210.シリアス終了RTA
日本がヤバいらしい。
「具体的に何をしようとしてるンです、殺し屋たちは?」
「どうやら異世界から……邪悪な竜を呼び出そうとしてるらしい」
……異世界からドラゴンを召喚……か。
「なんでわかったんだ?」
「見晴者が召喚魔法陣を確認したんだ」
練能力者にはそれぞれコードネームがあるんだそうだ。
見晴者とは、公安所属の練能力者で、千里眼の能力を持つらしい。
「かつて召喚し、日本を危機におとしいれた邪悪龍召喚の魔法陣と一致した」
……ん?
邪悪龍……?
『くっくく』
あ、フェルさん笑ってる。これは何かに気づいたようだな。
「フェル」
『なんだ?』
「何か気づいたんだろ?」
『まあな。くくく! だが……我は言わないぞ』
まーただよ。ったく。
しかし……フェルが笑ってるってことは、多分……俺の予想があってるってことだろう。
「邪悪龍が召喚されたらおしまいだ……」
「あー……あのさ、無一郎さん。多分だけど、邪龍は召喚されないよ」
「!? ど、どういうことだっ!?」
どういうことって……まあ。
「俺、それ倒したし」
「………………はひ?」
ぽかんとしてる無一郎さん。
「俺、向こうの世界にいたときに、倒したんだよね。その邪悪龍ってやつ」
「え? え? ……ええええええ!?」
無一郎さんが驚愕してる。
そりゃそうだ。
「し、しかし! 待ってくれ! たしか古文書によると、邪悪龍を倒した人間は強力な呪いにかかると」
「あ、うん。呪いかかりました。もう治したけど」
「えええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!?」
無一郎さんが唖然、呆然とする。
そりゃ、まあ。そうなるわな……。
「ふぇええ……じゃあ、ぼくの心配は、杞憂だったってことぉ~……」
「なんか、すんません……」