238.パンケーキ
トゥアハーデちゃんのために、甘いものを作ってあげる。
「準備できたぞー」
俺はホットプレートを、客間に出す。
そんで、ボウルの中には、白い液体がこんもり。
ホイップクリームをしぼるやつとか、カットフルーツとか、いっぱい用意。
「さ、焼くぜ」
『おお! なんだ、肉か? 焼肉かっ!』
フェルが目を輝かせていう。
そういや、焼肉の時も、このホットプレート使ったっけ。だから、フェルは肉を焼くって思ってるようだ。
でも、違う。
「甘いものっていったろ?」
俺はホットプレートの上に、液体をとろぉっと垂らす。
ぶつぶつと、ふっとしてきたら、ひっくり返す。
そんで、ついかの液体を加えて、さらにひっくり返して待つ。
んで、焼成したそれを、4、5枚と重ねれば……
「ふぉおおお♡なんだこれはぁ!」
「パンケーキです」
ただのパンケーキではない。
ふわっふわに焼いた、パンケーキだ。
それを五つ重ねて作った、パンケーキタワーである。
「この上にはちみつ! ホイップ! そんでカットフルーツ!」
甘いものに、甘いものを重ねがける。
トゥアハーデちゃんの目が、まるでよく晴れた夜空のように輝いていた。
「さ、めしあがれ」