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184.とても協力的フェンリル



 俺の股間の暗黒邪龍を鎮めるために、この異世界にいるという、森呪術師ドルイドのもとを尋ねることにした。


「で、どこにいるんだ? 森呪術師ドルイドってやつは?」


 俺が飛びながらフェルに尋ねる。

 ……フェルさんは俺から距離を取ってらっしゃる。


 いつもは俺をからかうほどの余裕を見せている彼女が、今は俺にびびっていた。

 エロ関連はどうやら苦手らしい。


『見つけるのは難しいであろう。森呪術師ドルイドは絶滅寸前だと聞く』

「へー、そうなん? どうして?」


『何らかの呪術的しばりのせいで、森の外へ出れぬそうだ』


 ……フェルさん、すっごい丁寧に説明してくるやん。

 普段の説明しなさっぷりが際立つ。


「ずっと森の中でくらす……となると、不便そうだな」

『うむ。外との交流がほぼないからな。子孫を増やすこともままならない。ゆえに、ドンドンと数を減らしてるそうだ』


 下手したら絶滅してるかもってことだな……。

 ううん、それは困るね。


「デカい森にいるかな?」

『そうだな……。我が見たことあるのは、妖精郷アルフヘイムで、かな』


妖精郷アルフヘイム?」

『北西部にある、大森林のことだ。危険な場所でな、人がほぼ入らない。というか、立ち入れない』


 ……なるほど。

 森呪術師ドルイドがいそう……っていうか。


「おまえ普段から、それくらいちゃんと説明してくれよ……」


 フェルさん俺の困ってる姿を見て楽しむとこがあるからな。

 いつもあえて説明をカットする。


 しかし今日は全部説明してくれていた。

『早く治ってもらわないと困るのだっ』


 別に俺が好きだからとか関係無しに、フェルはエロ苦手なんだろう。

 だから、暗黒邪龍をどうにかしたい……と。


「よし、妖精郷アルフヘイムへ行こう。案内してくれ」

『心得た』

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