表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/241

02.異世界への転移、チートスキル獲得

 俺、飯島 界人は、祖母の家で不思議な鏡を見つける。

 そこに手を触れた瞬間、気を失った。


 ……気づくと、知らない天井がそこにあった。


「なんだ……なにが、起きたんだ?」


 少なくとも、土蔵のなかじゃないってことはすぐ理解できた。

 雑多なものにあふれていた土蔵と違い、そこはベッド以外何もない部屋だった。


「はは、んな、馬鹿な……」


 脳裏に一つの可能性がよぎる。

 中学生の時に読んだラノベでは、鏡を通って、主人公は別の世界に来ていた。


 気づいたら土蔵とは別の部屋。これって、もしかして……。


「異世界に来た、とか?」


 いや、いやいや、どこのラノベだよ。

 いやでも、じゃあこの状況はどう説明するんだ……?


「と、とにかく情報集めないとな」


 俺は部屋の中を改めて見回す。

 木造の部屋だろうか。やたらと豪華なベッドが一つ。そして振り返ると……。


「あの、鏡だ……」


 ベッド後ろの壁には、土蔵で見つけた大鏡が置いてあった。

 鏡の向こうには、土蔵が映し出されている。


「これって、いったい……?」


世界扉ワールド・ドア:ランクSSS】


「うぉお!? な、なんだよこれ!!!」


 目の前に半透明の板が出現し、文字列が浮かんできたのだ!

 板には、この鏡の説明らしい文章。こんなの、まるでネット小説でよく見る、鑑定スキルみたいじゃないか……。


「鑑定スキル……なんか、聞いたような。気絶する前に……称号がどうとか」


 ここが異世界、である可能性が非常に高い。

 目の前に現れた半透明な板の文字通りなら、この鏡は世界扉。


 そんなものが現実にありえるわけない。

 ならば……。


「す、ステータス、お、オープン」


 すると、俺の前にまた、半透明の板が出現する。


~~~~~~

飯山 界人

レベル 1

称号 異世界のまれびと

スキル 鑑定、アイテムボックス、ステータス確認、等価交換


(1/2)

~~~~~~


 ネット小説おなじみの、ステータス画面だ!


「まじで異世界じゃん……すげえ」


 我ながら、あほな感想しか出てこない。いやだって、まじで来るとは思わないじゃん。


「さっきのは鑑定スキルの力だったのか……」


 俺はもう一度、世界扉を見やる。

 今度は、はっきりと。


「【鑑定】」


【世界扉:ランクSSS。世界を自由に行き来できる。なお、所有者以外は使用不可】


 ま、まじで? 世界を自由に行き来できるって……異世界と現実の日本とをってこと!?

 これ、リスクとかないんだろうか。いや、あるなら明示されてるだろうし……。


「ん? 所有者ってなんだ。この鏡の所有者って……俺のこと?」


 次に俺は称号を鑑定してみる。


【異世界のまれびと:世界扉を初めてくぐったものに贈られる称号。成長速度に補正がかかる。なお、この称号を持たぬものは世界扉を使用できない※例外あり】


 つまり、この鏡は俺にしか使えないってことか。

 例外ありってのがちょっと気になるな。


【例外:世界扉の所有者と、一緒にくぐることで、別の人間も異世界に来れる】


 あ、なるほど……やっぱり俺がいないとこの鏡は使えないわけか。

 ……だまっとこ。うん、悪用されたくないし。


 成長速度ってのは、お決まりだと能力値的なことだろうか?

 そういや、ステータス画面が(1/2)ってなっていた。


 2枚目もあるってことだろう。



 俺はステータス画面を表示する。

(多分この画面を表示できるのは、スキル【ステータス確認】のおかげなんだろう。)


~~~~~

攻撃力 1

防御力 1

魔法力 1

素早さ 1

運 999


(2/2)

~~~~~


 お、おお……! で、でた……マジで出た。

 てゆーか、軒並み低いな!


 あと運が999って……いやまあ、世界扉ワールドドアなんてとんでもアイテムを、ただでゲットできたんだ。

 すごい運といえる。


 ……にしても、このステータスは……。

「全部1って……まあ、戦う機会のない現代日本人なら、こんなもんか……」


 しかしスライムにすら負けそうなステータスだなおい……。

 でも称号【異世界のまれびと】の効果で、成長率に補正がかかってるって言ったっけ。


「てことは……レベルも、ステータスの数値もあがるんじゃないか……?」


 やべえ、それがマジなら、すげえことじゃないか。

 レベルを上げて無双とかも、できそう。


「ま、まあ……すぐには戦わないけど……絶対」


 今こんな貧相なステータスじゃ、勝てないもんな。


「さて……あとは、残りのスキルについて確認してみるか」


 鑑定スキルを使って調べたところ、


・アイテムボックス(SSS)

→無限に収納できる。数、大きさ問わず。また中に入れてる間は時間が止まる。


・等価交換(SSS)

→異世界の金貨、アイテムを、等価値の現実の金に変換可能。

※日本円の場合は電子マネー変換


・ステータス確認(SSS)

→ステータスを確認し、調整ができる。


「アイテムボックスは定番として、等価交換……って、やばいな。異世界のものを、日本円にできるんだろう?」


 これなら……たとえばこっちで冒険者とかやって、稼いだ金で、もうけたり。手に入れたレアなアイテムを使わずに、金にできるって訳!?


「すげえ……あ、でも電子マネーなんだ」


 まあ現実の金(札や硬貨)が謎パワーで増えていたら、さすがにオカミも不審に思うだろうしな。

 それに今の世の中じゃ、電子決済で大抵の買い物ってできるし。


「おいおい……まじか……はは、なんか、未来に展望が出てきたぞ!」


 俺には異世界を行き来する力がある。

 たとえば日本で売ってるライターとか、安く仕入れて、こっちで高く売って、それを日本円に【等価交換】すれば……。


「楽して金儲けできるんじゃないか……ゆ、夢が広がるな……!」


 ……まあとはいえ、貿易商的なことをするにしても、まずは現状把握だ。


「まだ部屋から出てすらいないからな……物を売るにしても、人のいるとこにいかないとだし。そもそもどこの、どんな建物なんだここ……?」


 ひとしきり、俺の持つ力を確認したので、お次はこの部屋のある、建物の探索をすることにした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] ステータスが運以外1というのは数値化する意味があるのだろうか? 成人男性で1なら女性、年寄り、子供はほとんど0ではないだろうか?
[一言] 運999はやりすぎでしょう。
[気になる点] >【異世界のまれびと:世界扉を初めてくぐったものに送られる称号。成長速度に補正がかかる。なお、この称号を持たぬものは世界扉を使用できない※例外あり】 この説明と世界扉の説明から ・称…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ