156.俺何かやっちゃいました?
ハイエルフの里に出てしまった俺、とブレイバ君一行とアギレアちゃん。
転移で逃げようとしたところ、どうやら里は乱魔結界とやらにつつまれており、魔法が使えないらしい。
結界の破壊を試みたところ……なんか知らんが別の結界までもこわしてしまったそうだ。
「やべえ、こわしちまった……」
『くく、どうするの我が主よ』
フェンリルのフェルのやろうが(女だが)、実に楽しそうに笑っていた。
こいつ俺がなんかやると、すごい楽しそうにすんだよな……ええい、駄犬め。
「悪いな、ハイエルフさん。結界こわしちまってよ」
「い、いえ……! むしろありがとうございます!」
ん? なんかさっきよりもかしこまってないか、このハイエルフ。
「信じられない!」「奇跡だわ!」「今まで誰も外に出れなかったのに!」「これで我らは自由の身だ!」
うぉおお! とハイエルフさんたちがなんか歓声を上げてる……。
あれぇ? 俺何かやっちゃったろうか。
「ありがとうございます、賢者殿!」
「け、賢者……? 俺のこと?」
「はい! あの強固な結界を破壊した、すさまじい魔法の腕! 高名な魔法使い様……賢者様であられると!」
「いや……違うけど……」
確かに俺のばーさんは高名な魔女だけども。
孫の俺はそんなことない、ただの元サラリーマンだ。
「つーかなに、この喜びよう……?」
するとハイエルフの連中が俺の下へやってきて、頭を下げる。
ええー……なになに?
「ありがとうございます、命の恩人様……!」
「ふぁ……!? い、命の恩人だぁ……!?」
マジで俺なにもしてない……てゆーか、勝手に結界をぶっ壊しちゃっただけなんだけど……。
「我らを閉じ込めていた結界を、あなた様は壊し、お救いになられた! 我らハイエルフの救世主様だ!」
「「「うぉおお! 救世主様ぁ! うぉおおおお!」」」
え、ええー……い、意味がわからんぞ!
閉じ込めていた!? 救世主!?
「すげえやししょー!」
ブレイバ君はなんか感心してるし……!
『ぎゃははは! あーあ、どこいっても主はやらかすなぁ』
フェリは無責任に馬鹿笑いしてる。
ああもう、いったいなにがおきてるんだ。一体俺はなにをやらかしてしまったんだ……?
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