150.神の光(無自覚)
界人たちはダンジョン七獄を攻略中。
そのボスの部屋にたどりついた一行を待ち受けていたのは、闇の世界。
魔王アギレアは恐怖に慄いていた。
周囲一面の闇。
右を見ても左を見ても何もない。
音も聞こえず、自分の呼吸音すら聞こえなくなっていた。
次第に、自分が生きてるのかどうかもわからなくなっていた。
立ってるのか座ってるのかもわからなくなっていた。
自分が、生きてるのか死んでるのかすら、判然としない。
底なしの闇の中へと、落ちていく。
叫び声も上げられず、このまま死んだとしてもわからないだろう。
……だが、そのときだ。
闇の世界でただ一つ、光り輝くものがあった。
それはまるで灯台の光だった。
彼女にいまこの場所を、定義づけてくれる。
自分がまだ生きてるのだと教えてくれる。
「かはっ! はぁ、はぁ、はぁ……わ、わたしは、い、生きてる? 生きてる、よね?」
「? どうした急に?」
光を放っているのが誰か、気づく。
そこにいるのは……
「か、神……」
闇の中で背中に光の輪を携えたそれは、本気で神に見えた。
しかしその光を放ってるのは、神ではなく、界人。
「お前さっきから何やってるの? 急にはあはあ言い出したと思ったら、その場でへたり込んで」
「き、貴様この闇を感じなかったのか?」
「え、全然。みんなむしろ何やってんのかなって。急に倒れるし」
どうやらこの男、この部屋に入ってからの一部始終を、視認できていたようだ。
この闇の中、ただひとり……
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