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185.神はいるだけで魔物を殺す



 フェルの案内で、俺は妖精郷アルフヘイムとやらに到着した。

 

「うわ……すげえな。巨大樹の森っていやいいのかな、これ」


 すっごいでかい樹が目の前にある。

 見上げてもなお、てっぺんが見当たらない。


 そんな巨大樹が何本もあって、森を形成していた。

 ばーさんのいる森とは、また異なる趣をしているな。


「で、人が入れないってどういうことなんだ?」


 俺のかなり後に立っている、フェルに尋ねる。


妖精郷アルフヘイムには危険な魔蟲と呼ばれる魔物がうろついてるのだ』

「まちゅう……」


『きゃつらは肉食でな、人間が森に入った瞬間、捕食しようと襲ってくるのだ。中に安全に入るためには、ここに住む妖精の導きが必要である』


 おお、妖精なんているのか。

 ちょっとテンションあがる。マンガ編集だったからな、俺。


 ファンタジー的サムシングには興味あるのだ。


「妖精ってこの森にいるんだろ? どうやって案内してもらうんだよ」

『この森以外にも妖精がいる。そいつに会ってこの中に入れてもらうか、自力で入るかだな』


 自力で入る……。

 つまり、魔蟲とやらを討伐しながらってことか。


『「まあ」』


 俺もフェルも同じ気持ちだった。

 邪龍倒せるんだから、大丈夫っしょ。


「いくか」


 俺は巨大樹の森に入る。


 しーん……。


「あれ? 襲ってくるのでは?」

『そのはずなのだがな……ううん、どうしたことだろうか』


 いつもの意地悪ではなく、まじでわからないようである、フェルさん。


「ま、邪魔が入らないにはこしたことはないだろ?」

『それもそうであるな』


 俺たちは進んでいく。


「ん? 魔蟲って……あれか?」


 巨大樹の幹に、1匹の虫がとまっていた。

 カブトムシとゴキブリ、足して二で割ったような見た目をしてる。


『あれだな』

「でも、なんか樹の上にいて襲ってくる気配なんですが?」


 だいぶ近くまで来たというのに、魔蟲が襲ってくる気配はない。

 木の根元までやってきた。


 ドサッ……!


「『え?』」


 俺もフェルも思わず、驚いてしまう。

 魔蟲が仰向きに倒れていたからだ。


「どうなってんだこりゃ」

『……死んでおるな』


 なにぃ?

 死んでるだとぉ?


 俺は近づいてみる。魔蟲は動く気配がない。

 ……ほ、ほんとに死んでる。


「ほわい?」

『うーむ……しかるに、おぬしにびびったのかもしれないな』


「俺に? なんで」

『長野神だろ、おぬし』


 あー……そうね。

 神の力がバリバリあるんだったね、おいら。


『普段の神パワーに加え、今は股間に邪龍の力を宿してる。世界を破壊する神の力を感じ取り、魔蟲はショック死したのだろうな』

「まじか……」


 動物は人より感覚が鋭いと聞く。

 魔蟲は俺の持つ邪龍の気配をかんじとってしまったのかもしれない。


「フェルは無事じゃんか」

『忘れてるだろうが、我もまた神ぞ?』


 さようでございましたね……。


「つーか、ほんとこの呪いどうにかしたいな……」


 行く先々で魔物や動物の変死体があったとなったら、面倒なことになるし。


『呪いを解いたとて、力は残ると思うがな』

「まじかよ……! はぁ……めんど……最強ってめんどうなんすな」


『ナチュラルに強者のセリフを吐くようになったな、我が主よ』



 

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