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214/241

214.理由



 空から天使が降ってきた。

 で、俺の張っていた(無自覚)結界にぶつかって、気を失った。


 なんなんだろうね、この子。

 白いワンピースに白いはね。まさにザ・天使ってかんじ。


 外見年齢は10代後半くらいかな。

 ショートカットで、メリハリのあるボディ。

 武器らしい武器は携帯していない。

 武人ってかんじでもないんだよなぁ。俺を倒そうときたらしい(フェル曰く)が、こんな子がどうやって俺を倒そうっていうんだろうな。


「はぁ……次から次に厄介事が……」


 天使を放置しておくのが可哀想だったので、縁側に寝かせる。

 用件くらいは聞いてやろう。


 起きるまでの間ひまだったので、落ち葉を集めて焼き芋。

 芋は、うちの敷地にいつの間にかあった、家庭菜園から拝借した。


 なぎ曰く、突然畑が出現したそうだ。なんだそりゃ。

 フェルはそれを見て、『土地神がおぬしのために用意したのだろう』と推測を語った。


 土地神ってのは、この日本に住んでいる神々のこと。

 そいつらは俺の庭にある露天風呂に勝手に入ってくる。その代金的な感じで置いてったのか……。


「って、そうだフェルよ」

『なんだ……じゅるり……まだか芋は』


 俺の隣でフェルが伏せ状態で言う。

 どうにもこいつは焼き芋を早く食べたくてしょうがないようだな。


 できあがるのにはまだ時間がかかる。

 それに、気になってることがあるので、聞いておく。


「土地神と神って違うの?」

『違うな』


「どう違うんだよ」

『天にいるか、地上にいるかの違い』


「天?」

『そう、天』


 フェルが頭上を見上げる。


『神は主に二種類居る。天に住まい地上の人間どもを管理するやつら。そして、地に住み大地を管理するやつら』


 ほぉん……。神様には種類があるのか。



『天の神は基本、地上には不干渉を貫いてる』

「え? でも天使やってきたけど」


『基本は、と言っただろう? 地上で看過できないレベルの異常事態が起きたときだけ、神は地上に使いを送るのだ』


 ……つまり、看過できないレベルの異常事態、って思われてる……ってことぉ……?


「俺が? なんで」

『自分がしてきたことを思い出せよ』


 あー……なるほど。

 いろいろやってきたからなぁ(遠い目)


『これだけ力を持ち、そして地上の人間たちから崇拝されている自称・神を、天は許さなかったのだろう』


「自称って。別に自分で名乗ってないし」


 周りが勝手に言ってるだけだしな。


「しっかし……今までよく見過ごされてきたな俺」


 ここに引っ越してきてから結構立つんだが?


『世界には何十億と人間がいるんだろう? その中の一人を見つけ出すのに時間がかかったんだろうよ』


 なるほどねえ……

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