200.闇の戦い笑
ついに闇の大精霊と相対した、俺。
闇の大精霊は、ほかの微精霊と違って、存在感を放っていた。
微精霊たちは、光の粒みたいな、ふわふわとした存在。
が、大精霊は姿がはっきりと見えてる。
山羊の頭を持った、人間。それが俺の大精霊に対する印象だ。
ミノタウロスの山羊版みたいな。
『貴様、魔神か!』
「いや、人間だよ」
『嘘つけ! 体から膨大な神気を漂わせ、闇の幻術をもろともしない人間なんていないのだ! そもそもあの幻術は人間には絶対に破れない仕組みになってる!』
「そ、そすか……なんかごめん」
多分幻術にすごい自信ありだったんだろうなぁ。
なんか申し訳ないことをした。
『オレの領域に土足で踏み入り、オレの部下である闇の微精霊どもを己の配下とした……。魔神、貴様の目的はズバリ、この闇の大精霊の領土を奪うことだなっ!』
「いや、違うが?」
別に領土とかどうでもいいし。
「俺はただ、呪いを解きたいだけさ」
『呪いだと?』
「ああ。暗黒の邪龍ってやつをたおしたら、なんか呪われてしまってな」
『な!? な、なにぃ!? 暗黒の邪龍を倒しただとぉ?!』
なんかめっちゃ驚いてる。
なんなん……?
『う、嘘だ……闇の神龍を……たおしたって……?』
「ああ。知り合いなのか?」
ぎりっ、と大精霊が歯がみする。
『オレは信じないぞ! 邪龍を討伐しただなんて! 封印されたあの龍をたおし、従えるのはオレなんだっ!』
どうやら大精霊さんは、俺が倒した邪龍を従える……ペットにするつもりだったみたいだ。
「悪いことしたな。どうすりゃ許してくれる?」
『許しなど要らない……貴様を今ここで倒す!』
ええー……なんでそうなるんだよ……。
「おちついてくれ。お互い言葉で会話できるんだ。話し合いで解決しようじゃないか。な?」
俺は別に大精霊を倒したいわけでないし。
しかし相手さんはやる気満々のようだ。
『おまえを倒し、証明する! オレが闇の世界のナンバーワンだとな!』
「いやいいよ、おまえがナンバーワンで」
『その余裕がむかつく! はぁああああああああ! 喰らえ! 【闇波動球】』
大精霊の手に漆黒のエネルギーがたまる。
きぃいいいいいいいいいいいいいん!
そして思い切り、波ぁ! を出すポーズを取る。
『ハァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!』
ドバッ……!
大精霊の手から放出されたのは闇のエネルギーの塊だ。
地面をえぐりながらこちらにすごい速度で飛んでくる。
ドゴォオオオオオオオオオオオオオン!
『ははは! オレが闇の世界でナンバーワンだぁ!』
「いやだから、ナンバーワンでいいよって言ってるじゃん」
『なにぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?』
なんか驚いてる闇の大精霊。
『ど、どうなってんだ!? 当たらなかったのか!?』
「いや、直撃受けたけど」
『じゃあなぜ生きてるんだ!?』
「さぁ……?」
波動球とやらが来ても、俺は特に恐怖を感じなかったのだ。
『よける間もないということか……くっ! 今のは小手調べだ! オレの波動球は、108式まであるのだ!』
そんなあるのかよ……。
『喰らえ! 2式波動球!』
ドガァアアアアアアアアアアアアアアアン!
「効かんが?」
『3式!』
ドガァアアアアアアアアアアアアアアアアン!
『4,5,6……10式波動球ぅうううううううううう!』
ドガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!
「効かんけど?」
『ちくしょおぉおおおおおおおおおおおおおお!』
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