218.天使トゥアハーデ
俺の家にやってきた天使ちゃん。
「あんた名前は?」
「もぐもぐ……もうしおくれました……もぐもぐ……私はトゥアハーデ。大天使トゥアハーデと申します……もぐもぐ」
「トゥアハーデ……ね。言いにくいから天使ちゃんでいい?」
「もぐもぐ……もう一個くれるのでしたら……」
「はい、どうぞ」
「もぐもぐ……許可しましょう……もぐもぐ……天使ちゃんと呼ぶことを……もぐもぐ……」
トゥアハーデこと天使ちゃんが、焼き芋食べながら言う。
なんというか、めっちゃ……あれだな。
「よく食うね、天使ちゃん……」
俺が作っておいた、10……いや、15くらいの焼き芋を、凄い勢いで食べていた。
「し、仕方ないじゃないですか……天使となってから今日まで、食事を必要としない体だったところに……このような美味なる芋を出されてしまっては……!」
久しぶりに美味いものをくって、はまったってことか……。
「芋ばっかりで飽きない?」
「そうですね。少々、味に飽きてきました。まだまだ食べられますが」
まだまだ食べられるんかい……。
「実はバターがよくあうんすよ」
「バター? パンに付けて食べるのではないのですか?」
「ああ」
そういって、俺はバターを焼き芋に塗りたくる。
とろ……とバターがとける。
「ごくり……」
天使ちゃんが生唾を飲む。
「フェル~。ごはん」
ひょいっ、と俺はフェルにバターを塗った焼き芋を投げる。
ばくっ!
『うまい! うますぎる! 塩気が加わったことで、甘さが引き立つ!』
「ご、ごくり……」
よしよし、天使ちゃんが興味を引かれているぞ。
「うぉっほん! 人間」
「なんすか?」
「私にもそれをよこしなさい」
「よこしなさいぃ~?」
うぐぐぐ、と天使ちゃんがうなる。
「……その、欲しいです」
「そうかい、ほしいのかい。で?」
「……だからその、く、ください……」
「ほいよ」
俺はバターを塗った焼き芋を渡す。
むしゃっ!
「な、なんですかこれは!? バターを塗っただけなのに! 甘さが! 何倍にも上がっています! 不思議です! 塩っ気が甘さを引き立てるなんて! これは新発見です!」
むしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃ!
『くっくっく……墜ちたな』
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