公安嫌いだってよ?下手したら逆側に孫が行っちゃいますよ、
[良い点] 面白い。 主人公たちが強いから安心して読める。 [一言] 急に力を得たからまだまだ一般人の感覚が抜けないのだろうな。
[一言] バカな殺し屋がやってきて神の逆鱗に触れるような気がするわ〜。w
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ