表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/241

73.停止者VS異次元者(決着)



「はぁ! はぁ! はぁ! なんだ! なんなんだよぉおおおおおおおお!」


 長野の山奥を、必死になって逃げる人物がいた。

 それは先ほど、ダミーを使って逃げおおせた、変身者トランスフォーマー……。


 ……ではない。

 彼を下した喪服の女……レートSの練能力者れんのうりょくしゃ停止者ストッパーだ。


「ありえない! なんだあいつは! どうなってるんだよぉお!」


 停止者ストッパーは、逃げていた。敗走していた。そう、負けたのだ。

 誰に?


 ……異次元者アンノウン

 つまり、飯山界人いいやまかいとにである。


 経緯を話そう。

 彼女は自身の能力を使い、誰にも気づかれることなく、異次元者アンノウンの家に潜入する……はずだった。


 しかし、入って一瞬で、異次元者アンノウンとばったり出くわしたのだ。


「嘘だ! こんなの夢だ! ありえないんだぁ……! きゃあ……!」


 停止者ストッパーはかわいらしい声を上げて蹴躓く。

 彼女は顔面から地面に倒れる。


「いっつぅ~……」

「大丈夫か?」

「ああ、だいじょ……お、あああああああああああああああ!?」


 停止者ストッパーの表情が恐怖に染まる。

 手を差し伸べてきたのは……。


 自分が、逃げてきた相手。

 界人……異次元者アンノウンだった。


「なんで!? なんであんたがここにいんだよ!? 完全に撒いたはずだろぉ!?」


 界人は不思議そうな顔をして首をかしげた。

 ……いや違う、と停止者ストッパーは首を振る。


 あれは、自分を見下しているのだ。

 レートSなんぞ、レートSSSの自分にとっちゃザコだと。


 怒りが、恐怖を塗りつぶす。己を鼓舞して、再び能力を発動させた。


「くそがぁ……!」


 停止者ストッパーは指を鳴らす。その瞬間、世界は静止した。


 彼女……停止者ストッパーの能力は、時間を停止させる。

 この世界に存在する、あらゆるものの時間を止める……はずだった。


「怪我してないか?」

「なんでうごけるんだよぉおおおおおおおおおおおおおおお!?」


 界人は平然としゃべりかけてきた。さっきもそうだ。

 時間を停止させ、屋敷の中に入ったはずだった。


 ドアを開けると、そこには界人が立っていたのだ。


「どうして!? なんで、なんでええええええ!?」

「ちょ、落ち着けよ君。どうしたの?」


 ……なぜ界人に能力が効いていないのか。

 簡単な理屈だった。


 世界魔女ラブマリィのもとで、魔導書を読んだ界人は、無数の魔法を身につけている。

その中の一つに、【反魔法アンチマジック】というものがある。


 魔法を無効化する魔法だ。

 練能力者れんのうりょくしゃ……つまり逆異世界転生者の異能力は、スキル、あるいは魔法のいずれかが元になっている。


 停止者ストッパーの能力は、時間停止という、異世界に存在する古代魔法のひとつだ。


 だが、魔法であれば、反魔法が通じる。

 さらに界人は、彼の動作全てに魔法が宿る。


 界人は、【魔法攻撃を受ける】という外部からの刺激に対するリアクション動作として、無自覚に【反魔法】を発動させたのだ。


 結果、世界の時間を止められても、界人は普通に動いていられるのだ。


 だが停止者ストッパーからすれば、そんな理屈は知らない(※界人も知らない)。

 自分だけの世界で、他者が動いているというイレギュラーを前に、停止者ストッパーは恐怖するしかなかった。


 無敵の能力があるからこそ、停止者ストッパーは不遜な態度を取っていられた。最強と自称できるほどの自信があった。

 けれど、その自信が打ち砕かれ……。


「あ……」


 ショックのあまり、停止者ストッパーは気を失い、そして……失禁したのだった。 


【★読者の皆様へ お願いがあります】


ブクマ、評価はモチベーション維持向上につながります!


現時点でも構いませんので、

ページ下部↓の【☆☆☆☆☆】から評価して頂けると嬉しいです!


お好きな★を入れてください!


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ