194.なんか平気
俺は大樹のうろの中に入った。
フェルも入った。
……あれ?
「微精霊たちよ」
『『『なんじゃー?』』』
「このフェンリルが普通に入ってきてるんだが?」
入ったら死ぬのでは……?
『主よ。忘れてるようだが、我神獣ぞ?』
「そういやそうだったね……って、おまえが来たらラビリンがヤバいだろうが。戻れって」
するとフェルがニヤリと笑う。
『それが大丈夫なのだよ』
「はぁ……?」
フェルの上に、ラビリンが乗っていた!
「おい! なにやってんだ! 死ぬ……………………あれ?」
ラビリン、生きてますがな?
あれぇ……?
「どうなってんだ?」
『主から発せられる神気が、この女を守ってるのだよ』
でた、また神気。
もう神気って言っておけば、何が起きてもいいみたいな感ない……?
「ええと、つまりラビリンは俺の側なら、死なないと?」
『うむ。契約させるのであれば、この女を連れてった方が良いであろう? 大精霊は動かんぞ』
「動かないの?」
『うむ。絶対動かない。よほどのことがないかぎり、己の領域に引きこもってしまうのだ』
そうだったのか……。
「早く言えよ」
『すまないな、忘れてた』
ニヤニヤ笑ってるフェル。またちょっと昔に戻ってるな。
す……と俺が近づいてやる。
『ぎゃー! すみませんでした! 近づかないで!』
フェルは暗黒龍の呪いをだいぶ警戒してるのだ。
まあ、なんにせよ……だ。
まあ、いいや。行って帰ってくる手間が省けたからな。
【★大切なお知らせ】
好評につき、連載版をスタートしました!
『【連載版】おばさん聖女、隣国で継母となる〜偽の聖女と追放された、私の方が本物だと今更気づいて土下座されても遅い。可愛い義理の息子と、イケメン皇帝から溺愛されてるので〜』
広告下↓にもリンクを用意してありますので、ぜひぜひ読んでみてください!
リンクから飛べない場合は、以下のアドレスをコピーしてください。
https://ncode.syosetu.com/n2184ix/