179.すげえ師匠
《ブレイバSide》
……去って行く師匠を見つめながら、ブレイバは晴れ晴れとした表情を浮かべる。
「やっぱ……師匠はすげえや。おれたちの、この世界のピンチにすかさず駆けつけてくれるなんて……!」
遡ること半月ほどまえ。
邪悪なる魔の神の封印が解かれたのだ。
邪龍デスクライシスと名乗ったその化け物は、地上を蹂躙しだした。
多くの冒険者、英雄達が邪龍に勝負を挑む。
だがまるで歯が立たない。
ブレイバとその仲間達も討伐に名乗り出る。
だが聖剣が通じず、魔王の魔法すら敵にいっさいダメージを与えることができなかった。
彼らが出来たのは、民衆が避難する時間を稼ぐことだけだった。
悔しい反面、しかしブレイバは信じていた。
かならず、この苦境を前に、師匠が現れてくれると。
ブレイバはカイトが来てくれることを信じていた。
そして、来た。
見たことのない凄まじい、まさに神の御業とも言える魔法で、敵を倒してくれた……。
師匠が信頼に応えてくれたことがうれしい反面……。
ブレイバは悔しくもあった。
「おれも……まだまだ、だな……!」
邪龍の侵攻を遅れさせている時点で十分、この世界では上澄みだ。
しかしブレイバの強さの基準はカイトなのである。
「師匠のように強くなるため、もっともっと、もーっと修行するぞ!」
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