24.神漫画家の腕を手に入れたぞ
女子高生漫画家をテイムした。
その翌朝も、テイムしていた。
「すげえ……全然疲れない」
現実の俺の家にて。
俺の隣で満足そうに眠る、裸のJKが二人居た。
おととい、俺は漫画家のなぎをテイムした。
麗子が嫉妬してしまい、彼女もまたテイムしてくれと言ってきた。
俺はそんな連続して無理だと思ったんだが、麗子からコピーしたスキル、絶倫のおかげで、できた。
どれだけテイムしても疲れないし、また枯れないというスキルだった。
また、JK2名を抱いたことで、さらに【精豪】をゲットした。
労せず女の弱点を見抜き、満足させることのできるスキルだ。
「マジですげえな、まれびと……」
異世界のまれびとの称号は、すごい。
成長速度に補正がかかる。通常ものすごい頑張って手に入れるスキルを、あっさりと入手できるのだから。
ということで、絶倫、精豪のおかげで俺はJK二人を相手にしても、全然余裕だった。むしろ元気ありあまってるくらいだ。
「くくく……朝からお盛んだのぉ」
フェンリルのフェリが、俺の寝室に入ってきた!
どきっとしたがすぐ、スキル明鏡止水が発動する。
「おまえなぁ……まだ服を着てないんだが」
「別によいではないか。衣服なんぞ皮膚の延長じゃ」
そんなことは断じてないのだが。
しかし毛皮でつつまれた状態で生まれたフェンリルからすれば、服に対する認識は、そんなもんなのかもしれない。
こいつ人間の姿になっても平然と全裸で出歩いてるからな。
「で、何しに来た?」
「吾輩は腹が減ったのだ」
「冷蔵庫の中は?」
「もうない。貴様らが二日間もお楽しみで、こちらは味気ない食事ばかりであきたぞ」
夢中になってて飯も忘れていたようだ。
フェリには悪いことをした。
「いいからさっさと馳走を用意せよ! ひさしぶりに主のご飯が食べたいな♡」
ということで、俺は飯を用意することにした。
だがフェリがめしめしとぐずったので、早めに作れるものを用意する。
「ぬ? なんじゃこれは?」
「カップ麺」
「ほぅ! また見たことないものを!」
テーブルの上にはお湯を注いだカップ麺。
フェリが顎を乗っけて、尻尾をくねくねと動かす。
「まだかのまだかの!」
「もうちょい」
待ってる間暇だった。ふと、テーブルの上にメモ帳とペンが置いてあることに気づく。
なぎの私物みたいだ。そういやアイディアをまとめるときによくメモしていたな。
ペンを手に持ってみる。
「主はこれからどうするのじゃ?」
「んー。別になにもしないけど」
かりかり……。
「前にも言ったが俺は別に目立つつもりもないし、英雄になるつもりもない。現実でも異世界でも」
かりかり……。
「しかしそうすると暇だろう?」
「まあな、そこは……まあ暇つぶしに趣味を始めてみようかなって」
かりかり……かきかき……。
「趣味のぅ。何かあるのか?」
「いや別にないけど……これから探そうかなって」
「ふぅむ……む? 主よ、さっきから何を書いてるのだ?」
フェリに指摘されてはじめて、俺は手元を見やる。
会話しながら適当に手を動かしていたのだ。
ほら、電話してるときによくあるだろ、変な絵を描いてるあれ。
……って!
「なんだ……これ……」
「ほぅ! 見事な絵だのぅ」
メモの上には、そりゃあもうびっくりするくらい、きれいな絵ができていた。
繊細なタッチ、デフォルメは少し効いてるものの、これが何を書いてあるのか十分伝わる。
フェリが言うように、見事な絵だった。
「俺……全然絵、へただったのに……」
「あの女どもをテイムして手にいれた力ではないか?」
「! そうだった。鑑定!」
■画業(A):思い描いたイメージ通りの絵を映し出すことができる。また、漠然としたイメージからでも自動で絵を完成させることが可能。
なぎからテイムして得たスキル、画業の力みたいだ。
「しかしこれは……なかなかにエロスだのぅ」
俺が紙に書いたのは、JKたちとやってる男の姿だった。
どうやらこないだのテイムした場面が、頭に残っていたらしい。
「しかし……これ、全然食ってけるぞ」
会話してるときに、別に集中して絵を描こうと思っていなかった。
適当に手を動かしていて、これなのだ。
……俺は試しに、絵を描いてみようと思った。
今、世界で大ヒットしているライトノベル、【デジタルマスターズ】の主人公を頭に思い浮かべる。
すると手がすさまじい速さで動いて、紙の上に、主人公の絵が出現する。
「おお、これもまた見事な」
「すげえ……これがあれば、俺も漫画家になれるじゃないか」
漫画家。それは、俺が一度諦めた道でもある。
元々は漫画家になりたかった。でも絵を描く才能が無かったから、あきらめて、出版社に就職した。
しかしそれがどうだ。今俺は、労せずすごい絵が描ける。これなら……漫画もかける。
「ま、暇だし……やってみるか。漫画描き」
「それがよいだろう。ところで主よ、これをどうやって食べるのだ?」
作りっぱなしのカップ麺を、フェリが指さす。……しまった、食べるのを忘れていた。
中にはすっかりとびろびろに伸びた麺が入ってた。
「すまん、失敗だ」
「む? そうか? でも……ずるずる……美味いぞ」
伸びきった麺をフェリが食べる。手づかみで麺を口に入れてうまうましていた。
食文化の劣っている異世界からすれば、伸びた麺でも十分うまいらしい……が。
「すまん、新しいカップ麺……いや、無かったな」
ちょうど買い置きのカップ麺がなくなってしまったところだ。
買いに行くか……いや、待てよ。
「たしか、ばあさんの家にあった魔道具のなかに……」
俺はアイテムボックスに入れ置いたアイテムを取り出す。
■落書天国(S)
描いた物を具現化する不思議な手帳。手帳と同じサイズのものしか具現化できないし、絵の上手い下手が具現化精度、具現化時間に関わってくる。
少し大きめのメモ帳。それにペンがセットになっている。
これは書いた物を具現化する魔道具だ。
俺はカップ麺を、頭の中に思い描く。
画業のスキルが発動すると、メモ帳には精密なカップ麺の絵ができていた。
ぱぁ……! と手帳が輝くと、テーブルのうえにカップ麺が出現した。
「おおー! さっきのやつではないか!」
「ああ……すげえぞこのコンボ。手帳サイズしかできないけど、これなら無限に物を作れる」
もっとも、具現化できる時間には限りもあるみたいだな。
ずるずる……とフェリが俺の作ったカップ麺をうまうまと食べる。
しかしこのコンボなら、万物創造の魔法を使わずとも、何でも作れるってことか。すげえ……。
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