68.めんどうなのでトンヅラ
俺はレトルトカレーを振る舞った。
そのカレーには魔法が付与されていた。
どうやら俺の行動には魔法が宿る、らしい。
魔法使いのカリスちゃんは、大変参考になるわ! と言っていた。
で、これが俺のレクチャー的な扱いになってたのだ。そんなつもりは一切なかったのだが……。
話はその日の夜。
ブレイバ君たちはテントに入って寝入ってる。
俺とフェリは、たき火を囲っていた。
「して、これからどするのだ、主よ?」
フェリが俺の隣で、ホットココアを飲んでいる。
この子、苦い物は嫌いらしい。コーヒーは駄目だというので、ココアを出したのだ。
「どうするって……」
「このままあやつらのマスターを続けるのか? ん?」
「そんなわけあるかよ」
俺は誰にも縛られない生き方を望んでいるのだ。
あの子らを邪険にするつもりはない。でも優先順位でいえば、俺の自由な生活を守るほうが上だ。
「では?」
「このままトンズラする」
「逃げるのか?」
「うん。痕跡を残さずに」
ブレイバ君達には悪いけど、このままつきまとわれても困るだけだ。
俺はキャンプ道具を片付ける。
「まあ……いちおう結界だけは残しとくか」
あいつら無防備に眠っている。このあいだにモンスターに食われたとなったら、俺の寝覚めが悪い。
ゆえに俺は、あいつらのテントに防御の結界を張っておいた。
「なんだかんだマスターしてるじゃあないか」
「うるさいな。もうこれきりだ。もう関わらん。絶対だ」
こうして、俺はブレイバ君達を置いて、逃げたのだった。
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