表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/241

61.何もしてないのにキャアキャア言われる(困惑)



 イージスにゲェムボゥイをプレゼントした後。

 俺は、世界扉ワールドドアを使って王都へ向かった。


 こないだ勇者ブレイバくんと決闘し、防具とか諸々をゲットした。

 でもなんか年下からカツアゲしたいみたいで、とてもダサい。


 でも 換金しちゃったので、俺は新しい防具類を作った。

 で、それをブレイバ君に渡しに、王都に来たんだけど……。


「賢者様よ!」「紅の賢者様が王都に来てくださったぞ!」「きゃあ! かっこいーーーーー!」


 ……王都に着た途端、王都民たちに一斉に取り囲まれた。

 みんなから好奇のまなざしを向けられ、黄色い声援を浴びせられる俺。


「な、なんだぁ?」

「随分と人気者になったのだな、我が主よ」

「いやなんで? 俺何かしちゃいました?」


 人間に戻ったフェリに尋ねるも、彼女はわからないとばかりに肩をすくめる。

 ええい、どうしてこうなった。誰か説明をしてくれっ。


「通してください! ああ! 賢者様!」

「クゥジョー!」


 人混みをかき分けて近づいてきたのは、翼を生やした商人のクゥジョー。

 銀鳳ぎんおう商会っていう、でかい商業ギルドの、トップをやっているやつだ。


「再び王都に来てくださったのですね!」

「あ、ああ……ちょっとこの騒ぎなんなんだよ? 説明してくれ」


 一瞬クゥジョーはきょとんとした顔になるも、直ぐに得心がいったようにうなずいて言う。


「わかりました。ご説明いたします。場所を変えましょう」

「たすかる」


 ということで、俺はクゥジョーに連れられて、銀鳳ぎんおう商会のギルドホールへ向かう。


 道中……。


「賢者サマー!」「こっち向いてください!」「きゃー! すてきぃ!」「抱いてぇ!」


 ……と名前も顔も知らない王都の民たちから、キャアキャア言われまくった。

 な、なんなん? これ……。


 俺何もしたつもりないのに、どうして好感度マックスなわけ?

 むしろびびる……というか引くわ。


 やがて、クゥジョーのギルドへ到着する。

 立派な石造りの建物だ。


 中に入ると、一斉に俺に注目が集まる。またか。


「賢者様!」「紅の賢者様!」「いらっしゃいませ!」


 たしかに俺は紅のローブを着ている。これは、万里ばあちゃんからのプレゼントの品だ。

 だから捨てることができず、異世界に来たときは着ている。鎧にもなるらしいし。


 しかしさっきから紅の賢者、賢者……って、もしかして……。


「俺のこと……?」

「「「そのとおりです、紅の賢者様!」」」


 んー……何か前にもこんなことあったような……。

 ま、いいや。忘れたってことは重要じゃないってことだろうし。


 クゥジョーによって俺はものすごい豪華な部屋に通された。


 客間……じゃなくて、ギルマスの部屋らしい。

 なんかふっかふかの豪華なソファに座らされた。なんだこの好待遇……。


「カイト様。あなた様は今、とても人気がおありなのです」

「まあ、なんとなくわかってたけど、なんで?」


 するとクゥジョーはこんなことを言った。


「勇者様の導き手……紅の賢者として!」


 ………………はぁ?

 勇者の、導き手ぇ……?

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ