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【Web版】異世界行ったら長野の神になりました  作者: 茨木野
第3章

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162/243

162.止めどなく進化していく神




 カイトが練能力者れんのうりょくしゃたちをぶっ倒したあと。

 公安所属の刑事、贄川にえかわ 無一郎むいちろうは都庁に帰ってきた。



「ふぅ……」

「お疲れさん」

見晴者レイカー……」



 これまた公安所属の潜入捜査官、見晴者レイカー(※コードネーム)が、マグカップを両手に持って現れる。

 片方を無一郎に渡してきた。



「ありがとう」

「おう。しっかし異次元者アンノウン、やべえな今回も」

「ああ、とんでもないよ……まさか、自動で敵の練能力者れんのうりょくしゃを撃退してしまうなんてね」



 遠くを見る能力を持った見晴者レイカーは、先ほどカイトがやったことを把握していた。



異次元者アンノウンはしばらく異世界に行ってたみたいだが、帰ってきたみてえだな。んで、帰ってきて早々、殺し屋に命を狙われたと」

「やれやれ……バカばかりだ。まだ界人君に勝てると思ってるバカがいるとは」



 カイトは現実でもかなりの回数やらかしてる。

 そのやらかしから、彼が尋常ならざる力を持った存在だと知れ渡ってるはずなのだが……。



 一定数カイトを目障りに思う連中がいるらしく、殺し屋が送り込まれた次第だ。



「今回もなかなか手練れの殺し屋が送り込まれたみたいだぜ? ま、瞬殺だったけどな」

「しかし界人君、いったい何をしたんだ?」

「なにも、してないよ」

「いや……なにもしてないってことはないだろう。何かこう、遠隔で魔法を発動させたんじゃ?」

「いや、何も。マジで何もしてねえんだよ。ただ、手を払った。その瞬間、殺し屋たちはやられた」



 ぽかん……とする無一郎。



「す、スキルか魔法か?」

「いや、違う。そんなちゃちな話じゃあない」

「じゃあ何をしたんだよ!? 彼は!」

「わからん。その一言に限る」



 愕然とする無一郎。

 公安は練能力者れんのうりょくしゃ、つまり、逆異世界転生者を管理する立場にある。



 現代で発生する不可思議な現象にたいしては、一般人より理解が深いはずだ。

 そんな公安ですら、カイトの使った力については、分析できないでいるようだ。



「これはあたしの仮説として聞いてほしいんだが……異次元者アンノウンは天罰をくだせるんじゃあないかな」

「……………………天罰?」

「そ。天罰。悪いことをしたやつを捕捉し、そいつに罰を与える力があるんじゃあねえのかなって」



 ……なんだそれは、と無一郎は愕然とする。



「まったくもって……科学的じゃあないなそれ」

「そのとおり。でも天罰。そう表現する以外に、異次元者アンノウンが殺し屋どもを気絶させた力の正体がわからねえんだわ」



 魔法やスキルを使えば、その痕跡は残る(魔力とか)。

 しかし倒れてる殺し屋たちからは、痕跡を感知できなかったのだ。



異次元者アンノウン……飯山界人は悪意を感知し、天罰を下せる力が備わってる、って考える方が一番筋が通るかなってよ」

「……それは、もはや神じゃあないか」

「うん。そーだよ。長野神。あながち……笑い事じゃあなくなってきたわけだ」



 テレビでは長野県に出没する神、長野神として特集が組まれている。

 人々はネットが作り上げた創作物だと思ってるようだ。



 ……しかし天罰まで下せるようになった。

 もはや、本物の神としかいいようがない。



「界人君……どこまで進化するんだい、君は」



 ちなみにそんな事態になってることなんて、カイトはまったく気づいていないのだった。


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『【連載版】追放聖女はキャンピングカーで気ままに異世界を旅する』

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