158.神、エスケープ
どうしてこうなった……。
七獄をクリアしたあと、ハイエルフの里に転移した。
そこにはなんか結界が張られていた。
やぶったらなんか変なのがでてきた。
そいつを浄化したら……。
「かーみ!」「かみー!」「神~!」
……とまあ、ハイエルフ連中から、俺は神扱いされるようになったのだ……!
『かっかっか! いやぁ、よかったなぁ我が主よ。え? また増えたじゃあないか、信者が。地球と異世界、どっちでも神は人気者だなぁ、ええおい』
フェリのやろう……この状況を面白がってやがる……!
「神……どうか、お礼をさせてくださいませ」
ハイエルフのひとりが、俺の前にやってきて、跪く。
「おおー! すげーっす! ししょー!」
勇者ブレイバくんがまたしても、俺にすげーすげー言う。
どうでもいいけど、君、俺と合流してからすげーしか言ってなくね?
「エルフが頭下げるなんて、すげーっすよ! プライド高い連中だっていうっす!」
そんな連中に目をつけられたってわけ……。
うん……。
「いでよ!」
ごぉ……! と俺の前に世界扉が現れる。
「「「なにぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?」」」
え、何驚いてるの、ハイエルフの連中……いやどうでもいい!
「おまえら! 飛び込め!」
「「「え?」」」
「早く! フェリ! 皆を連れて中へ!」
フェリはしぶしぶと俺にしたがい、ブレイバくんたちを加えて、扉の中に入る。
「お、お待ちくだされ! それは伝説の……」
「ああはい! もういいから! 俺は別にあんたら助けたくて助けたわけじゃない! 通りすがっただけ!」
びしっ、と俺はハイエルフに指さす。
「だから、お礼とかきにしなくていいし、今日見たことは忘れなさい。じゃ!」
といって、俺は扉の中に入る。
世界扉をつかえば、一度行ったところに一瞬で帰れる。
さっきまでは結界に包まれて転移魔法が使えなかったけど、それもぶっこわしたしな。
こうして、俺はダンジョンでの出来事を終え、ようやく、帰ることができたのだった……。
やれやれ、もう面倒ごとは勘弁ですわい。