表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
170/241

170.ハリウッド女優ゲットだぜ



 俺は自殺しようとしていた豊野悠乃を助け、仕方なく、山の中に帰ってきた。


「おかえりっすー…………うぅう!?」


 縁側で絵を描いていたのは、俺の同居人、なぎ。

 彼女が俺の隣にいる悠乃を見て、驚愕に目を見開いた。


「か、かかか、界人かいとさん!?」

「どしたよ」

「ななな、なんでUNOさんがいるんすか!?」


「はぁ? UNOゆのぉ?」


 なにそれ?

 だだだっ、となぎが近寄ってきて、悠乃の顔をじっくりと見つめる。


「ま、間違いないっす! ハリウッド女優……UNOさんっすよぉお!」

「はぁ……はぁ?! は、ハリウッド女優ぅううううう!?」


 女優って、マジか!?

 まあ確かに、顔は整ってるなぁくらいには思ったけど……。


 まさかハリウッドでって……え?


「に、日本人だよなこいつ」

「そっす! 日本人であっても、ハリウッドで超人気の女優っすよ! 日本でも海外でも評価が高いっす! その美貌と、凄い演技力と、そして天女の声とも言われる歌唱力! 三拍子そろったスーパー大女優! それがUNOっす!」


 ……へ、へえ。

 そうなんだ……。


界人かいとさんどこでひろってきたんすか!?」

「いやなんか、自殺しようとしてたから……」

「ふぁあ!? UNOが自殺!? どうして……?」


 すると今まで黙っていた悠乃が、目を伏せながら言う。


「……信頼していたマネージャーと、婚約者に、裏切られてしまって……」


 事情はこんな感じ。

 彼女は元々人間不信なとこがあったそうだ。


 でもそんな彼女を支えてくれた女性マネージャーと、悠乃と同じ立場にいて支えていた男優の男とが、浮気していたそうだ。


 信頼する二人から裏切られたUNOこと、豊野悠乃は自殺を決意。

 故郷であるここ長野県の松本に帰ってきた……と。


「テレビでも報道されてないっすよ……そんな大スキャンダル……」

「……つい先日のことでしたから。でも

、もういいんです」

「ふぇ? どういうことっす?」


 悠乃は頬を赤らめると、俺の腕をつかんで、ぎゅっと抱き寄せる。

 で、で、でけえ! 胸でかすぎだろこいつ!


「……新しい、生きる意味を見つけましたので♡」


 ……どうやら俺は、とんでもないやつを拾ってしまったようだ……。

 てか……。


「おい犬」

『ん? なんだ主よ。我のこと忘れたのかと思ったぞぉ』


 にやにやと笑うのは、フェンリルのフェル。


「おまえ、わかってたな? こいつがUNOだって」

『さー、なんのことかなぁ。さ、テレビテレビ~♪』


 フェルはリビングへいくと、ハナでスイッチをつける。

 ごろんと寝そべってワイドショーを見ていた。


『おー、我が主~。ちょうどそこのUNOが失踪した事件が、テレビで報道されてるぞぉ~』


 ……こいつ、絶対わかっててやってやがった!

 チクショウ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
エルフの方が美人のはずなのにこっちの方が好みっぽいね? エルフみたいな生意気なのは嫌いなのかな?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ