207.帰ってきたぞ!
やるべきことをやって、俺は現実へと帰還を果たした。
ラビリンとは森の外で分かれた。んで、俺は世界扉をくぐって、こうして地球へと帰ってきた次第である。
「は~~~~~~~~長かったぁ……」
久々に現実世界へと帰還したな。なんかもうずいぶんと異世界に居た気分だ。
もうしばらくは現実でスローライフ……と思ったがこっちはこっちで、俺、長野神なんつーあほみたいな名前の神として、あがめられてるんだよね……。
「どこにあるのよ、安住の地……」
まあ、こっちの信者どもは下手に神の社(※俺んち)に入ってこないから、いっか。
ここから出なければ、人と会うこともないし(神は来るけども)。
「あれ? なぎー? 悠乃ー?」
俺と一緒に暮らしてる、JKのなぎと、なぜか拾ってしまったハリウッド女優の悠乃が居ない。
「どうしたんだー?」
……すると俺の寝室のほうから、何やら艶っぽい声……否、あえぎ声が聞こえてくるじゃないか。
「フェルさん。様子を見てきてくれ」
『くく……良かろう』
一緒に世界扉をくぐってやってきたフェンリルのフェルが、ニタニタ笑いながら寝室へ向かう。
しばらくして、フェルが戻ってきた。
『主よ、面白いものが見られるぞ』
「あ、いいっす。見たくないっす」
どうせろくでもない事態が展開されてるんだから! 俺知ってるんだから!
『どうやら女どもは、さみしかったんだろうな。おまえ様の布団で自慰……』
「あーあー、もうわかった。理解しましたよ。はいはい」
どうやら二人にかかっていた、邪龍の発情の呪いが解けてない様子。
「解呪《ディスペル!》」
俺は扉越しに二人に、呪いをとく魔法をかけておいた。
現在、俺は邪龍の呪いを解いた状態だ。だから、解呪で元々かかっていた呪いをとけば、二人は元通りになるはずである。
解呪をかけたし大丈夫なはず。あとはちょっと時間をおくか。