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187.呪われたおんな



 妖精郷アルフヘイムをしばらく進んでいくと……。


『主よ、少し行った所に人が倒れておるぞ』

「人が……?」


 フェンリルのフェルがそう言ってきた。

 こいつは鼻が良いからな、離れた所にいる人間の匂いを、感じ取ったのだろう。


「人が倒れてるって……え、やばくない?」

『そうだな。魔蟲がうろついてるからな。喰われてしまうやもしれん』


 それは……ちょっと寝覚めが悪いな。

 基本厄介ごとには突っ込みたくない俺だが。


 しかし倒れてる人間がいて、死にかけてると知って、ほっとけるわけがない。


「助けにいくぞ」

『くく……我は主のそういうとこ、嫌いじゃないぞ』


「まーたからかってんのか?」

『いんや、本心さ』


 俺に邪龍の力が宿ってから、なんだか素直になったなフェルさんや……。

 まあいいか。


 俺はフェルに案内してもらい、その倒れている人間とやらのもとへやってきたつもり……だったのだが。


「おらんが?」


 周りには誰もいなかった。


『いや、ここにいるぞ』


 いやいないんだが……。

 と、次の瞬間……。


 すうう……と目の前に、女の子が突如として出現したのだ。


「女の子だ」

『なに? 女がいるのか?』


 ん?

 なんだ……?


「フェルおまえ、見えてないのか?」

『うむ。匂いで、そこに人が居るのはわかるが、見えぬ』


 何らかの魔法で、姿が見えないのだろうか。

 俺はカノジョに触れる。


 ぱきぃいん!


「なんか壊れた……?」

『む? 主よ、女が見えるようになったぞ』


 なにぃ?

 俺がただ触れただけで、魔法を壊してしまったのか……?


 そんなことあるぅ?


『魔法と言うより呪いかもな』

「ああ、俺が神気しんきで浄化した的な……?」


『うむ』


 しかし見えなくなる呪いか。

 厄介な呪いにかかっていたんだな。かわいそうに。


 ……てか、ナチュラルに呪いを解いてしまった。

 


「また厄介ごとにならないといいのだが……」

『主よ、それは無理だな』


 ですよねえー……はあー、厄介厄介。

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