153.帰還
ダンジョンをクリアした俺たちは……。
気づけば、知らぬ場所に立っていた。
「ん? なんだぁ……ここ」
俺はばーさんの屋敷の庭にいたはず。
だがここは、どう見ても森の中の屋敷じゃない。
「ここも、地下? 神殿……?」
なにやら荘厳な面持ちの建物のなかのようだ。
そして周囲が薄暗いことから、地下であることが推察された。
「どこか別の場所に転移されたのだろう」
「イージス。転移されるって?」
奴隷のエルフ、イージスが説明する。
「ごくまれにだが、ダンジョンがクリアされたとき、入ってきた場所とは別の場所から出ることがあるのじゃ」
「まじかいな……じゃあ、ここはばあさんの庭じゃない、別の場所ってことか……?」
まあ明らかに室内だからなぁ。
すると……
がちゃがちゃがちゃっ。
「え? だ、誰あんたら……?」
白い鎧を身に纏った、変な連中が、俺たちに武器を向けてくる。
「貴様ら! なぜ神聖なるほこらの前に居る!」
神聖なる……ほこら……?
いや……え、なにこれ……まだ家に帰れないの?
だるぅい……。
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